2025.04.10

島田チェアマンが“まちづくりの核”としてのアリーナ価値を語る…Bユースから米留学にも言及

『島田のマイク』第231回が配信
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 4月10日、Bリーグ島田慎二チェアマンのポッドキャスト番組『島田のマイク』第231回が配信。富山グラウジーズの試合観戦とトークイベントを中心とした富山出張について語った。

 島田チェアマンが観戦した3月中旬の富山グラウジーズvsベルテックス静岡の試合は『りそなグループ B2 PLAYOFFS 2024-25』のホーム開催権をかけた一戦で、5011人の観客を集めた。この試合は地元の人々から“市総”と親しまれる富山市総合体育館でのラストゲームとなっており、今後は命名権を獲得したYKK株式会社が『YKK AP ARENA』として改装を手がけ、2026年10月にリニューアルオープンが予定されている。

 観戦翌日には『スポーツとアリーナがもたらす新たな街づくり』をテーマにしたトークイベントが開催された。島田チェアマンに加え、富山県の藤井裕久市長、インフロニア・ホールディングス株式会社の岐部一誠社長、富山グラウジーズからは石﨑大善会長と高堂孝一社長、さらに神奈川大学の大竹弘和教授という多彩な顔ぶれが集まった。スポーツを活用した地域活性化について参加者全員が高い関心を持って議論し、終始熱のこもった雰囲気だったという。

 イベントにおいて島田チェアマンは、アリーナ建設の意義について「アリーナができることの波及効果や、万が一、災害があった時に避難所になりますといったアリーナの価値はもちろん、アリーナがあることによって地域への経済効果や市民のシビックプライドをくすぐるというか、首都圏に出ていった若者が“おらが町”に帰って仕事をしてもいいかなと思うUターンのきっかけになる」と多角的な価値を指摘した。また、アリーナ建設に民間企業が携わることでビジネスとして成立させなければならない状況に置かれているからこそ、コンサート誘致やコンベンション開催など多角的な活用によって経済効果や関係人口の増加が期待できるといった展望を示した。

 富山県では小学生がなりたい職業1位に“バスケットボール選手”が上がるなど、バスケへの関心が高い文化が醸成されている。島田チェアマンは「こういうイベントは一つのきっかけに過ぎず、こういうことが日常的に議論されるような雰囲気を(全国の)クラブが作るべく努力する必要がある。地元にメリットがいかに提供されるかというところを実現せざるを得ない環境に持っていくことが大事」だと、Bリーグが掲げる“地方創生リーグ”に繋がる取り組みの一つとしての、重要な考えを述べた。

 番組の終盤では、琉球ゴールデンキングスが優勝した『インフロニア B.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP 2025』の話に及んだ。大会MVPに輝いた同クラブのポイントガード・越圭司は高校3年間、アメリカに挑戦する意向で、河村勇輝(メンフィス・グリズリーズ)を目標にしているという。島田チェアマンは「(選手の)レベルがどんどん上がってきているし、素晴らしい選手が増えている。Bリーグができたり、代表の人気・強化があったりする中で、5年、10年という時間差を経て花が開いてくる」と評価。「(河村選手に憧れてアメリカへ挑戦するなど)どんどん連鎖的に未来に紡がれていっている感じはめちゃくちゃ感じる」と、日本バスケットボール界の好循環が生まれつつあることへの手応えを語った。

 今回のエピソードでは、トークイベント終了後に行われた関係者との懇親会でBリーグのクラブ間競争の中で富山がどう勝ち抜いていくかといった話などが紹介されたほか、リスナーから寄せられた手紙などについて語られた。

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