2025.03.12

SGAとの熾烈なMVP争いをヨキッチが語る「分からないね。自分ではどうしようもない」

SGA(左)とヨキッチ(右)[写真]=Getty Images
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■今シーズンの直接対決は五分、昨シーズンは得票数でトップ2

 2023-24シーズンのウェスタン・カンファレンスは、オクラホマシティ・サンダーデンバー・ナゲッツがそろって57勝25敗でレギュラーシーズンを終え、タイブレイクの末にサンダーが1位、ナゲッツが2位となった。

 MVP投票ではナゲッツのニコラ・ヨキッチがトップに立って直近4シーズンで3度目の受賞、サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー(以降SGA)が2位の得票数を得た。

 そうして迎えた今シーズン。この2チームはウェストのトップ2を形成し、3月12日(現地時間11日、日付は以下同)を終えた時点でサンダーが53勝12敗で首位、ナゲッツが42勝23敗で2位におり、ヨキッチとSGAはMVP候補ランキングでトップ2を行き来している。

 両チームは今シーズンの直接対決を2勝2敗の五分で終えた。そのうち最後の2戦は2連戦となり、3月10日はSGAがゲームハイの40得点に8リバウンド5アシスト3ブロックを残したサンダー、翌11日はヨキッチが両チーム最多の35得点18リバウンドに8アシストと暴れ回ってナゲッツが勝利。

 12日終了時点で、SGAはリーグトップの平均32.7得点に5.1リバウンド6.2アシスト1.8スティール1.1ブロックをマーク。対するヨキッチは平均28.9得点13.0リバウンド10.5アシスト1.8スティールで、4部門すべてでリーグトップ3以内にランクインしている。

驚異的なスタッツでナゲッツをけん引するヨキッチ[写真]=Getty Images

 今シーズンのMVP投票でSGAが受賞すればキャリア7年目で初、ヨキッチが選出されれば直近5シーズンで4度目となり、NBA史上6人目の快挙となる。もっとも、投票するのはスポーツライターと放送関係者たちであって、両選手が投票権を持っているわけではない。

 11日の試合に勝利後、ナゲッツのマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は「確かに、シェイ・ギルジャス・アレクサンダーは素晴らしい選手だ。彼が初のMVPを勝ち獲ることになっても、十分値するものだ」とSGAを称賛しつつ、こうも話していた。

「私の考えはこうだ。ニコラがMVPに3度輝いていることを知らないとして、プレーヤーAとプレーヤーBを並べるとしよう。その男は平均してトリプルダブルを残し、主要項目でトップ3に入っている。そんなことはこれまでにないのだから、その男がMVPを勝ち獲るだろう」

 ではヨキッチ自身は現状をどう受け止めているのか。セルビア出身のビッグマンは今シーズンのMVP争いについてこう口にしていた。

「僕にとっては3、4年連続だから分からないね。自分ではどうしようもない。僕としては人生でベストなバスケットボールができていると思っているけど、それが十分ならそれでいいし、十分でないならば、彼がそれ(MVP)に値する。本当に素晴らしいプレーをしているからね」

 現状で、ウェスト首位サンダーと2位ナゲッツのゲーム差は11.0もあるため、ここから順位が逆転する可能性は皆無に等しい。ナゲッツがこのままゲーム差を少しでも縮めて“平均トリプルダブル”でレギュラーシーズンを終えればヨキッチ、サンダーがイースタン・カンファレンスならびにリーグベストのクリーブランド・キャバリアーズ(55勝10敗)との2.0ゲーム差を挽回してリーグ最高成績を残せば、SGAがMVPに輝く可能性が高くなるのではないだろうか。

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