2023.06.13

満場一致でファイナルMVPに選出されたニコラ・ヨキッチ「チームで見せた努力のお陰さ」

ファイナルMVPに選ばれたヨキッチ(中央)[写真]=Getty Images
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ファイナルMVPの投票権を持つ11名から満場一致で選出
得点、リバウンド、アシストで今プレーオフ最多というNBA史上初の快挙

 6月13日(現地時間12日)にホームのボール・アリーナで迎えた「NBAファイナル2023」の第5戦。デンバー・ナゲッツは試合序盤にターンオーバー、トラベリングとミスを重ねてしまい、マイアミ・ヒートに5-0のランを許し、チーム全体でプレーオフワーストとなるフリースロー成功率56.5パーセント(13/23)と、ホームゲームとは思えないほどフリースローを落としてしまった。

 それでも、大黒柱のニコラ・ヨキッチが最終クォーターだけで10得点を奪い、ゲームハイの28得点16リバウンドに4アシスト、マイケル・ポーターJr.が16得点13リバウンド、ジャマール・マレーが14得点8リバウンド8アシスト、ケンテイビアス・コールドウェル・ポープが11得点2スティール3ブロック、ブルース・ブラウンが10得点6リバウンドを残し、最終スコア94-89でヒートを下し、4勝1敗でシリーズを制した。

 試合時間残り約4分で、ナゲッツは7点をリードしていたものの、ジミー・バトラーの猛攻で逆転され、リードが入れ替わるシーソーゲームを繰り広げるなか、残り1分31秒にブラウンがオフェンシブ・リバウンドからショットをねじ込んで逆転すると、そこからヒートの得点を許さなかった。

「僕らは分かっていた。相手が素晴らしいチームだとね。彼らは本当に、素晴らしいチーム。僕は信じられないチームとして、彼らのことをものすごくリスペクトしている」

 試合後の会場インタビューで勝負どころについてそう切り出したヨキッチは、最後勝ち切った要因についてこう話していた。

「チームで見せたものすごい努力のお陰さ。今日はショットが決まらず、酷い試合だった。けどどうやって彼らを守るかを考え出し、相手を80か90点に抑えてみせた。そこが僕らの勝てた要因さ」

ファイナル第5戦でもヨキッチは高確率にショットを決めていった[写真]=Getty Images

 ナゲッツはABAで9シーズン戦い、1976-77シーズンからNBAへ参入して47シーズン目にしてようやくNBAチャンピオンの座に就いた。『ESPN Stats & Info』によると、初タイトル獲得まで費やした時間としてはどのチームよりも長かっただけに、ナゲッツの選手たちやコーチ陣、そしてコロラド州デンバーで長年応援してきたファンにとっては待ちに待った念願の王座獲得と言っていい。

 そのナゲッツを多方面にわたって引っ張ってきたヨキッチは、投票権を持つ11人のメディア全員から投票され、満場一致でファイナルMVPに選出。センターの選手がファイナルMVPへ輝いたのは、2002年にロサンゼルス・レイカーズを3連覇へ導いたシャキール・オニール(元レイカーズほか)以来、21年ぶりとなった。

 ヨキッチはこのシリーズで平均41.1分30.2得点14.0リバウンド7.2アシスト1.4ブロックにフィールドゴール成功率58.3パーセント、3ポイントシュート成功率42.1パーセント(平均1.6本成功)、フリースロー成功率83.8パーセントをマーク。

 今年のプレーオフ全体で、ヨキッチは計600得点、269リバウンド、190アシストと、いずれもリーグトップの数字をたたき出し、NBA史上初の快挙も成し遂げており、ファイナルMVP選出は文句なしと言っていいはずだ。

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