2024.06.26
ケガや在籍したチームの改革の都合上、直近の3シーズンでわずか40試合しかプレー機会がなかったジョン・ウォールは、今季よりロサンゼルス・クリッパーズに移籍し、コンディションを慎重に確かめながら、再起に向けて歩み出した。
エリートガードはかつて、変化を求めてルーキーイヤーから10年を過ごしたワシントン・ウィザーズを離れ、ヒューストン・ロケッツに加入。ロケッツでは、当時不動のエースだったジェームズ・ハーデンと強力なバックコートを形成する予定だったが、その夢は実現せず、最終的にウォールは1年間の欠場を含め、わずか18カ月でテキサスを離れることとなった。
最近「Tidal League」のポッドキャストに出演したウォールは、ロケッツで過ごした時間を回顧。ただし、その時間はお世辞にも充実とは程遠く、それどころか、「ゴミ以下だった」と当時のチーム状況を痛烈に批判した。
「俺がトレードされたら、そこにはジェームズがいると思っていたけど、彼はもう球団を離れたがっていた。俺が(ヒューストンに)着陸して『調子はどう?まもなく到着する。これから入団会見があるんだ』と言うと、彼は「俺は今、リル・ベイビーの誕生日のためにアトランタに向かっている途中なんだ」と返信してきた。ふざけているだろう?」
「彼は『一緒に行くか?』とも聞いてきた。俺はここにトレードされたばかりなんだぞ。そんな失礼なことができるわけがない。まずは関係性を築くところからだ。俺はオーナーやGMのことも知らない。何も知らなかったんだ」
厳しい環境下で育ち、カレッジは名門ケンタッキー大学に進学。2010年にはドラフト1位指名されるものの、忠誠を誓ったウィザーズでは頂上からの景色を眺めることはできなかった。そんな多彩なキャリアで知られるウォールだからこそ、ロケッツの体質には我慢ならなかったのだろう。同エピソードの中で、ウォールはジェイレン・グリーン獲得のためにロケッツがタンクの決断を下したことを明かしている。
それでも、ヒューストンでの経験が生産的なものであるよう、ウォールはベテランとして最善を尽くした。そして、球団の未来を担うであろうケビン・ポーターJr.とグリーンには、NBAでプレーする上で厳しいアドバイスを送ったという。
「彼らには『こんなクソみたいな敗戦に馴れてはいけない。リーグはそういう場所ではない』と伝えたんだ。それと同時に『ここで逃げ出して、もし他のチームに行けば、リーグに居場所はなくなる。プレーできないだろう』とも言う必要があった」
馴れ合うことを嫌い、常に勝利に貪欲なウォール。新天地のクリッパーズで持ち前のリーダーシップと溜め込んだ鬱憤を爆発させ、チームを高みへと導くことはできるのだろうか。
文=Meiji
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