2020.01.26
9月11日に行われた「FIBAバスケットボール ワールドカップ2019」(以降、W杯)の準々決勝。フランス代表は2連覇中の王者アメリカを89-79で下し、準決勝進出を果たした。
同点12回、リードチェンジ12回という激戦の中、フランスはアメリカのターンオーバーで得たポゼッションで22得点を奪うなど相手に主導権を渡さない堅実な試合運びを見せていた。
第2クォーターでリードを広げたフランスは、第3クォーターにリードを10点にまで広げる戦いぶりを見せるも、アメリカの反撃に遭ってしまい、第4クォーター序盤に7点ビハインドというこの試合最大のピンチを迎えてしまう。
すると守護神ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)と先発ポイントガードのフランク・ニリキナ(ニューヨーク・ニックス)がコートへ戻り、フランスの逆襲がスタート。
まずはニリキナのアシストからナンド・デ・コロがショットを成功。アメリカもクリス・ミドルトン(ミルウォーキー・バックス)のレイアップで7点差へ戻すも、再びニリキナのアシストでゴベアのレイアップが決まって5点差へ。
その後フランスはエバン・フォーニエ(オーランド・マジック)のアシストからニリキナのレイアップで3点差まで追い上げると、アメリカも負けじとケンバ・ウォーカー(ボストン・セルティックス)のフリースロー2本で5点差へと引き戻す。
だが今度はニコラ・バトゥーム(シャーロット・ホーネッツ)のフックショットで食らい付き、残り4分35秒にニリキナの3ポイントが飛び出し、同点へと追いついた。
そしてフォーニエ、ゴベアのショットで点差を広げていき、残り2分5秒にニリキナが事実上の決勝弾と言えるタフショットを放り込み、6点リードとすると、アメリカは4点差までしか追い上げることができず、フランスはリードを広げて勝利を収めた。
見事準決勝進出を決めたフランスは、4本の長距離砲を沈めたフォーニエが22得点に3リバウンド4アシスト、ペイントエリアで強烈な存在感を発揮したゴベアが21得点16リバウンド3ブロック、デ・コロが18得点、ニリキナが11得点をマーク。
アメリカはマイルズ・ターナーのファウルトラブルもあり、ハリソン・バーンズ(サクラメント・キングス)をセンターとして起用するスモールラインナップで応戦したものの、リバウンドでフランスが44-28と圧倒。ゴベアはリング下で何度もファウルされてフリースローラインに立ち、10投中9本も沈めるパフォーマンスを見せていた。
「僕らは金メダルを勝ち取るためにここへ来た。それが簡単ではないことは分かっていた。たくさんの人たちが僕らを(優勝候補として)入れていないけど、僕らは勝つことができた」と試合後に語ったゴベアは、ディフェンスでもアメリカの選手たちへプレッシャーを与え続けた。
第4クォーター終盤。この試合でゲームハイの29得点をもぎ取ったNBAのチームメート、ドノバン・ミッチェル(ジャズ)との1対1で、ミッチェルがなんとかゴベアのブロックから逃れようと腕を伸ばしてレイアップを放つも、それを読んでいたかのように弾き飛ばし、アメリカ代表の息の根を止めたのである。
金メダルを目標に掲げるゴベアは、アメリカ代表に勝ったからといって「僕らが最後に勝てなければ、何の意味もないんだ」と気を引き締めていた。
もちろん、アメリカ代表を撃破したことでフランス代表の優勝が決まったわけではない。13日の準決勝ではセルビアを下した難敵アルゼンチンと激突し、もし勝利できたとしても決勝戦でスペインとオーストラリアの勝者と相まみえることとなる。
それでも、アメリカ相手に鮮やかな勝利を収めたことは、今後フランスに勢いを持ち込むことになるかもしれない。
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