2023.05.01

馬場雄大がW杯やキャリアについて熱弁「番狂わせを起こす」「最後は日本に戻る」

ファンに手を振ってこたえる馬場雄大。自身初めてのトークイベントを満喫 [写真]=バスケットボールキング編集部
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笑顔と熱気にあふれた初のトークイベント

 4月30日、今シーズンはNBAの下部リーグであるGリーグのテキサス・レジェンズでプレーした馬場雄大が初のトークイベントを開催。会場となった渋谷ユーロライブは追加のチケットが販売されるなど満員となり、馬場が登場するとファンが温かい拍手で迎えた。

 通算3度目となるレジェンズでのシーズンを終えた馬場は、今シーズンは計39試合に出場すると、平均11.4得点4.1リバウンド2.2アシスト1.4スティールをマーク。イベントの冒頭では、「コーチやチームメートからの信頼もどんどん増えてきましたし、今シーズンはもうスターティング5でずっと出させてもらいました。数字としても3シーズンのなかでは良かったので、全然納得はしていないんですけど、いいシーズンでした」と2022-23シーズンを振り返った。

 また、3ポイントシュートの練習に多くの時間を費やしていると話し、「(3ポイントを)決める決めないで、プレータイムにも影響するので、1試合1試合がサバイバルです。パフォーマンスが良ければ出られるし、悪かったら出られないし、その戦いもありましたね」とGリーグの過酷な環境について語った。

フリーアナウンサーの南隼人氏(左)が進行を担当。様々な話題に馬場がこたえていった [写真]=バスケットボールキング編集部

 さらに、馬場は海外挑戦当初の苦労についても語った。「(最初は)英語を話せない状態で行ったので、もう相手にもされていない状況でした。『アジア人』で『英語が話せない』。もう『何しにきたの?』みたいな感じでしたね」。大きな壁となった英語については独学で学んだというが、「英語を身につけたい人は『Netflix』で勉強してください」と断言し、会場は笑いに包まれた。

 そのほかにも、瞑想に熱中していることや、ボクシングをトレーニングに取り入れたことなど、普段では聞くことのできない近況を報告。その後は、いよいよ開催が8月に迫った「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の話題に。

「個人的には、この大会でのパフォーマンスが僕の将来を左右すると言っても過言でないです」と意気込む馬場は、先日の組み合わせ抽選会の結果、オーストラリア、ドイツ、フィンランドと同じグループとなったことについて、「正直悪くないなと思っています」と素直な心境を明かした。

信頼する指揮官とともに挑む、ワールドカップの大舞台

 イベント終了後の囲み取材では、「(3チームとも試合を)やったことあるというのが大きいのかなと思っていて、対策もしやすいと思います。どの国と当たっても正直楽なことはないので、まだ対戦経験があって良かったです」とその真意を語ると、「僕個人の意見としては十分チャンスがあると思う」と力を込めた。

最近練習に取り入れている「瞑想」をステージで披露 [写真]=バスケットボールキング編集部

「失うものは何もないというつもりでやらないといけないと思いますし、全試合勝ちにいって、番狂わせを起こして、パリオリンピックの出場をいち早く決めたい」と話す馬場は、日本代表の指揮を執るトム・ホーバスヘッドコーチについて、「もうホーバスHCを信じるのみだと思います。彼が求めるバスケをいかにコートで体現できるかだと思うので、絶対的な信頼を置いています」と厚い信頼を寄せる。

 イベント内では、「(アメリカでの)試合も観に来てくれて、日本に帰ってきてからはずっと一緒に練習してます」とホーバスHCとのエピソードを明かした馬場。2人はマンツーマンでのワークアウトを行っているようで、「彼からは、もうやる気しか感じないです」と語り、本大会へ向けて指揮官の熱量はより一層に高まっているようだ。

 さらに、話題は自身も過去にプレーしたBリーグにも及んだ。一緒にプレーしたいBリーガーを聞かれた馬場は、「ユウキ・カワムラですかね」と河村勇輝横浜ビー・コルセアーズ)の名前を挙げた。河村とは昨年8月、ワールドカップのアジア地区予選Window4と「SoftBankカップ2022」でともにプレーしたが、さらなる成長を遂げた司令塔との共闘を楽しみにしているという。

「『パスがうまいな』という印象だったんですけど、Twitterを見ていても彼の活躍ぶりは毎日のように出てきますし、前から思っていたんですが、話すときの心の座り方というか、スター性はすごくあるんですよ。今この活躍をしていて、どこまで変わったのか。すごく一緒にやるのが楽しみです」

参加者からの質問にこたえる馬場 [写真]=バスケットボールキング編集部

 また、イベント終盤の質問コーナーでは、アルバルク東京ファンの子どもから「Bリーグには戻らないんですか?」と素直な疑問が投げかけられると、夢であるNBAへの挑戦を続けていることもあり、馬場自身もやや苦笑い。会場も笑顔であふれたが、「でも最後は絶対に戻る。日本から始まり、日本で終わるじゃないですけど。すごい得たものも多いので、恩返しじゃないですけど」と日本のファンへ向け、真剣な眼差しで宣言した。

 イベント後の囲み取材終盤では、渡邊雄太(ブルックリン・ネッツ)と八村塁(ロサンゼルス・レイカーズ)の存在について聞かれ、「なんでかわからないですけど、1学年上に雄太がいて、2学年下に塁がいます。雄太がもっと上だったり、塁がもっと下だったりしたら、またモチベーションも違ったと思います。この環境にいることですごく駆り立てられますし、“定め”みたいなものもあるかなと思っていて、今は突き動かされるようにやっています」と自身の根幹にある原動力について語った。

 馬場の最大の目標であるNBAへの扉をこじ開けるためにも、8月のワールドカップは大きな分岐点となりそうだ。

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