2018.07.11

4月に発足した佐賀バルーナーズ、元NBA戦士を招へいし地域リーグから最短でB1入りを目指す

表敬訪問を受けた大河チェアマン(右から2番目)と、佐賀のメンバー[写真]=小沼克年
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 佐賀バルーナーズ(以下佐賀)は7月11日、クラブアンバサダーである元NBAプレーヤー、サーシャ・ブヤチッチ(現フィアット・トリノ)の来日に合わせ、Bリーグの大河正明チェアマンへ表敬訪問を実施した。

 佐賀は2018年4月に発足され、地域リーグからB3リーグ、B2、B1と最短での昇格を目指す新チーム。チーム名には、毎年秋に佐賀市で開催されている『佐賀インターナショナルバルーンフェスタ』が由来しており、佐賀の公式HPでは以下のように説明している。

「あのバルーンの様に、佐賀の人々の『夢』を乗せて、大空高く舞い上がり『夢』である『B1昇格』を掴み取りたいという思いからこのチーム名に決定いたしました。バルーンフェスタが『世界』に誇るように『世界』を知る元NBA選手であるSASHA(サシャ)の佐賀のバスケット界そして日本のバスケット界を『世界』に誇れるよう引っ張っていきたいという思いも込められています」

 同日の表敬訪問前にはブヤチッチに加え、同クラブを運営する株式会社サガスポーツクラブ代表取締役の竹原哲平社長、ブヤチッチの弟であるアル・ビェコビッチの3名がメディア対応に応じた。

 今回アンバサダーとしてチーム作りを担うブヤチッチは「まず社長が自分の夢について語ってくれて、バスケットとこのプロジェクトに対する情熱を感じました」と就任に至った経緯を明かし、今まで見たことがなかったという日本のバスケットについて「まだバスケットという文化が根付いていないのかなと思います。ただ、バスケットの文化が生まれて成長していくというポテンシャル自体はすごく感じましたし、これから盛りあげていけば、バスケットを愛する人がもっと出てくるんじゃないかと感じました」と自身の見解を述べた。

チームの運命を託されたビェコビッチ、竹原社長、ブヤチッチの3名(左から)[写真]=小沼克年

 佐賀は2023年の2巡目佐賀国体に伴い、B1ライセンス交付の条件となる5000人以上集客できる新アリーナが誕生することも、設立したきっかけの一つとなっている。「佐賀にアリーナができるということを聞き、最強軍団を作ってそこでプレーすることを夢に見ながら、日本だけでなくアジアで誇れるチームを作っていきたい。アカデミー活動からタレントと呼ばれる選手も見つけていきたいと思っていますし、バルーナーズだけじゃなく、日本のバスケットの未来を切り開いていくという意味でも、今ままでにない新しい文化を取りいれていきたい」と意欲を示した。

 また、弟のビェコビッチは選手兼コーチを務める。2つの役割を担うことついて「難しいことは最初から分かっていました。選手としては一緒の立場になるので、尊敬心を失わないようにしていきたい。現在所属している7名の選手は、尊敬心を持ちながら僕に接してくれています。これからどうなるか分からないですけど、今のところは順調だと思っています」と一定の手応えを口にし、「日本のバスケットは『チームプレー』なので、私たちもそのチームプレーを大事にしていきたい」と今後のビジョンを話した。

 現在、地域リーグをメインに試合を行っている佐賀は、すでにB3へ準加盟申請を行っており、今後も順調に申請許可が下りれば2019-20シーズンから同リーグに参戦可能となる。新アリーナ完成までに目標とするB1リーグへ突き進むことができるのか。今後も佐賀県から旋風を巻き起こす佐賀バルーナーズに注目したい。

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