2022.10.20

キャリア10年目に臨むアデトクンボ「僕はコービーには遠く及ばない。でも…」

NBA10シーズン目を迎えたアデトクンボ[写真]=Getty Images
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「僕としては彼の名前を出して話したくはない。でもマインドセットのいくつかの面で、僕らはすごく似ていると思う」

 NBAの2022-23シーズンを前に、『ESPN』や『The Athletic』、『Sports Illustrated』といった現地の大手メディアは、プレーヤーランキングでこぞってヤニス・アデトクンボミルウォーキー・バックス)をトップにした。

 2020-21シーズンにリーグを制し、ファイナルMVPに輝いたアデトクンボは、4シーズン連続でオールNBAファーストチーム、オールディフェンシブファーストチームに名を連ねている実力者。

 2連覇を目指して臨んだ昨シーズンのプレーオフ。バックスは第2の得点源クリス・ミドルトンをケガで欠いたこともあり、カンファレンス・セミファイナル第7戦でボストン・セルティックスに敗れて姿を消していた。

 とはいえ、アデトクンボはシリーズ平均40.0分33.9得点14.7リバウンド7.1アシストをたたき出し、NBAプレーオフ史上初となる1シリーズで200得点100リバウンド50アシストをクリア。

 ギリシャ代表として臨んだFIBAユーロバスケット2022でも、大会平均29.3得点8.8リバウンド4.7アシスト1.5スティールを残してオールスター5(ベスト5)に選ばれた。

コービー(右)とアデトクンボ(左)[写真]=Getty Images

 10月20日(現地時間19日、日付は以下同)。そのアデトクンボの記事が『The Athletic』へ公開され、リスペクトするコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ)についてこのように話していた。

「僕はコービーという偉大な男のことを軽視することは絶対しない。彼について話すことも好きじゃないんだ。彼については(これから先も)話されていくべきだと思うし、忘れてはならないとは思う、けど、僕としては彼の名前を出して話したくはないんだ」

 2018年のオールスターで、アデトクンボはコービーとの会話を探し求めていた。その後オフシーズンでワークアウトが実現し、ギリシャからやってきたフォワードはそこからMVPや最優秀守備選手賞、ファイナルMVP、オールスターMVPに選ばれるなど、リーグでもほんの一握りのトッププレーヤーへ仲間入り。

 レイカーズ一筋20シーズンをプレーしたコービーは、5度の優勝に2度のファイナルMVPを獲得したほか、オールスターに18度、オールNBAチームに15度、オールディフェンシブチームに12度も選ばれたスーパースター。

 アデトクンボは「僕は彼には遠く及ばない。でもこう言うことはできる。マインドセットのいくつかの面で、僕らはすごく似ていると思うんだ」と話し、こうも続けていた。

「僕は彼と同じくらいの才能はないかもしれない。でも僕らはリーグ入りした初日から引退するまでものすごくハードに練習してきた男について話していた。その男は勝利するためにプレーし、自身を限界まで追い込んで、コートに足を踏み入れればキラーメンタリティを持っている。僕にはそれが備わっているようなものなんだ」

 NBA入りから体を鍛え抜いて屈強な肉体を手に入れたアデトクンボは、ユーロステップやポストから繰り出すフェイダウェイジャンパーをレパートリーに加えるなど、攻防両面で毎晩ベストなプレーをすべく試合に臨んできた。

 今シーズンで節目となるキャリア10年目を迎えたアデトクンボだが、コービーはその2倍、高校卒業後から20年間もNBAという世界最高のプロバスケットボールリーグでプレーし続けてきた。その途中には長期離脱を余儀なくされたケガもいくつかあったとはいえ、コービーはコート内外で常にバスケットボールと向き合い、ベストプレーヤーになるべく努力を続けてきただけに、アデトクンボは「まだまだ足りない」という気持ちでいるのだろう。

 2シーズンぶりの王座奪回を目指すバックスは、21日のフィラデルフィア・セブンティシクサーズ戦でレギュラーシーズン開幕を迎える。今シーズンのMVP候補にも挙がるアデトクンボが、シーズン初戦でジョエル・エンビードジェームズ・ハーデンPJ・タッカーらを相手にどんなパフォーマンスを見せてくれるか、大いに期待したいところだ。

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