2024.05.23
今春に大学を卒業し、Bリーグへ活躍の場を移した選手に大学時代を振り返ってもらうインタビュー企画、『新卒ルーキーが語る大学時代とこれからの未来』。
第2回は現在レバンガ北海道でプレーする松下裕汰。白鷗大学で4年次にキャプテンを務め、インカレで史上初の優勝へと導いた松下に4年間を振り返ってもらった。
インタビュー・文=岡本亮
取材日=2022年3月25日
――まずは白鷗大学へ進学を決めた理由を教えてください。
松下 飛龍高校の先輩である長島蓮さん(さいたまブロンコス)が白鷗大に進学されていたからです。長島さんには僕が中学3年生の時からお世話になっていたので、白鷗大への進学を決めました。
――松下選手は入学直後から出場機会をつかみましたが、1年生ながら試合に出られた要因は?
松下 当時は落合(嘉郎)さん(現・仙台89ERSアシスタントコーチ)がヘッドコーチをやられていたんですけど、その当時は結構頭を使ってディフェンスメインのバスケで、自分の強みであるディフェンスを練習でハードにやっていたら使ってもらえるようになりました。
――とはいえ、高校と大学ではレベルの差があると思うのですが、どういうところに差を感じましたか?
松下 レベルは全然違いました。身体能力が高いですし、一人ひとりのスキルも全然違ったので、『努力してついて行こう』と思ってやっていました。
――1、2年生はベンチからの出場でしたが、3年生の後半から先発に定着しました。
松下 先輩の板橋真平さん(バンビシャス奈良)がもともと先発で出ていたんですけど、ケガをしてしまって。そこで控えガードだった僕が先発を任されるようになりました。
――そして4年生になってキャプテンに就任されましたが、経緯を教えてください。
松下 理由は特にないんですけど(笑)、僕か角田(太輝/佐賀バルーナーズ)がなるってほぼ決まっていて、最終的にはジャンケンで決まりました。
――キャプテンを務めるうえで意識していたことは?
松下 僕はまとめるのが苦手でやったことがなかったんですけど、自主練やシューティングなどを率先してやってチームに『努力しているぞ』というのを見せれば、自分の話すことを聞き入れてくれるかなと思ったので、自主練を結構頑張りました。
――最終学年はインカレで大学史上初の優勝を果たしました。大会中のご自身の調子やチームの雰囲気はいかがでしたか。
松下 インカレはすごい我慢して、チーム一丸となって戦った結果が優勝につながったと思います。リーグ戦で我慢するベースを作れたのが大きかったです。
――『我慢』を具体的に説明していただけますか。
松下 得点を入れ合うバスケというスポーツの中で、相手の得点を阻止するディフェンスが我慢だと思っています。いいディフェンスができれば得点を決められずに良い試合ができるんだ、とリーグ戦を通じて感じました。
――白鷗大学では濃密な4年間を過ごされたと思いますが、4年間で学べたことは何ですか?
松下 『努力する』ということがバスケをするうえでとても大切だと思いました。僕みたいなスーパースターじゃない人でもインカレMVPを獲れると思うので、大学4年間で努力したことがコートで全部出せて良かったと思います。
――大学時代で印象に残っている対戦相手は?
松下 東海大学の大倉颯太選手(千葉ジェッツ)はすごくうまくて、毎回マッチアップするのが嫌だなって思っていました。河村勇輝選手(横浜ビー・コルセアーズ)もマッチアップする機会が結構あったんですが、すごくうまかったです。
――網野監督からかけられた言葉で印象に残っているものは?
松下 『迷わず打て』と『気持ちの入ったディフェンスを続けろ』ですかね。1回くらいしか言われていませんが、頭の中に残っています。
――プロに進む上で網野監督からアドバイスはありましたか?
松下 もともと僕は喋るキャラではなかったので、「積極的にコミニュケーションを取ってほしい」と言われました。選手でもコーチでもいいから喋るようになれと言われ、1年間キャプテンを務めた結果喋れるようになりました。
――昨年12月に入団したレバンガ北海道ではすでにスタメンの座を確保していますが、プロのコートに立ってどんなことを感じましたか?
松下 大学とはレベルが全然違います。外国籍選手の当たりやスクリーンの強度は全然違うと感じていますし、選手一人ひとりのシュート力やスキルも全然違います。もっと努力して頑張っていきたいと思っています。
――プロとしての今後の目標や目指す選手像を教えてください。
松下 僕はディフェンスをハードにやって、泥臭いところからやるのが自分の強みだと思っているので、もっとレベルアップしていきたいと思っています。
オフェンス面でもシュート力や確率が上がっていないので確率を上げたいですし、ポイントガードとしてプレーメークも重要になってくると思うので、もっと学んでいって藤井祐眞選手(川崎ブレイブサンダース)のようなPGになりたいと思っています。
――最後に、大学入学直後のご自身にアドバイスを送るとしたらどんな言葉をかけますか?
松下 努力するっていうことですかね。ただ努力するだけじゃなくて、自分に合った努力の方法があると思うので、そこをうまくやっていけば将来うまくなるよ、と。自分と向き合うことが大事だと思います。
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