2024.07.11
「この試合、優勝した時の喜び、こうした瞬間は生涯忘れることのない夜になるだろうね。ここ数年というもの、プレーオフの僕らはホームでつらい負け方をしてきた。自分たちのファンが見守るなか、ホームでNBAチャンピオンシップを逃してきたから」
そう語ったのは、ボストン・セルティックスのジェイソン・テイタム。26歳のオールスターフォワードは、ジェイレン・ブラウンらとともにセルティックスでプレーオフを何度も勝ち上がってきた。
だが2022年にはNBAファイナルでゴールデンステイト・ウォリアーズに2勝4敗、2023年はカンファレンス・ファイナル第7戦でマイアミ・ヒートに敗れて悔しい思いを味わってきた。
そうして迎えた「NBAプレーオフ2024」で、セルティックスは順調に勝ち上がり、ダラス・マーベリックスとの「NBAファイナル2024」を4勝1敗で制して悲願のNBAチャンピオンになったのだから、テイタムにとっては格別の思いだったことだろう。
これまでの苦い経験を乗り越え、セルティックスは6月18日(現地時間17日)にホームのTDガーデンで迎えたファイナル第5戦でマブスとのシリーズに決着をつけ、2008年以来フランチャイズ史上18回目のリーグ制覇を達成。
「だからこそ、ホームの観客の前で最も重要な勝利をつかむことができた。僕にとっては本当に大きな意味をもつことなんだという気がするね」とテイタムは喜んだ。
ファイナルMVPにはシリーズ平均20.8得点5.4リバウンド5.0アシスト1.6スティールを残したブラウンが選出された。投票権を持つ11人のうち、7人がブラウンへ投票したのだが、ほか4人はテイタムへ投票しており、第5戦に限定すれば、テイタムが勝利の殊勲者だったと言っていい。
この日のテイタムはゲームハイの31得点11アシストに8リバウンド2スティールの大暴れ。試合中には何度も咆哮して観客を盛り上げるなどエースとしてチームを引っ張った。
26歳のテイタムは、この試合でプレーオフ通算2711得点とし、26歳以下の選手としてコービー・ブライアント(元ロサンゼルス・レイカーズ/2694得点)を抜き、NBA歴代最多得点記録を更新。
また、NBAファイナルで1試合に30得点10アシスト以上を残した球団史上初の選手になり、シリーズに決着をつけた試合で同スタッツをクリアしたNBA史上わずか6人目の選手となった。
自身初のチャンピオンシップを勝ち取ったテイタムは「かけがえのないものなんだ。ここへたどり着くまで長かった。ものすごく感謝している」と口にし、チームメートたちやコーチ陣、会場に駆けつけたOBたちとも優勝の喜びを分かち合い、息子には“最高の父親”として満面の笑みでその瞬間を共有した。
来月にはパリオリンピックに向けたアメリカ代表のトレーニングキャンプが始まるため、束の間のオフとなるものの、今はゆっくり体を休めてリフレッシュしてほしい限りだ。
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