2024.01.03
12月14日(現地時間13日、日付は以下同)、ミルウォーキー・バックスはホームでインディアナ・ペイサーズを迎え、140-126で勝利した。ヤニス・アデトクンボは自身キャリアハイかつ球団記録の64得点を叩き出し、デイミアン・リラードはこの試合で3ポイント成功数NBA歴代5位に浮上するなど、大記録が重なる記念すべき試合となったが、それに泥を塗るようなトラブルが起きてしまった。
トラブルが起こったのは試合直後のこと。大記録を達成しチームを勝利に導いたヤニスが憤怒の表情でペイサーズのロッカールームに駆け込んでいった。試合球をペイサーズ側に持ち去られたと知ったヤニスが、それを取り返すべくペイサーズ陣営に乗り込んだのである。
ペイサーズは、ルーキーのオスカー・シブエがNBA初得点を記録したため、チームの伝統として彼に試合球を渡すべく用意を進めていた。そこにヤニスを含むバックスの選手が駆け寄り、ロッカールームに向かう廊下で両チームが試合球を取り合う騒動に発展。ペイサーズ側のスタッフが負傷する事態にまで陥ってしまった。ペイサーズのリック・カーライルHC(ヘッドコーチ)は、「全く起きる必要のない不運な事態」とし、以下の通りコメントした。
「試合球に関して誤解があった。私達はいつも初得点を挙げた選手に試合球を渡していて、ヤニスの記録については認識していなかったので、試合球を持ち帰ろうとした。すると廊下にバックスの選手が複数名駆け寄ってきて、大きな乱闘が起きてGMが負傷した。試合球は2つあるので、私達はそのどちらかが貰えれば良い。試合球の奪い合いであんなにエスカレートする必要はない」
一方のヤニスは、試合後の興奮もあってかなかなか落ち着きを取り戻せない。廊下での一悶着後再度コートに戻り、抑えきれない怒りを露わにしたままタイリース・ハリバートンに詰め寄る姿が確認されている。その後バックス側にボールが渡ったことが確認されているが、ヤニスは「本当に試合球かわからない」と懐疑的でいる。
「僕が持っているボールは、どうも試合球のように感じないんだ。新品のような感じがする。今日は試合に35分も出ているから、ボールの感覚はわかる。僕は優勝した時のNBAファイナル第6戦の試合球だってもっていないんだ。不運だね」
会見では「この試合球は母に贈る」とも「試合球は記録を達成したリラードにふさわしい」ともコメントしていたヤニスだが、結局試合球がいくつあって、それぞれ誰の手に渡ったのかは明確な情報はない。すれ違いにより思いがけない事態に発生したバックスとペイサーズ。両チームは10日に幕を閉じたインシーズン・トーナメントの準決勝でも激戦を繰り広げているが、今回のトラブルが妙な因縁に発展しないことを祈るばかりだ。
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