2023.02.10
ジェイ・クラウダーは現在、所属球団のフェニックス・サンズと双方合意のもとコートから遠ざかり、移籍先を検討している最中だ。仲違いの理由は明らかになっていないが、「人は必要とされる場所で働くべき」というクラウダーの発言から推測するに、一部ではキャメロン・ジョンソンに先発の座を奪われたことが要因と言われている。
スーパースターたちも手を焼くハードなディフェンスと、要所での3ポイントが持ち味のクラウダーはリーグでも指折りの3&Dであり、トレードリクエストが承認されて以来、サンズに問い合わせをした球団は数知れないだろう。直近の報道では、ミルウォーキー・バックスやアトランタ・ホークス、ゴールデンステイト・ウォリアーズとの交渉が伝えられてきた。
しかし、サンズは水面下でワシントン・ウィザーズともトレードの可能性を模索していたようだ。そして、NBA記者のマーク・スタインによると、ウィザーズはクラウダー獲得のために八村塁を提示したという。
だが、サンズはウィザーズからのオファーを棄却した模様。スタインはその理由について、「八村はサンズのスターターに値するスタイルではないから」と説明している。
2019年にドラフト9位指名でNBA入りを果たした八村。ルーキーイヤーこそ13.5得点、6.1リバウンドと上々の滑り出しを見せたものの、直近の2年は理想的な成長曲線を描けていない。昨年は個人的な理由により欠場が続き、シーズンの半分を休場。そして、今季もケガの影響により11月下旬から約1カ月間コートから遠ざかり、ライバルのカイル・クーズマやデニ・アブディア、コーリー・キスパートらにスターターの座を譲っている。
サンズは、事実上クラウダーを失い、期待のジョンソンも右ヒザ半月板損傷により離脱していることから、安定感のあるスターター級のウイングプレーヤー獲得が急務となっている。フロントはこうした状況を踏まえて、継続性に疑問の残る八村とのトレードはリスクがあると判断したのだろう。
一方の八村もルーキー契約の最終年を迎えている。来夏には制限付きFAとなるため、ウィザーズで契約延長を勝ち取るためには、レギュラーシーズン後半の巻き返しが不可欠だ。
サンズの要求は決して低くはない。ロスターを底上げする実力派だけに、クラウダーの行き先には引き続き注目が集まる。
文=Meiji
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