2025.11.30
11月16日に行われた『U18日清食品トップリーグ』男子の最終日、長年のライバルである福岡第一高校に49点差で快勝した福岡大学附属大濠高校が大会2連覇を飾った。
幾度とない対戦のたびに熱戦が繰り広げられる”福岡対決”だが、この日ばかりは福大大濠が圧倒。試合序盤からミスマッチを突きゴールへ果敢にアタック。堅い守備で相手の攻撃を封じ、福岡第一の代名詞である“堅守速攻”を逆に体現してみせた。
圧勝で見事優勝に輝いた福大大濠だが、この勢いを得るまでには悔しい思いを重ねてきた。インターハイでは八王子学園八王子高校に敗れベスト8で姿を消し、今月3日に同カードで行われたウインターカップ福岡県予選決勝では、70-80で敗れ苦汁を飲んでいる。このどちらもが「受け身になって試合に臨む、そして最後にやや帳尻合わせをしようとするけれども、勝利を掴み取れないという風な負け方をしてしまった」。そう振り返り「これはやはり3度目はないというふうに考えてまして」と、危機感を覚えたと語る片峯聡太ヘッドコーチ。

チームを導くキャプテンの勝又[写真]=伊藤大允
そんな状況を打開するために指揮官がとった措置は、前週に行われた東山高校戦に主力の3年生を帯同させないという思い切った策だった。「チームを少し外からもう一度見つめ直してほしい」という思いに応えるように、外から見て「今のチームに足りないのはディフェンスの時のコミュニケーションの量」と、問題点を見つけた最上級生の勝又絆。明らかになった課題を「1週間の練習で徹底して今日の試合に臨めた」と振り返る。その言葉通り福岡第一の攻撃を寄せ付けず、48点に抑えて見せた。
「流れが少し悪くなった場面でも、すぐ目と目を合わせて呼吸を合わせてこうしていくぞという、悪い流れをすぐ断ち切ろうとする姿がありました。そこに1、2年生がしっかりついてきて、思いっ切りバスケットコートの中で進めていくことができた」。片峯HCは、気持ちを一新しチームを率いた3年生たちをそう評価。「3度目はないので、同じことをも繰り返さないためにも、しっかり前半から迷わずやっていこうというマインドセットでプレーしました」と、前週には歯痒い思いを経験した3年生の吉岡陽は21得点の大活躍を見せた。

大会を通して得点王にもなった本田[写真]=伊藤大允
3年生不在の東山戦では38得点、得点王として大会ベスト5にも選ばれた本田蕗以は福大大濠のエースとしての自覚を聞かれると「数字だけ見たら点数は取ってると思うんですけど、試合の入りのレイアップだったりとか、大事な場面でのシュートとか、まだまだ決めきれてないところが全然多いと思うので。まだ大濠のエースになったっていうのには早いと思うんで、まだまだこれから頑張っていきたいなと思います」と、まだまだ高みを目指していく意気込みを見せた。
また、福大大濠にとっては「1年生の頃からプレータイムが長く、そしてチームの勝利にも昨年からしっかりこう貢献してくれていた選手」と、指揮官が信頼を置く絶対的司令塔の榎木璃旺を欠いて迎える最終戦でもあった。「苦しい時間帯だったり、ハドルする場面っていうのはいつも璃旺が最初に声をかけてくれている」という大きな存在を欠く中で「自分がリーダーシップを発揮してチームをまとめていかなければならない」。そう感じていたと明かしたのはキャプテンの勝又。「責任感だったり、まとめていく力という部分の成長につながった」と、手応えを感じている。

最終戦で21得点の活躍を見せた吉岡[写真]=伊藤大允
8月の初戦からおよそ3カ月にも及ぶ長丁場を終え「しっかり勝負の場面でも使える選手たちというのが出てきてくれた。そういう素晴らしい強化の機会になりました」と、話す片峯HC。収穫と同時に新たな課題も見えた中で、「3年生がこれからの練習でしっかりしないといけないと思うので。妥協はなく日本一の練習を作れるようにこれから取り組んで冬日本一になります」(吉岡)、「本番は冬だと思っているので、冬の頂点を目指して頑張っていきたい」(本田)と、”3度目はない”という強い覚悟でウインターカップ2連覇を見据えた。
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