2023.05.22
今年の「NBAファイナル2023」は、第3戦を終えた時点でデンバー・ナゲッツが2勝1敗でマイアミ・ヒートをリード。あと2勝することができれば、ナゲッツはフランチャイズ史上初のNBAチャンピオンに輝くこととなる。
6月8日(現地時間7日、日付は以下同)の第3戦ではナゲッツが敵地カセヤ・センターでヒートに109-94で快勝したのだが、この試合の第4クォーター残り29.8秒にユドニス・ハズレムがケイレブ・マーティンに代わってコートに立った。
ヒート一筋20年目の大ベテランにとって、プレーオフの試合に出場したのはミルウォーキー・バックスとのファーストラウンド第3戦以来、約1カ月半ぶりのこと。今シーズン限りで現役引退を表明している男は、42歳と363日でファイナルのコートに足を踏み入れたことで、1989年のカリーム・アブドゥル・ジャバー(元ロサンゼルス・レイカーズほか)が保持していた42歳と58日を上回り、NBAファイナルへ出場した史上最年長記録を更新。
ハズレムの20年目を筆頭に、ヒートにはカイル・ラウリー(17年目)、ケビン・ラブ(15年目)、ジミー・バトラー(12年目)というキャリア10年以上を誇るベテランが在籍しており、これで4選手とも今年の頂上決戦でプレーすることとなった。
そうしたなか、9日の練習日に行われたメディア応対で、ナゲッツのニコラ・ヨキッチはキャリアで今年のプレーオフとファイナルが最も重要な瞬間になっているか、どんな意味をもつかと聞かれてジェフ・グリーン、イシュ・スミス、DJことディアンドレ・ジョーダンというベテラン陣の名を挙げていた。
「もちろんさ。だって僕らにはジェフ、イシュ、DJがいる。彼らは長い間このリーグでやってきた。そう、ジェフは1度ファイナルに出場してきた。DJは本当に優れたチームに所属してきたし、イシュは数多くの優れた選手たち、いいチームでプレーしてきた。けどあの2人はファイナルへ出場したことがなかった。彼らにとっては(ファイナル進出が)今しかないかもしれない。それが僕らにとってフォーカスするうえで本当に重要になっていて、勝つチャンスあるいは機会を与えてくれているんだと思う」
2018年にクリーブランド・キャバリアーズでファイナルを経験したグリーン、ロサンゼルス・クリッパーズなどで計63試合のプレーオフ経験を持つジョーダンは、ナゲッツで最も長い14年のNBAキャリアを持つベテラン。
ポイントガードとして13チームに所属してきたスミスは12年、今シーズン途中にナゲッツへ加入したレジー・ジャクソンは11年のキャリアがあるものの、グリーンを除く3選手はNBAファイナルへたどり着いたことがなかった。
NBAで10年以上プレーしていても、ファイナルまで勝ち上がることなく、チャンピオンシップを勝ち取ることができずに引退していく選手も多いことから、ヨキッチが言うように、彼らベテラン陣にとっては今年がファイナルの大舞台に立つ、あるいは優勝する最後のチャンスなのかもしれない。
このなかでローテーション入りしているのは36歳のグリーンのみ。33歳のジャクソンは1試合に出場も、ジョーダンとスミス(いずれも34歳)はまだコートに立てていない。
10日に行われるシリーズ第4戦以降、彼らがコートに立ってプレーする可能性があるかどうかは微妙ながら、ベンチから選手たちを叱咤激励し、コート外でチームに貢献してほしいところだ。
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