2024.05.06
今夏にボストン・セルティックスが実行したトレードは非常に大胆であり、紛れもなくリスクを伴う行動だった。
球団は元最優秀守備選手賞であり、チームの心臓とも言えるマーカス・スマート(メンフィス・グリズリーズ)と引き換えに、3チーム間のトレードでクリスタプス・ポルジンギスを獲得。感傷的にならざるえないトレードだった一方で、フロアスペーシングに貢献できるビッグマンは、セルティックスのオフェンスを大きく前進させた。
球団のエースを任されるジェイソン・テイタムは、『ESPN』に対してNBAファイナルをともに経験したスマートとの決別を「本当にタフだった。バンドが解散するような感じだった」と回顧。だが、同時にポルジンギスとの新コンビには確かな手応えを感じている様子で、2人の関係をNBA史上最高のデュオに例えた。
「コービー(ブライアント/ロサンゼルス・レイカーズ)は、パウ(ガソル/レイカーズほか)を本当に必要としていたよね。僕がどんな道を歩もうとも、僕らにどんな未来が待とうとも、KP(ポルジンギスの愛称)は本当に欠けていたピースだと感じるんだ。彼のことをよく知らなかったという意味では、間違いなく驚かされた。何度か対戦したことのある程度だったからね。昨年のマイアミ・ヒート戦では、彼らの執拗なスイッチに苦戦を強いられた。KPはそれに対する究極の答えのようなものだよ」
ポルジンギスがチームメートになる以前、セルティックスはスマートやジェイ・クラウダー(ミルウォーキー・バックス)をマッチアップさせて対応してきた。しかし、テイタムはセルティックスにいるポルジンギスに大きな変化を感じ取っている。
「彼にビッグマンを配置すると、彼らには十分なスピードが備わっていないから後手を踏む。逆に背の低い選手にマークさせれば、彼らはついていけるけど、218センチの高さがあるから、文字どおり上からシュートを打つだけで、影響を受けることはないんだ」
紛れもなく、ポルジンギスはイースタン・カンファレンスで首位を走るセルティックスの原動力となっている。トレードが成立した際、彼は遠く離れたスペインのジムでトレーニングしており、自身への関心について大きな責任を感じたと振り返る。
「トレードでスマートが関与するとは知らなかったけど、彼らが僕のために差し出すアセットを見て、『彼らは本当に僕を欲しがっているんだ』と悟ったよ。それは、彼らが僕に多くを期待しているということ。だから、僕も誠心誠意を尽くして応えなければならないんだ」
セルティックスは腹を括った決断の一手により、2008年以来のリング獲得を目指す。
文=Meiji
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