2026.02.14
4月5日・6日に開催される今シーズン初の「神奈川ダービー」を前に、川崎ブレイブサンダースの米須玲音と横浜ビー・コルセアーズの佐藤凪の対談が実現。名門・東山高校出身の先輩後輩が、高校時代の思い出や恩師の言葉、ダービーへの熱い思いを語り合った。
インタビュ==入江美紀雄(バスケットボールキング)
取材協力=川崎ブレイブサンダース、横浜ビー・コルセアーズ

先輩の米須が後輩の佐藤をリードする形で対談は進行
――東山高校の先輩・後輩にあたるお二人ですが、学生時代から直接的な関わりはあったのでしょうか。
米須 僕が卒業してからも何度か東山に練習へ行きましたし、大学時代の教育実習で戻ったとき、凪がちょうど2年生でした。担当は保健体育で、一緒に練習する機会もありましたね。
佐藤 玲音さんは3年生の(瀬川)琉久さんのクラスを担当されていたので、授業は直接受けていないんです。でも、小学生のころからウインターカップを東京体育館まで見にいっていて、玲音さんが活躍する姿は毎年目に焼き付けていました。一番印象に残っているのは、やはり教育実習のときに練習中マッチアップをして、直接アドバイスをもらったことです。

高校バスケ界をリードする存在だった米須 [写真]=吉田孝充
米須 凪のプレーはシンプルに「うまいな」という印象でした。あとは、僕が東山にいたころと雰囲気が似ている選手だなと。大澤(徹也)先生もそう言っていましたし、プレースタイルを見て「似ているな」と感じましたね。東山の基本であるピック&ロールからの攻めやパスの展開など、何でもできる。シュート力は凪のほうが上ですけど、パスは負けてないかなと思います(笑)。
佐藤 僕はずっと、玲音さんが東山で体現していたスタイルや、チームを引っ張っていく姿を参考にさせてもらっていました。玲音さんのような“ザ・ポイントガード”になりたいと、高校3年生のときは常に目標にしてやっていたので、そう言ってもらえるのはすごくうれしいです。本当に、ポイントガードに必要な能力をすべて持っている偉大な先輩なので、これからも良いところを盗んでいきたいなと思っています。
――米須選手は長崎県、佐藤選手は神奈川県から京都府にある東山へ進学しました。環境の違いに戸惑った経験や、東山高校ならではの思い出はありますか?
米須 僕は関西の方言の強さにびっくりしましたね。九州の言葉は優しめな気がしてるんですけど、関西弁は語気が強くて。普通に指導されているだけなのに、毎回怒られているような感じがして、そこの壁にぶつかりました。生活面では住みやすかったですが、僕らが1、2年生のときは学校の近くにあった古い「洗心寮」という2人部屋の寮で、1人の時間が欲しいなあと思ったのも事実です。でも、先輩後輩の同室でいろいろありましたけど、みんなでワイワイできる楽しさもありましたね。
佐藤 方言の違いは僕も最初感じましたけど、それ以外は本当に過ごしやすかったです。僕たちの代は入学したときから新しい寮で1人部屋だったので、自分の時間も確保できて。寮も綺麗で街も落ち着いていて、とても良い環境でした。洗心寮のエピソードはめちゃくちゃ聞いていましたよ(笑)。
米須 凪たちは新しい寮で有意義に過ごしていたと思うけど、僕らのほうがしっかり経験してるんで、自分たちで何でもできるようになりました(笑)。体育館も最近新しくなったんでしょ?
佐藤 はい。僕が3年のときなので、あの体育館で練習したことがないんです。改修工事をしていて、そこを使ったのは卒業式の時だけです。屋根からフロア、汚かった部室まで一気に綺麗になってびっくりしました。ただ、大澤先生のいる教官室だけは変わっていなかったです(笑)。
米須 東山の名物練習といえば、ボールを使う練習の前に行う縄跳び、ラダー、ハードルからのフットワークっていうウォーミングアップは変わってないよね。凪たちの代がいっぱい走っているのは動画で見て知っていたけど。
佐藤 大澤先生がその代ごとのプレースタイルに合わせてメニューを組んでいると思うんですけど、僕が高3のときは本当に死ぬほど走りましたね。
――東山高校といえばBリーグで活躍する優秀なガードを多数輩出していますが、恩師である大澤先生からかけられた言葉で胸に刻まれているものはありますか?
佐藤 高校3年生の1年間は、あんなに怒られるかっていうぐらい怒られました。生徒指導室に呼ばれて対面で怒られたこともあります。でも、最後のウインターカップが終わったあとに「それでも先生を信用してついてきてくれてありがとう」と言われたときは、グッと胸にしみるものがありました。

