2023.02.21
2月9日(現地時間8日、日付は以下同)に成立した3チーム間トレードで、ラッセル・ウェストブルックはロサンゼルス・レイカーズからユタ・ジャズへ移籍。レギュラーシーズン途中でトレードされるのは、NBAキャリア15年目で初のことだった。
2008年のドラフト1巡目4位でシアトル・スーパーソニックス(現オクラホマシティ・サンダー)から指名されたウェストブルックは、2008-09から2018-19までの11シーズンをサンダーでプレーし、2016-17シーズンにはMVPに選ばれたスーパースター。
だが翌2019-20シーズンはヒューストン・ロケッツ、2020-21シーズンにはワシントン・ウィザーズでプレーし、昨シーズンからレイカーズへトレードで加入も、またもやトレードで移籍を経験することに。
ウェストブルックの契約は今シーズン限りで、今夏には制限なしフリーエージェント(FA)となる。新天地のジャズにはコリン・セクストンやジョーダン・クラークソン、リアンドロ・ボルマロといったガードがおり、ラウリ・マルッカネンやウォーカー・ケスラーといったヤングコアを中心に再構築している最中ということもあり、ジャズではプレーせずに契約をバイアウトし、ウェイブ(保有権を放棄)されたあとに制限なしFAとなる可能性が浮上している。
もし34歳のポイントガード(PG)がFAとなって新たなチームと契約する場合、その候補となっているのはロサンゼルス・クリッパーズ、マイアミ・ヒート、シカゴ・ブルズの3チーム。

サンダー時代の指揮官ドノバン(右)は、現在ブルズにいる[写真]=Getty Images
『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が有力な候補として挙げたのはブルズ。このチームにはビリー・ドノバンHC(ヘッドコーチ)をはじめ、モーリス・チークス、ジョシュア・ロングスタッフ(いずれもアシスタントコーチ)という、サンダー時代のコーチングスタッフがいるからだという。
その一方で、サンダー時代に2シーズンをともに戦ったポール・ジョージも、現在所属しているクリッパーズへ勧誘している。このチームではテレンス・マンが先発PGを務めており、10日のデッドラインでウイングプレーヤーのエリック・ゴードン、センターのメイソン・プラムリー、若手PGのボーンズ・ハイランドを獲得したものの、レジー・ジャクソンとジョン・ウォールというベテランのPG陣を放出していた。
11日のミルウォーキー・バックス戦後、ジョージは「俺たちにはポイントガードが必要だ。でも同時に、俺たちはいいチームだと思っている。もし何も起きなくても、このチームには十分そろっている」と語るも、ウェストブルックについてこうも話していた。
「けど、もし俺たちがゲームを楽にしてくれるような従来のポイントガードを獲得すれば、このチームは間違いなく良くなるだろうね。だから、ラッセルがこのことを見てくれているといいな」

サンダーで2シーズン共闘してきたウェストブルック(右)とジョージ(左)[写真]=Getty Images
また、マーカス・モリスSr.も「俺たちなら彼を歓迎する。俺たちにはベテランが必要なんだ。彼は何度もプレーオフで戦ってきたし、ファイナルに出場した経験もある。俺は彼に来てほしい。彼に復帰する機会を与えたら、危険な存在になるかもしれないよ」と話していた。
もっとも、ウェストブルックがジャズでプレーしないと決まったわけではない。11日に地元メディア『THE SALT LAKE TRIBUNE』へ公開された記事のなかで、ジャスティン・ザニックGM(ゼネラルマネージャー)は、ダニー・エインジCEOがウェストブルックの代理人ジェフ・シュワルツと連絡をとり、あらゆる選択肢について話し合っていると報じられている。
そしてジャズのGMは「我々は彼についてはあらゆる可能性についてオープンでいます。彼はユタへ来たことをとてもポジティブに受け止めています」とも語っていた。
もしウェストブルックがバイアウトを希望し、ブルズ入りとなればサンダー時代のコーチ陣と再会、クリッパーズ入りすればジョージやロケッツ時代の戦友ゴードンと再び一緒にプレーでき、ロサンゼルスに残ることができる。
ただ、現時点ではジャズでプレーする可能性も残されており、バイアウトと決めつけるのはさすがに時期尚早なのかもしれない。今後のウェストブルックの動向から目が離せない。
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