2019.10.04

島根スサノオマジックは3人のキーマンに注目、名古屋ダイヤモンドドルフィンズは戦い方を貫けるかどうか

2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

島根スサノオマジックvs名古屋ダイヤモンドドルフィンズ(@松江市総合体育館)
第1戦:10月5日16時5分、第2戦10月6日13時

 B2で過ごした雌伏のシーズンでプレーオフ3位に食い込み、半ば幸運に助けられたとはいえB1復帰のミッションを成し遂げた島根スサノオマジック。経営体制が刷新されたこともあり、今季はコート内外で節目のシーズンを迎えることになる。高い得点力を誇った外国籍選手は去ったが、NBA経験の豊富なアイク・ディオグが加入。日本人選手の層は厚くなったとは言い難いものの、山下泰弘の獲得と安部潤の復帰で経験値はアップした。堅実さと大胆さを併せ持つ鈴木裕紀ヘッドコーチの戦略で、まずは2017-18シーズンに果たせなかったB1残留の目標をクリアしたい。

 一方の名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、外国籍選手を1人入れ替えた以外は昨季と全く同じ布陣。梶山信吾ヘッドコーチが多少の失点増を覚悟の上で掲げているトランジションバスケットは着実に浸透し、その完成度が今季さらに高まることは間違いない。安藤周人は「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」のメンバーに選ばれるなど、スコアラーとしてさらに進化を遂げている。昨季は笹山貴哉が開幕前に故障し、ジャスティン・バーレルも途中長期離脱したとあって、コンディションには留意したいところ。健康面の不安さえ取り除かれれば、西地区制覇の有力候補と言っていい。

 一昨シーズンはアウェーで開幕を迎えたため、B1で開幕節をホームで戦うのは島根にとって初めてとなる。白星で地元ブースターに報いたい島根のキーマンはやはり、一昨シーズンも島根でB1の舞台を踏んでいる佐藤公威相馬卓弥後藤翔平の3人。B2降格の失意もB1復帰の喜びも味わってきた3人は、並々ならぬ決意で今季に臨むはず。名古屋Dという強敵も撃破するには、3人の気迫がアリーナ全体のボルテージを上げられるかどうかにかかっている。速攻主体のスタイルとあって勢いを大事にしたい名古屋Dとしては、雰囲気にのまれることなく自分たちの戦い方を貫けるかどうかということになるだろう。

文=吉川哲彦

■ロースター
・島根(ヘッドコーチ:鈴木裕紀)
佐藤公威
後藤翔平
アイク・ディオグ
ロバート・カーター
山下泰弘
北川弘
坂田央
阿部諒
相馬卓弥
安部潤
ブライアン・クウェリ
頓宮裕人
神里和

・名古屋D(ヘッドコーチ:梶山信吾)
小林遥太
満田丈太郎
イシュマエル・レーン
菊池真人
張本天傑
安藤周人
中東泰斗
笠井康平
中務敏宏
ヒルトン・アームストロング
笹山貴哉
ジャスティン・バーレル
木下誠

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