2023.06.22
4月8日(現地時間7日、日付は以下同)。プレーイン・トーナメント参戦へ向けて“負けられない”試合が続くダラス・マーベリックスは、ホームのアメリカン・エアラインズ・センターでシカゴ・ブルズを迎えた。
7日を終えた時点でマブスはウェスタン・カンファレンス11位の38勝42敗。プレーインへ出場可能な最後のスポットにいる10位のオクラホマシティ・サンダー(39勝42敗)を0.5ゲーム差で追う展開だった。
ところが、この日マブスはカイリー・アービングが右足のケガからの回復のため欠場。さらにティム・ハーダウェイJr.(左足首の痛み)、ジョシュ・グリーン(休養)、マキシ・クリーバー(右ハムストリングのケガからの回復)、クリスチャン・ウッド(休養)と、計5人の主要メンバーが欠場。
ルカ・ドンチッチは5日に「チャンスが残っているなら、僕はプレーする。そのチャンスはまだなくなってはいないんだから」と話していたのだが、第1クォーターにフル出場し、第2クォーターもコートへ立つも、序盤にレイアップを決めた後にフランク・ニリキナと交代でベンチへ下がり、そのままコートへ戻ることなく、ベンチから試合を見守ることに。
結局、マブスは112-115でブルズ戦を落としたことで38勝43敗となった。今シーズンの直接対決でサンダーに1勝2敗で負け越しているため、レギュラーシーズン終了時に勝率が並んでいてもタイブレイクでサンダーが10位に入るため、1試合を残した時点でポストシーズン進出の可能性が消滅。
昨年まで3年連続でプレーオフへ出場し、昨年はウェスタン・カンファレンス・ファイナルまで駒を進めたマブスだったが、オールスターブレイク後に7勝14敗と失速し、4シーズンぶりにプレーオフを逃すことに。
昨シーズンの躍進に貢献したジェイレン・ブランソンが加入したニューヨーク・ニックスがイースタン・カンファレンス5位で2シーズンぶりのプレーオフへの出場権をつかみ、8日にはカイリーとマーキーフ・モリスを獲得する見返りとしてスペンサー・ディンウィディー、ドリアン・フィニー・スミス、複数のドラフト指名権を放出したブルックリン・ネッツがイースト6位でプレーオフへの切符を手に入れただけに、なんとも複雑な結末となった。
ブルズ戦の前の会見で、ジェイソン・キッドHC(ヘッドコーチ)は「我々は自分たちの生活のために戦ってきた。自分たちが今置かれている状況も理解している。だが組織がそれを変えるという決断を下したんだ」と話していた。
これはマーク・キューバン オーナーとニコ・ハリソンGM(ゼネラルマネージャー)による決定であり、キッドHCはその決断をするプロセスには関係なかったという。
「その決断に賛同しているのか?」と聞かれたマブス指揮官は「彼らは私のボスだ。つまり答えはイエスだ」と返答。マブスはドンチッチ、カイリーというオールスターガードを2人も擁しながら、一足早く今シーズンを終えることとなった。
マブスはこの試合を迎える前の時点でブルズと並んで38勝42敗と、リーグワースト10タイの戦績だった。このままリーグワースト10の戦績で終えれば、5月17日に開催されるドラフトのロッタリー(指名順位の抽選会)でトップ10指名権を獲得できる可能性が高くなる。さらに、2019年にクリスタプス・ポルジンギス(現ワシントン・ウィザーズ)を獲得したトレードで、ニックスから2023年のドラフト1巡目指名権を獲得しており、トップ10プロテクトだった。つまり、指名権が11位以降になるとその指名権はニックスへ渡ることとなる。
そのため、マブスには5月のロッタリーで高順位の指名権を獲得できる可能性が残されており、もし実現すれば、6月23日のドラフトで即戦力のルーキーあるいは将来性の高い逸材を指名することができるかもしれない。
ただ、今シーズンの開幕前の時点で、このチームはプレーオフ進出、さらにはその上を目指していたはず。このような結果に終わってしまったことで、フランチャイズプレーヤーのドンチッチ、そして今シーズン終了後に制限なしフリーエージェント(FA)となるカイリーの決断に悪影響を及ぼす可能性があることも否定できない。
今シーズンの覇権争いから脱落し、今シーズン終了後の戦力補強へと切り替えたマブスが、どんな布陣で来シーズンを迎えることになるのかは気になるところだ。
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