2018.03.22
3月17日、B1リーグは第23節第1戦を迎え、千葉ジェッツと栃木ブレックスの対戦は千葉のホーム、船橋アリーナに5155名のファンが詰めかける中、行われた。激戦が続く東地区に属する両チーム、千葉は勝ち星で並ぶ首位アルバルク東京から離されたくない状況。一方、栃木はチャンピオンシップ進出に向けて負けらない戦いが続いている。
この大切なゲームでスタートダッシュに成功したのは栃木だった。ライアン・ロシターのジャンプシュートで先取点を挙げると、遠藤祐亮が2本の3ポイントシュート、田臥勇太が速攻を決めて10-0のランを見せる。しかし、栃木はターンノーバーを繰り返し、自らリズムを失う。反対に千葉は富樫勇樹が持ち前のスピードに乗ったドライブを見せ、チームにエナジーを吹きこむ。さらにインサイドへボールが入るようになり、ギャビン・エドワーズを起点にオフェンスが機能。第1クォーターを3点ビハインドで何とか終えることができた。
第2クォーターに入ると、徐々に千葉ペースとなる。残り5分51秒、千葉はマイケル・パーカーのゴール下で逆転に成功すると、その後は一進一退の展開となるも、富樫からエドワーズへの速攻がビザ—ビーターとなり、1点リードで前半を折り返す。さらに第3クォーターには富樫の外角とエドワーズのインサイドが一層猛威を振るう。栃木は守りの要である遠藤が3個目のファウルを犯してベンチに下がらざるを得なくなる。最後は千葉の小野龍猛がフェイダウェイシュートを沈め、55-45とリードを2ケタに広げて、最終クォーターに入っていった。
第4クォーターも点差は縮まらず、残り時間4分を切った時点で、千葉が12点のリードを奪った。この場面、「誰も諦めてなかった」と試合後田臥が振り返ったように、栃木はここから驚異の粘りを見せる。「一気に逆転するのではなく、1つのディフェンス、1つのリバウンドをがんばり、それをオフェンスにつなげた」(田臥)プレーで徐々に点差を詰めていった。チームを立て直そうと、千葉の大野篤史ヘッドコーチがタイムアウトを請求してもミスが続く。栃木は試合終了残り27秒、遠藤がフリースローを1本決めて71-71の同点に。ここで千葉は最後のタイムアウトを取り、文字どおり最後のオフェンスに出る。
千葉は富樫がボールを持ち、他のオフェンスが外に開くアイソレーションを状況を作った。対する栃木は「オフェンスの起点(富樫)を抑えようと、ディフェンスの要である遠藤を一か八かマッチアップさせた」(安齋竜三HC)。結果的にはこれが奏功する。富樫の放ったやや遠目の3ポイントシュートが大きく跳ねて、ボールは栃木に。ボールを持った喜多川修平が無人のコートをかけると、富樫が何とかファウルで止めるのが精一杯だった。
残り時間は1.4秒。喜多川がきっちり2本フリースローを決めて逆転。最後はレオ・ライオンズがロングパスを投げるものの、そのボールをロシターがキャッチ。ここで試合終了のブザーが鳴った。
どちらも負けられない状況の中、指揮官の試合後のコメントが対照的だった。
「チームとして戦う姿勢が見られず、チームの体をなしてなかった。うちは40分間、チームで戦わなければ勝てない」。大野HCは履き捨てるように言った。
「チームで決めたルールを最後までやり抜いてくれた」と答えたのが安齋HC。「残り4分は今一度ディフェンスの強度を上げて、ディフェンスからオフェンスへの流れを作り、それをアップテンポに仕掛けてくれた」と選手たちを称えた。「うちはまだまだ伸びしろがあることを感じさせてくれたが、この勝利を明日につなげないと意味がない。ミスも多かったし、その点を修正して次に臨みたい」と、気持ちはすでに第2戦に向けられていた。
【試合結果】
千葉ジェッツ 71-73 栃木ブレックス(@船橋アリーナ)
千葉|15|16|24|16|=71
栃木|18|12|15|28|=73
文=入江美紀雄
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