2019.01.18
5月27日に横浜アリーナにて行われた「B1・B2入替戦 2017-18」で、B1リーグ所属の富山グラウジーズがB2リーグ所属の熊本ヴォルターズを88-85で下した。
33分43秒の出場で3本の3ポイントを含む14得点を挙げた大塚裕土は試合後、B1残留を決めた率直な感想を求められ「厳しい試合だったので勝つことができてホッとしている。メンタル的にもかなり消耗した」と安堵の表情で語った。
富山は、エースの中西良太を中心とした熊本のインサイド攻撃に手を焼き、大接戦を強いられた。第3クォーター終了時に64-66とリードされるなど、苦しい試合展開となったが、大塚は強い気持ちがギリギリの戦いを制する要因になったと強調した。
「タイムアウトなどでベンチに戻った時には、戦術的な指示はもちろん、“B1のプライド”を持って戦おうと声を掛け合い、チーム全員で士気を高めていた。大勢のブースターも後押ししてくれて、それが3点差という結果につながったと思う」
「中西選手に対し、他の選手がヘルプに行くという選択肢もあったが、シーズン中はこういったケースで逆に外角を使われてさらに失点を重ねてしまう試合があった。中西選手にはかなりやられたが、我慢してシューターについていった」(大塚)。熊本の武器である小林慎太郎の3ポイントシュートを、ゾーンディフェンスに切り替えた第3クォーター終盤の1本のみに抑え、マンツーマンで仕事をさせなかったことは、得点以上に大塚が勝利に貢献したポイントと言えるだろう。
「B1でも多くの素晴らしいシューターをマークしてきたので、集中してディフェンスすれば絶対に抑えられると思っていた」と、ここでも“B1のプライド”をのぞかせた。
出場機会が限られたサンロッカーズ渋谷を離れ、富山へ移籍した2017-18シーズン。チームとしては入替戦まで経験する厳しい戦いとなった。しかし大塚自身はプレーオフを含む33試合で2ケタ得点を挙げるなど、チームにとって欠かせない戦力として躍動した。
「昨季はプレータイムも少なく、非常に苦しい思いをしたが、出番が来たら必ず活躍できるようにと取り組んできた。その成果を出すことができて、他のチームからマークされる存在になりつつあることを実感した」
30歳を迎えたシーズンで、大きなステップアップを遂げた“仕事人”は「3ポイント(シュート成功率)ランキングでトップにもう少しで手の届くところ(39.7パーセント/B1リーグ2位)まで来ることができた。その悔しさを忘れずに来シーズンもがんばりたい」と意欲を示した。
文=山口晋平
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