2023.07.03

FA解禁直後の動向から優良契約をチェック…“Mr.トリプルダブル”やドラフト外有望株など

某ストリートメディアのシニア・エディターを経験後、独立。ひとつのカルチャーとしてバスケットボールを捉え、スポーツ以外の側面からもNBAを追いかける。

 フリーエージェント市場解禁からまもなく、続々と新契約が発表されているNBAのオフシーズン。八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)、渡邊雄太(フェニックス・サンズ)もそれぞれ来シーズンの所属先が早くも確定しており、各球団の着工状況を踏まえ、メディアやファンは独自の見解を述べている。

 しかし、移籍市場にも“勝者”は存在し、未来への投資やお買い得の契約をまとめた球団は評価に値する。

 そこで本稿では、数ある新契約の中から、優良な“Aクラス契約”をリストアップしてみたい。

ラッセル・ウェストブルック(ロサンゼルス・クリッパーズ)

契約内容:2年800万ドル(約11億6000万円)

カワイ・レナードポール・ジョージとともに頂点を目指す [写真]=Getty Images

 9度のNBAオールスターは、NBAで最高峰の高給取りから最もお買い得な選手へと変貌を遂げた。

 カワイ・レナードポール・ジョージを擁するクリッパーズは、リーグトップのサラリーを抱えており、ウェストブルックに提示できる金額はわずか380万ドル(約5億5000万円)のみだった。そして、来シーズンはファンが納得する結果を求められており、同球団にとって、これ以上にお財布に優しい契約は存在しなかっただろう。

“Mr.トリプルダブル”は昨シーズン、1試合平均15.9得点4.9リバウンド7.6アシストにフィールドゴール成功率48.9パーセントを記録。圧倒的な実績と経験を持つ優秀な先発ポイントガードとの再契約は、これ以上にないシナリオとなるだろう。

 一方、金額を除けば、ウェストブルックにとっても満足のいく契約だろう。ロサンゼルスに自宅があり、元ポイントガードにして素晴らしい指揮官であるティロン・ルーヘッドコーチの下、オクラホマシティ・サンダー時代にもボールを分かち合ったジョージとともにスターターとしてプレーすることは、晩年のキャリアを飾る上でベストな環境に思える。

 主力のケガで不甲斐ないシーズンの続くクリッパーズだが、来シーズンは満を持して、本領発揮の1年としたいところだ。

オースティン・リーブス(ロサンゼルス・レイカーズ)

契約内容:4年5600万ドル(約80億9000万円)

レブロンやデイビス、八村塁などとともに再びプレーする [写真]=Getty Images

 近年、有望な若手流出が目立ったレイカーズだが、今シーズンにおけるFAの立ち回りは関係者からも高く評価されている。その一つが、制限付きFAとなったリーブスとの再契約である。

 ドラフト外の入団ながら、2年目にしてアタッカーとしての素質が開花。当初は八村以上の契約金が用意されているとも噂され、仮に別チームからのオファーを待てば、より高額なサラリーでマッチすることができたかもしれない。

 幸いなことに、上記のような想定は起こらなかった。そして、リーブスとの契約にはアーリーバード例外条項※が適用され、もし彼が順調に成長と活躍を継続すれば、リーグでも有益な契約と言われるだろう。

 2年前に2way契約だったリーブスにとっても、本契約は大きな取引となった。今回の新契約では5600万ドルが保証されているほか、4年目のプレーヤーオプションと15パーセントのトレードキッカー(移籍した際にサラリーが上昇)も獲得した。

※アーリーバード例外条項とは、2シーズン契約を満了した選手がFAで他チームに移籍することなく、昨年の年俸の175パーセント、または昨シーズンの平均選手給与の105パーセントのいずれかで、2年以上の契約を締結するもの

タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)

契約内容:5年最大2億6000万ドル(約375億6000万円)

ペイサーズをプレーオフに導く活躍が期待される [写真]=Getty Images

 サクラメント・キングスから移籍したハリバートンは、ペイサーズのエースとして、そのポジションを確かなものにした。昨シーズンはキャリアハイとなる同20.7得点10.4アシストをマークし、試投数が増加した3ポイントシュートの成功率も40パーセント以上をキープ。キャリア2年にして早くも球団の顔を任される覚悟が整った。

 その結果が、今オフのマックス契約である。ルーキーの契約延長では最大規模であり、新契約は2024-25シーズンから適応。MVPや最優秀守備選手賞、オールNBAなどの称号に応じて、受け取るサラリーは最大2億6000万ドルまで膨れ上がる。

 ペイサーズは昨シーズン王者のデンバー・ナゲッツからブルース・ブラウン、ニューヨーク・ニックスからオビ・トッピンの獲得にも成功。着々とロスターを強化し、2023-24シーズンはポストシーズン復帰が期待される。

文=Meiji

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