2025.08.27
広島ドラゴンフライズは7月22日、練習場のドラフラベースで「りそなグループ B.LEAGUE 2025-26 SEASON」B1リーグ戦に向けて始動した。
Bリーグ王者として臨んだ昨シーズンはレギュラーシーズンを西地区5位で終え、3年連続のチャンピオンシップ(CS)出場を逃したが、過密日程の中で東アジアスーパーリーグ(EASL)を制覇して2年連続でタイトルを獲得した。
就任2年目の朝山正悟ヘッドコーチ(HC)は、「結果的には悔しいシーズンでしたが、EASLでリングを取ったことは自信につながったし、そこから自分たちがやらなければいけないものも明確になったシーズンだったと思います」と振り返り、「去年からガラッと変わるものもあると思いますし、また、去年までの自分たちが自信を持っていい部分も出ているので、そこを活かしながら、バランスを見ながらやっていきたい。自分たちは何度でも立ち上がって戦っていくチームであり、それをコート上でもコート外でも示していけるチームになっていきたいです」と視線を前に向けた。
初日のチーム練習には日本人選手を中心とした契約継続選手に加えて、島根スサノオマジックから移籍した晴山ケビンが参加。笑顔も多い中で、シュートや走り込みなど約2時間のトレーニングで汗を流した。琉球ゴールデンキングスから新加入の伊藤達哉は7月下旬に、その他の外国籍選手は8月中に合流する予定となっている。
最初のチーム練習を終えた朝山HCは、「待ちに待った全体練習で、選手たちもみんなコンディションよくやれていたと思う」とコメント。その中でも新加入の晴山がはやくも活気をもたらし、練習終盤のメニューでは同じく日本人最年長32歳の山崎稜とコンビを組んで球際やランニングで激しいバトルを繰り広げていた。

[写真]=湊昂大
広島がキャリア7チーム目の晴山は、新天地に慣れるために6月下旬から活動を始め、初日でも積極的に声を出して存在感を発揮。「移籍してきた年は、自分を知ってもらわなければいけないので、早く自分を知ってもらうために、自分から絡んだり声を出したりして、自分から発信していくことはいつも心がけています」とさっそく経験を活かし、「リーグ優勝にフォーカスして、日々成長できる選手やチームを目指して頑張りたい」と意気込んだ。
昨シーズン怪我から復帰を果たした寺嶋良も今年は初日から軽快なスタートを切った。「昨シーズン開幕の時はまだリハビリ段階だったけど、今回はシーズンの始めからプレーできるのですごく楽しみな気持ちです」と爽やかな表情を見せ、「最初の練習は固い部分もあるけど、今年はすごくみんな楽しんでいて、いい雰囲気で練習できたと思います」と話した。

[写真]=湊昂大
2年目の三谷桂司朗も初日から活発な動きで好調をアピール。「去年の過ごし方からいろいろ学んだので、このオフシーズンはリフレッシュだけじゃなくて、次のシーズンに向けてのステップアップを兼ねてしっかり自主練から積み上げてきた」と明かし、「ちゃんと太らずにベストコンディションを維持できたので、そこは自分の中でも成長できていると思います」と胸を張った。

[写真]=湊昂大
朝山HCは約2カ月の準備期間について、「まずは10月の開幕に向けて全員同じスタートラインだと思うので、新しい選手が入ってきた中で、また新しい雰囲気をしっかりと出しながら、とにかくまずはコンディションを戻して上げていくこと。そこからバスケットボールの動きの部分を徐々に染み込ませていく作業になります」と説明した。
広島は約1カ月前に若手エースの中村拓人が複数年契約を解除して電撃退団。それでも、経験豊富な伊藤という新たな戦力が加わった。ニック・メイヨは日本国籍取得(帰化)に向けて、1月に申請を完了し法務局にも受理されていて、クラブとしては官報での発表を待つしかないのが現状だという。最短では7月中の帰化認定となる見解もあるが、まだ吉報は届いておらず、それに伴ってラストピースの補強も確定していない状況だ。

[写真]=湊昂大
練習後にはチームやフロントスタッフ全員が集まって決起集会も実施。クラブ創設以来ホームアリーナとして使用してきた広島サンプラザホールをメインアリーナとして戦う最後のシーズンで、クラブ一丸となって優勝を目指す。
朝山HCは「自分たちは優勝を目指す。そこはシンプルに選手たちに伝えました。それはどのシーズンであっても自分たちは変わらないと思います。王座奪還という意識よりは、また新たなチームになって、イチから目指していく、みんなでつかみ取る、そういったシーズンになると思います」と力強く語った。
文=湊昂大
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