2022.12.13
フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビードは、昨シーズンに平均30.6得点11.7リバウンド4.2アシスト1.1スティール1.5ブロックを残したリーグ最高級のビッグマン。カメルーン出身の28歳は、外国籍出身選手としてNBA史上初の得点王にも輝き、2シーズン連続で2位のMVP得票数を得た。
だがオフシーズンは足底筋膜炎によってワークアウトがほとんどできず、今シーズン開幕後も体調不良で10月末から11月上旬にかけて欠場するなど、万全のコンディションとは言えなかった。
とはいえ、シクサーズは今月に入ってジェームズ・ハーデンが右足の腱を痛めたことで約1カ月の戦線離脱が発表されており、勝率5割にするのがやっとという状況で苦しんでいた。
すると11月13日(現地時間12日、日付は以下同)のアトランタ・ホークス戦でエンビードが大爆発。40分1秒コートに立ち、42得点10リバウンド6アシスト2スティール2ブロックをマークし、121-109の勝利へと導いたのである。
もっとも、その試合後の会見で、エンビードはホークス戦で足首をひねったことを明かしており、翌14日のユタ・ジャズ戦に向けて「俺はプレーするつもりだけど、明日(足首が)どうなっているかを見てみないとね。すごく痛むんだ」と発言。
さらに肩の痛みとも付き合いながらプレーしていることも明かしていた。「何が起こったのかは俺にも分からないんだ。でも腕を上げられない日もある。ブロックショットをする時、本当にそう感じるんだ。どうなっているのか俺にも分からないよ」とエンビード。
ところが、シクサーズの大黒柱は14日にホーム2連戦の2日目として迎えたジャズ戦で36分41秒プレー。同点16度、リードチェンジ16度という激戦を戦い抜き、シクサーズが105-98で制して2連勝を飾った。
しかも、エンビードは2連戦の2日目となったこの試合でケリー・オリニクやウォーカー・ケスラーといったジャズのビッグマンらを圧倒し、キャリアハイの59得点に11リバウンド8アシスト7ブロックの超絶パフォーマンス。特に第4クォーターではシクサーズの27得点のうちなんと1人で26得点をたたき出してみせた。
「私はディフェンスとオフェンスを兼備した、あんな支配的なパフォーマンスはこれまで見たことがない」とドック・リバースHC(ヘッドコーチ)が脱帽したとおり、この日のエンビードは攻防両面において見事に支配したと言っていい。
1973-74シーズンにブロックショットが公式スタッツになってからというもの、1試合で50得点10リバウンド5アシスト5ブロック以上を記録したのはエンビードが初。シクサーズが誇るリーグ最高級のビッグマンは、この日歴史的なパフォーマンスで勝利へと導いたのである。
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