2019.08.15
アルバルク東京は東地区の3位に甘んじたものの、ワイルドカード1位で「B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2018-19」(CS)進出を決めており、2連覇に向けたポストシーズンを迎える。チームではジャワッド・ウィリアムズに次ぐ年代に属するベテランの竹内譲次は、日本代表との活動を同時にこなし、シーズン中も国内外でワールドカップ予選を戦うという多忙なシーズンを過ごした。そんな竹内にレバンガ北海道戦後、今シーズンを振り返ってもらうとともに、なおかつCSに向けた思いを語ってもらった。
いかにも“竹内らしい”回答だと思わせたのは、今シーズンを振り返ってもらう質問について。まず個人的なことよりも日本のバスケ界について言及したのだ。「良い1年になったのではないかと思います。ワールドカップに自力出場を決められたし、東京オリンピックの出場権も獲得しました。Bリーグも盛り上がってきていると思います」。竹内はワールドカップ予選では重要な先発メンバーとして、体を張ったディフェンスでチームに勢いを呼び込んだことは記憶に新しい。
そして、自身についてはBリーグのルール変更がポイントだったという。今シーズンのBリーグはクォーターごとの外国籍選手の出場を制限するルールがなくなった。それだけに、パワーフォワード、もしくはセンターのポジションを任される竹内にとって、外国籍選手とのマッチアップの時間が増えたという。「外国籍選手を守ることができればチームにいい流れをもたらせることができます。新しいルールの中で自分自身が成長できたと思います。特に自分のディフェンスの強度は間違いなく上がったと言えるでしょう」と胸を張った。さらに「外国籍選手とのマッチアップでファウルトラブルになることもあり、難しい部分もありました。これに関してはクレバーにプレーすることも身についたのではないでしょうか」。
2連覇を目指すCSについても冷静に分析する。「負けたら終わりのトーナメントが始まります。新潟(アルビレックスBB)が素晴らしいチームであるのは間違いないので、勝てるだろうではなく、自分たちの力を出し切りたい。その後のことは試合が終わってから考えればいいので、まずは初戦に集中したいともいます」と、まずは新潟戦に照準を合わせる。
「自分たちは厳しいシーズンを戦い抜いてきて、どのチームにも勝てる自信はある程度得られたと思っています。ただ一方で、40分間集中しきれてない時間もあるので、できるだけそういう時間をなくして、自分たちがやるべくことをやり切れれば、優勝に近づけるでしょう」と、課題もあげた竹内。しかし、代表戦と兼任という厳しいシーズンをやり抜いたことが自信につながっているとも語る。
そしてルカ・パビチェビッチヘッドコーチからは連覇の難しさをシーズン中から口酸っぱく言われてきた。「『去年の流れをなぞらない』と言われてきました。今シーズンはルールもいろいろなものが変わっているので、去年と同じやり方では勝てないと。その中で選手一人ひとりが去年以上にステップアップして、ここまで来ていると思っているので、そこで自信を持ちたい」と、自分に言い聞かすように語った。
一発勝負のCSはもう今週末にはスタートしていく。代表戦、そしてBリーグを戦い抜き、たくましさを増した竹内が、A東京2連覇のキープレーヤーになるのは必至と言えるだろう。
文=入江美紀雄
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