世代No.1ガードとして注目を集めた佐藤 [写真]=伊藤大允
米須 意外だね、怒られなさそうなのに。自分はそこまで怒られるタイプじゃなかったけど、背中で見せて周りについてこさせるタイプだった僕に対して、「背中で見せるだけじゃなくて、言わないといけないことは言葉にして伝えなさい」と言われたことは深く覚えています。バスケ以外の学校生活とかでは怒られたくないタイプだったから、ちゃんとしてたっていうのはあるかな(笑)。
佐藤 僕もバスケ以外で怒られたことはないですよ(笑)。ガード陣に関しては、「ポイントガードは王様だ」という言葉をずっと言われていました。ポイントガードが試合の勝敗を決めるからと、大澤先生が心中する覚悟で全部を任せてくれるんです。「お前の判断で負けるならそれでいい」という強い気持ちで一緒に戦ってくれたことは、僕の中でとても大きかったですし、東山のポイントガードならではの経験だったと思います。
――まもなく神奈川ダービーが行われます。これまでの試合で印象に残っている思い出などはありますか?
佐藤 僕はビーコルユース出身だったのもあって、ビーコルの試合を毎年見ているんですけど、その中でもやっぱり神奈川ダービーの盛り上がりはすごいなと感じてきました。
米須 僕は先輩方から何か言われているわけではないですけど、篠山竜青さんや長谷川技さん、クラブのレジェンドのニック・ファジーカス選手がいた時代から対戦は見てきましたし、その熱さを感じていましたね。
――相手チームやファン・ブースターに対してはどのような印象を持っていますか?
佐藤 本当に盛り上がる試合なので、僕自身もその舞台に立つのがとても楽しみな対戦カードだと思っています。
米須 ファンの皆さんもだいぶ盛り上がっていますし、自分たちがホームの時もそうですけど、アウェーのときは横浜BCのブースターの皆さんの盛り上がりと、あのクラップが本当にすごくて。自分はあそこのアリーナ(横浜国際プール)でプレーするのは結構苦手意識があったほどです。それに負けないように、今シーズンは勝ち越せるよう気合いを入れてやっていかないといけないなと思います。
――今回のダービーで、ぜひ注目してほしい「推し選手」を教えてください。
米須 僕が推したいのは、やっぱり篠山竜青選手です。横浜市出身ですし、ダービーにかける思いはチームの誰よりも強いはずです。ニック選手がいた時代から10年くらい戦ってきていますから。その背中を見ながら、自分もプラスのエネルギーをもたらせるように頑張りたいです。

米須は「横浜出身だけに思い入れは強い」と篠山を推薦 [写真]=B.LEAGUE
佐藤 僕は、キング開選手ですね。開さんも横浜市出身なので、ダービーにかける思いが強いと思いますし。実は開さんの弟と同い年で、開さんとも小さいころから面識はあるのですが、プロになって一緒に練習するときもフランクに話しかけてくれる、明るくてノリが良い、本当に素晴らしい先輩です。

佐藤は頼れる先輩、キングを推した [写真]=B.LEAGUE
――最後に、決戦を待ちわびるファン・ブースターへメッセージをお願いします。
佐藤 チームとして何がなんでも勝ちたいゲームです。まずはしっかり勝ちを取りに行くことが一番ですし、個人的には東山の先輩である玲音さんとBリーグの舞台でマッチアップしたいという気持ちがあったので、今から本当に楽しみにしています。負けられない試合になるので、ビーコルの応援をよろしくお願いします。
米須 シーズンは終盤に入っていますが、神奈川ダービーはまだ4試合を残していますから、勝つことは大前提です。自分が個人のスタッツで活躍するというよりも、チームとして今まで積み上げてきたことをしっかりコートで表現できるように。ホームでもアウェーでも、皆さまから応援されるチームになれるよう全力で頑張りますので、応援よろしくお願いします。

B1ラストシーズンの『神奈川ダービー』開催
来シーズンからスタートするB.革新を前に、10年目の川崎ブレイブサンダースvs横浜ビー・コルセアーズによる『神奈川ダービー』が開催。意地とプライドをかけた戦いの火蓋が切られる。
日時:4月5日(土)・6日(日)、ともに15時5分ティップオフ
会場:東急ドレッセとどろきアリーナ(神奈川県川崎市中原区等々力1-3)
日時:5月2日(土)・3日(日・祝)、ともに14時5分ティップオフ
会場:横浜BUNTAI(神奈川県横浜市中区不老町2-7-1)
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