2018.02.12
2月11日、アリーナ立川立飛でB1リーグ第19節第2戦が行われ、東地区首位のアルバルク東京が同地区3位川崎ブレイブサンダースを迎え撃った。昨日の第1戦では、安藤誓哉が4試合ぶりに復帰したA東京だったが、序盤での大量失点が最後まで響き、65-94と宿年のライバル相手に悔しい星を落とした。
A東京のディフェンスは、しっかりと自分のマークマンを守り、相手のエースに得点を奪われようとも、安易にダブルチームやトラップをしかけて他の選手に点数を許さないよう、それぞれの持ち場をしっかりと守ることを基本とする。10日の試合も川崎のエース、ニック・ファジーカスに31得点を奪われているが、ファジーカスに得点を許すことはある程度ゲームプランの範囲だろう。問題は、ファジーカスに続くスコアラーである辻直人に15得点を許し、3ポイントシュートを4本中4本沈められるなど、序盤から気持ちよくプレーをさせたことにある。A東京としては、初戦の課題を克服しその修正力の高さを見せつけたいところだ。
試合開始は15時10分。A東京は一番注意しなければならない辻に開始わずか15秒で得点を許す。この日もエースシューター辻をべったりとマークするのは、ディフェンス職人の菊地祥平。いつものように辻に覆いかぶさるようなタイトなディフェンスで、ボールを持たせない姿勢を見せるが、辻はスクリーンを上手く使って菊地のディフェンスをはずし、この試合最初の得点を決めて見せた。A東京は、この試合も好調を維持する辻に手を焼くものの、フェイスガードを着用して強行出場する安藤がオフェンスをけん引し、第1クォーターは16-13と均衡した展開へと持ち込んだ。
すると、第2クォーターからは攻守に気迫あふれるプレーを見せて、川崎の大黒柱ファジーカスをシャットアウト。特にジャワッド・ウィリアムズは高さに勝るファジーカスをクイックネスとディフェンスの手数で上回り、インサイドでのディフェンスの柱として重要な役割を果たして見せた。前半を終えて、A東京は相手の絶対的エースをわずか3ポイントに抑えると、このクォーターを21-11とし、37-24の13点差で試合を折り返した。
後半に入ってもA東京はディフェンスの手を緩めず一気に勝負を決めにかかる。激しいフィジカルコンタクトと高い集中力で川崎のオフェンスに自由を許さず、第3クォーターを22-7としたところで勝負を決定づけた。結局、川崎とファジーカスをともに今季最小得点に抑えこんだA東京は、86-54と圧勝。昨日の第1戦を29点差で落とした雪辱を晴らし、今シーズン未だ連敗なしと安定したチーム力を見せつけた。
試合後の記者会見で川崎の北卓也ヘッドコーチは「東のチームすべてに言えることだが、(この地区で)連勝するのは難しい」と口にすると、続けて「今日は(A東京が)絶対にエナジーを出してくるからねと言ってはいたのだが、予想以上の相手ディフェンスのプレッシャーに対して、オフェンスが停滞してしまった」と敗因を分析した。
一方、リベンジを果たしたA東京のルカ・パビチェビッチHCは「昨日29点差で負けた試合をカムバックして、川崎のような強い相手にハイレベルなパフォーマンスでプレーが出来ていた」と感想を述べると、怪我人や日本代表選出で厳しい状況が続くチームの状態について「コーチとしては厳しい週で、安藤、小島元基、馬場雄大、ザック・バランスキーがケガで練習できない。田中大貴、竹内譲次も日本代表の活動があり、アレックス・カークも疲労でやはり練習ができない状態だった」と語り、「(試合の)準備が足りないなか、昨日は敗戦したが、今日の試合ではよく選手が踏んばり、がんばってプレーしたなと思います」とコンディション不良の中でも強敵相手に白星を手にした自チームの選手を称賛した。
リーグも折り返し地点を過ぎ、それぞれのチームとの対戦を重ねる中で、チーム力が均衡する東地区の戦いはますます激しさを増し、どのチームが勝ち抜けるのか予断を許さない状況が続く。この日アリーナ立川立飛には、今季最多の3091名が訪れ、国内バスケットボール最高峰の試合を堪能した。選手やチームは苦しい戦いが続くが、バスケットボールファンにとっては、面白い時期がやってきたと言っても良いだろう。ぜひ、まだBリーグを見ていない、実際の観戦には行ったことがないという方がいれば、一度現地へ足を運んではいかがだろうか。
文=村上成
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