2022.12.12

国際大会の経験がないエンビード…アメリカ代表とフランス代表、どちらを選ぶ?

シクサーズの大黒柱を務めるエンビード[写真]=Getty Images

 現在カタール開催中の「2022 FIFAワールドカップ」やオリンピックに象徴されるように、各国の威信をかけて戦う国別の大会には、リーグ戦とは全く異なる情熱が注がれてきた。意地とプライドの激しいぶつかり合いは文字どおり手に汗を握り、世界大会の制覇はNBA優勝にも負けじと劣らない名誉と位置付けられている。

 しかし、NBAでも指折りの実力を誇るジョエル・エンビード(フィラデルフィア・セブンティーシクサーズ)は、意外にも国際大会の経験がない。

 同選手は、過去に“アフロバスケット”の異名を持つ「FIBAアフリカ選手権」に故郷のカメルーン代表で出場する可能性があった。カメルーンは2007年以来アフリカ大会の決勝から遠ざかっており、国際舞台で望ましい結果を残せていないため、代表入りを熱望する声が後を絶たない。

 だが、エンビードは2022年7月上旬、現在家族が在住するフランスの国籍を取得したため、同国の代表チーム入りが噂されている。フランスは言わずと知れた欧州の強豪国で、直近のワールドカップでは2大会連続で3位に入賞したほか、2021年の東京オリンピックでは銀メダルを獲得した。

 現在はルディ・ゴベア(ミネソタ・ティンバーウルブズ)やエバン・フォーニエ(ニューヨーク・ニックス)といった実力者が名を連ね、来年のドラフトで1位指名が有力視されているビクター・ウェンバンヤマも「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の地区予選でフランス代表デビューを飾ったばかりだ。

フランスは東京オリンピックで銀メダル獲得を果たした強豪国だ[写真]=Getty Images


 同国を指揮するビンセント・コレ監督も「是非、我々とプレーしてほしい」と、エンビードに熱烈なラブコールを送っている。

 その一方で、最近エンビードのアメリカ市民権獲得が報じられた。大学時代からアメリカで生活している同選手は息子が国籍を保有していることから、同国からより手厚いサポートを受けるために市民権を獲得したものと思われる。これによって、アメリカ代表でプレーする可能性も生まれ、メディアとファンはどちらの代表チームでプレーするのか、決断を見守っている。

 しかし、当の本人は代表チームの選択について明言していない。エンビードは『TalkBasket.net』に対して、今の率直な気持ちを伝えている。

「国際的なことについてのコメントは控えたい。なぜなら、今はNBAのシーズン中だからだ」

「僕はチームとしてステップアップすること、そして選手として成長することに集中している。プレーオフに進出して、そこで何を達成するかに全力を注ぎたい。それ以外のことは後で考えるよ。今はNBAでチャンピオンになるために全身全霊を尽くしたいんだ」

 このため、エンビードの本心は不透明だ。しかし、2024年のオリンピックがパリで開催されることは、決断の大きな判断材料になるかもしれない。その前年には日本、フィリピン、インドネシアで「FIBAバスケットボールワールドカップ 2023」の開催が予定されている。果たしてエンビードはどの国を背負い、国際舞台に登場するのか。

 文=Meiji

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