2023.11.13
12月11日(現地時間10日、日付は以下同)。ロサンゼルス・クリッパーズが敵地キャピタルワン・アリーナへ乗り込み、ワシントン・ウィザーズ相手に114-107で勝利をおさめた。
この試合、クリッパーズではポール・ジョージがゲームハイの36得点に7リバウンド6アシスト3スティール2ブロックと大暴れ。さらにマーカス・モリスが19得点6リバウンド、カワイ・レナードが13得点8リバウンド6アシスト、ニコラ・バトゥームが12得点6リバウンド2ブロック、ルーク・ケナードが10得点5アシストと続いた。
もっとも、この試合の主役はジョン・ウォールだった。2010年のドラフトで1巡目全体1位指名され、キャリア最初の10シーズン(うち1シーズンはケガのため全休)を在籍してきた男は、2020年12月にヒューストン・ロケッツへトレード後、翌2021年2月に対戦相手として古巣へ凱旋も、当時は新型コロナウイルスのパンデミックの影響で無観客試合だった。
「僕にとってはこの4年間で待ち焦がれていたこと。トレードされてから初めて、ヒューストン(ロケッツ)の一員としてここに戻ってきた時はCOVID(新型コロナウイルスのパンデミック)だったから誰もいなかった。昨シーズンはプレーしていなかったしね。この機会、それに(ファンのみんなが)ここに来て自分にふさわしいと思える愛情を与えてくれたことがうれしい。まるで花束を受け取ったような感じだね」
試合後にそう語ったウォールは、スターターとして29分2秒プレーして13得点3アシスト2スティールをマーク。前回、この男がウィザーズのファンの前でプレーしたのは、2018年12月17日のこと。
今回は対戦相手ながら、約4年ぶりにワシントンD.C.のファンの前でプレーしたポイントガードは、第2クォーター途中にスティールから自ら持ち込み、プルアップジャンパーを放り込むと、「今でも俺の街だ!」とさけぶなど会場に集まったファンとの時間を楽しんでいた。
クリッパーズはこの試合で先発ポイントガードのレジー・ジャクソンを休養させ、クリッパーズ加入後初のスターターとして勝利に貢献したウォールについて、タロン・ルーHC(ヘッドコーチ)はこう話していた。
「素晴らしかったと思うね。観客を見ていて、スターティングラインナップが紹介され、あそこに集まった観客が彼へありったけの愛情を送っていた。ああいうシーンを見るのは大好きだよ」
ウィザーズで長年バックコートデュオを形成していたブラッドリー・ビールがケガのため欠場したことは残念だったものの、両選手は会場で言葉を交わし、束の間の再会を果たした。
ウィザーズからトレード後、ロケッツを経て今シーズンからクリッパーズでプレーするウォール。レナードやジョージ、ジャクソンなど超強力なロスターを有する新天地でローテーションの一角を務める32歳の司令塔だが、決して決別したわけではないとも口にしていた。
「まださようならとは言ってない。将来、何が待ち受けているかなんて、誰にも分からないからね。僕にとっては(ウィザーズへの復帰を)遮断したわけじゃないんだ。今回は僕を愛し、19歳の少年から大人になった僕の成長を見届けてくれた人たちに会う機会を手にしたということさ」
タイムアウト中にはウォールのトリビュートビデオが会場で流れるなど、ワシントンD.C.はフランチャイズ史上最高級のポイントガードの凱旋を歓迎。これから先、ウォールはクリッパーズの一員としてチャンピオンシップ獲得を目指して戦っていくことになる。
ただ、これから先、ウォールがNBAキャリアをスタートさせたウィザーズに復帰するという選択肢が閉ざされてはいないことは、今でもこの男がワシントンD.C.を心底愛していることを端的に言い表しているのではないだろうか。
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