2017.03.04
3月1日、都内でBリーグの理事会が開催され、その後の会見において、2017-2018シーズンクラブライセンス(Bライセンス)の判定結果が公表された。
Bライセンスはバスケットボール界全体の安定的・持続的な成長と発展に寄与することを目的に導入された制度。具体的にはプロバスケットボールクラブにおける育成面・施設面・選手環境面などを、プロとしてふさわしい水準に保つこと、さらに発展させることで、その価値が向上させることを目的とする。また、財務面では過度な戦力強化や設備の拡充など無理な投資を抑制し、クラブが社会的に信用され、地域に根付き、永続的に存続できることを目標としている。
ガバナンスの強化と経営基盤の安定という命題の解決策として導入されたBライセンスは、簡単に言うと“Bリーグのリーグ戦に出場するための資格”である。ライセンスの種類にはB1リーグ、B2リーグに参加できる『B1ライセンス』と、B2のみに参加できる『B2ライセンス』があり、有効期間は対象シーズンの1年間で、継続的にリーグ戦に参戦するには、毎年申請してライセンスの交付を受けることが条件となる。
今回公表された第1回判定結果では、申請39クラブのうち、B1の仙台89ERS、栃木ブレックス、千葉ジェッツなど26クラブのライセンス交付が決定し、B1、B2及び準加盟の13クラブが継続審議となった。
継続審議になったB1クラブはレバンガ北海道、アルバルク東京、サンロッカーズ渋谷、三遠ネオフェニックスの4つ。北海道はキャッシュフローの目途など財務上の課題を最終確認すること、A東京と三遠はそろっていない書類があり、手続きが終わっていないことが理由だった。
また、SR渋谷はホームアリーナである青山学院記念館がB1基準である常時5000人収容を満たせていないケースもあるため、3月18日、19日に行われるA東京戦で5000人を収容できる椅子の配置や会場準備を行うことを条件に継続審議となった。
そして、熾烈な昇格争いを繰り広げるB2リーグの広島ドラゴンフライズ、島根スサノオマジック、熊本ヴォルターズはそろって、B1クラブライセンスを取得。B3からB2昇格を目指すライジングゼファーフクオカもB2ライセンスを獲得した。プレーオフの結果次第ではあるものの、B1空白地帯であった中国地方、九州地方にも新たにバスケットボール観戦の楽しみと、競技発展の可能性が広がることとなる。
なお、今回の判定結果は、交付を決定したクラブに対しても、トイレ不足や臨時電源設備(誘導灯など)の設置計画の提示、アリーナの照度不足の指摘など細部にわたって要求がなされており、リーグがイニシアチブを取って、プロクラブの水準維持に力を入れている。現在B2リーグに所属するチームに対し、「B1に昇格した際は、資金繰り、予算について事前にライセンス事務局の指導を受けること」という条件が付され、身の丈以上の補強等を繰り返し、財政基盤を悪化させた先例の教訓を十分に活かそうとする姿勢を十分に感じさせた。
大河正明チェアマンは会見でこう述べている。「身の丈にあった財務計画を提出できない場合、スポンサー獲得の目途や集客の計画が甘いとリーグが判断した場合は、計画の見直しを迫ることもあり得る」。Bリーグ元年に経営悪化から融資申請を行った鹿児島レブナイズという事例を出したことを受け、経営基盤の安定というスポーツ界全体の命題に対し、より強い姿勢で臨む決意をにじませた。
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