2018.12.16

昨季のファイナルの再戦! 千葉が誇る4つのストロングポイントを抑えたA東京が見事先勝

試合後の記者会見で「しっかりと準備をして、勝ち切ることを意識したい」と明日への意気込みを語ったルカHC[写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部

 12月15日、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われたアルバルク東京千葉ジェッツの今シーズン初の顔合わせは、東地区上位の順位争いだけでなく、今シーズンの優勝争いを占う意味でも重要な一戦。さらに最後まで勝敗の行方が分からない大熱戦に、この日、会場に詰め掛けた3519名のファンを虜にしたはずだ。最終スコアは76−72でA東京が勝利したが、1試合40分間の中で行われた1プレーで勝敗が逆になったかもしれないスリリングな内容だった。

 試合後、記者会見に臨んだA東京のルカ・パヴィチェヴィッチヘッドコーチは「千葉とは良いライバル関係にあると思う。それもあり高いモチベーションの中で好ゲームができた」と満足そうに試合を総括した。一方の千葉の大野篤史ヘッドコーチは「良いゲームだった。互いに40分間集中力を切らさずプレーできていた」と、両チームの健闘を称えるとともに、満足できる試合内容だったのか、悔しさを表情にじませることもなかった。

 第1クォーター、千葉の富樫勇樹が得意のピック&ロールからのジャンプシュートを高確率で決めて14得点を活躍。さらにA東京のミスから着実に得点を重ねた千葉が24−19とリードを奪った。しかし、第2クォーターに入り、A東京がディフェンスを修正。千葉が得意とする速攻を2点で抑えるとともに、反対にターンノーバーからの得点を8も挙げるなどして逆転に成功する。しかし、千葉も終盤、ギャビン・エドワーズのジャンプシュート、田口成浩の3ポイントなどで追撃して、前半は37−35とA東京が2点リードで折り返した。

 千葉は試合を通じて要所で2−3のゾーンディフェンスを繰り出し、A東京のオフェンスのリズムを崩そうと仕掛けてきた。後半の出だしもそれが奏功して、千葉がエドワーズのダンクで47−45と逆転に成功する。この試合、ルカHCは早めのタイムアウトで修正を図った。

 A東京のルカHCは、「トランジションゲーム、富樫のピック&ロール、エドワーズのローポスト、マイケル・パーカーのオフェンスリバウンドにどう対応するか。時間帯によって対応できればリードできたし、反対に対応できなければリードを奪われた」と試合を分析。さらに、「しかし、少しずつこれらを削っていくことで、自分たちがリードを奪えたと思う。終盤、ゲームをコントロールできたことも大きかった」と、勝因に言及した。

 第4クォーター、A東京は馬場雄大アレックス・カークの速攻で畳みかけると、その後はザック・バランスキーが5連続得点を挙げる活躍を見せ、千葉からリードを奪っていった。千葉はエドワーズやパーカーがシュートを決めるものも届かず。最後はビエリツァが富樫の3ポイントをブロックして、そのまま終了のブザーを聞くこととなった。

「明日が同じような展開になるとは限らない。初戦に負けたチームはより高いモチベーションを持って試合に臨んでくる。しっかりと準備をして、勝ち切ることを意識したい」とルカHCは気を引き締める。

「戦うマインドは良かったと思う。ただ1つのプレーがアジャストしきれずに、レイアップに行かれたプレーもあった。またゾーンディフェンスで相手に打ちたくないシュートを打たせているのに、そのリバウンドが取れないと意味がない。しっかりと反省して明日の試合に臨みたい」と、大野HCはいくつかの課題を挙げ、すでに視線を第2戦に向けていた。

 昨シーズンのファイナルの再戦は予想に違わぬ好ゲームとなった。互いに今日得た課題を修正して臨む第2戦も熱戦が期待される。

文=入江美紀雄

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