9月25日、日本バスケットボール協会から発表となったアンスポーツマンライク・ファウル(アンスポ)の適応基準の変更。29日に開幕したBリーグから国内では最初の適応となっている。
チームには9月15日に通達があったとされているが、実際に試合会場でヘッドコーチや選手からコメントを取ってみると、各チームの解釈に違いがあるように思えた。また、実際にプレーする選手たちは一様にルール変更を受け止めているものの、これまで当たり前のようにしてきた速攻を止めるファウルがアンスポに取られることで、戸惑いを隠せない部分があったのではないだろうか。
今回、バスケットボールキングではルール変更に関してヘッドコーチ、選手からコメントを集めた。今回は開幕戦を終えた“現場の声”をお伝えする。
■北卓也HC(川崎ブレイブサンダース)
[写真]=B.LEAGUE
「(
名古屋ダイヤモンドドルフィンズとの開幕戦の)最後のところでは、直前のタイムアウトの際に、『1個はファウルをしても良いよ』とは言っていたので、最初のファウルは指示どおり。その後は試合の流れがどうなるのか分からなかったので、具体的な指示は出せなかった。ただその後のプレーでは、ファウルに行ってほしかったとも言える。試合が終わった後なので、結果論になるが…、ファールに行っても良かったと思う」(9月29日、名古屋D戦後取材)
■古田悟HC(横浜ビー・コルセアーズ)
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「コーチに対して説明を受けた時からさらに変更があったようだ。チームでも映像を見ながらアンスポの変更個所は確認している。今日、うちの川村(卓也)が(アンスポを)取られたが、わざとやったわけではないが、それは仕方なかったかと思う。顔に手などが行ってファウルになれば、それはアンスポになる。本人(川村)もその判定で動揺はしてなかった思う」(9月29日、
滋賀レイクスターズ戦後取材)
■桶谷大HC(大阪エヴェッサ)
[写真]=B.LEAGUE
「FIBAのヨーロッパの大会を見ていると、以前からそのルールが適用されていたので、自分たちも早くアジャストしないといけないと考えていた。それもあり、準備を進めていたので、チームとして浸透したのではないかと思っている。ただ、やはり選手個人がアジャストしなけれだろうし、国内のレフェリーもそうしないといけないはず。それをするのも時間がかかると思う。その中でしっかりすり合わせをしなければいけないのではないだろうか。ファウルゲームについては、ボールへプレーしていれば基本的にアンスポを取られないと言われている。手だけを出して止めるようなファウルではなく、しっかり肩を入れながらボールにプレーするように、そういう約束をチームに話をした」(9月30日、
アルバルク東京戦後取材)
■正中岳城(アルバルク東京)
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「ゲームをよりクリーンにしようという意図はわかる。ただ、選手の立場からすると正直難しい面があり、プレーを止める“ストップ・ファウル”は習慣化しているとも言える。どの選手も同じだと思うが、実際にプレーして、そのような状況になってからてわかることも多く、最初の何試合かは戸惑いながらやっていくしかないだろう。そういう(ファウルゲームをしないとならないような)状況にならないように、慎重にゲームを進めていくことも大切だ。プレシーズンマッチ(練習試合)の段階から、レフェリーの方も強調されていたので、実際、面食らった場合も何回かあった。とはいえ、極端な変化だと思うので、これを受け入れていくしかないだろう」(9月30日、大阪戦後取材)
■木下博之(大阪エヴェッサ)
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「ファウルゲームの際、どういうプレーならアンスポになり、どうすれば普通のファウルなのかを試合前にレフェリーの方に確認。そこでは、『お互いルールの適応が始まったばかりなので、コミュニケーションをとりながら進めていこう」と話をした。昨日の琉球とSR渋谷の試合を見たが、あれでアンスポなのかと思う場面があったが、今日の試合ではそのような(アンスポを吹かれる)状況にならなかったので、なんともコメントのしようがないが。本当に競った展開になった場合、お互いのチームがどのようにプレーをするのか、現状ではわからない」(9月30日、A東京戦後取材)
■富樫勇樹(千葉ジェッツ)
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「チームとしてFIBAから送られてきたルールのビデオをチェックした。今までファーストブレークをファウルして止めるケースはあったが、これはアンスポになってしまう。ここは意識して注意しなければいけない。これまでなら相手にフリースローを打たせて、攻撃権を獲得することもできたが、アンスポではフリースローの後も攻撃権を相手が持ったままになるので要注意。ただ実際に試合をしてみて、選手もそうだけど、レフェリーもアジャストしなければならないだろう。これなら普通のファウル、これはアンスポとまだ明確になっていないと思う」(10月1日、西宮ストークス戦後取材)
取材=バスケットボールキング編集部
文・構成=入江美紀雄