2026.05.17
5月16日、17日に横浜BUNTAIで「三井不動産カップ2026(神奈川大会)バスケットボール女子日本代表国際試合」が開催され、女子日本代表が女子ラトビア代表を相手に2連勝を飾った。この強化試合でひときわ注目を集めたのが、第1次強化合宿に招集されたメンバーのなかで唯一の大学生である後藤音羽(東京医療保健大学)だ。
チーム最年少で19歳の後藤は、GAME1で21分13秒出場して8得点2リバウンド2スティールを記録し、鮮烈なフル代表デビューを飾ると、続くGAME2でも22分05秒コートに立ち、堂々たるプレーを見せた。
合宿から手探りの状況のなかで、自分はどういったプレーができるのかを見極め、それをスポンジのように吸収している様子がうかがえた。試合後、後藤は「最初すごい緊張していたんですけど、先輩方が優しく声をかけてくださったおかげで、思い切りよくプレーすることができていました」と充実した表情で振り返った。
Wリーグで活躍する先輩たちからの刺激は、プレー面にとどまらない。「声かけの質だったり、緊張している人に対してどういう声かけをするのかというコミュニケーションの部分はすごい学びになりました。大学に戻って1年生が入ってきているので、自分もやろうと思えました」と、精神面での収穫も大きかったようだ。

得意のドライブでリングを目指した [写真]=伊藤大允
囲み取材で驚かされたのが、後藤の身長がさらに大きくなっていることだった。公式の登録では178センチとなっているが、本人は「この前測ったら180センチあって。まだ伸びてるかも」と笑顔で明かした。東京医療保健大学に進学し、日々のトレーニングによって体格がひと回り大きくなった印象に加えて、いまだに伸び続けているという身長には、さらなるスケールアップの可能性を感じずにはいられない。
また、所属先の恩塚亨監督のスタイルと、代表のバスケットに共通項があったことも適応を後押しした。「状況を見てプレーは自分たちで考えてやっていいよ、というのは恩塚さんのバスケットとも共通している部分があったので、自分としてはすごいやりやすかったです」。そう語るように、オフボールの動きなどで味方をオープンにする働きを見せつつ、「ドライブの部分はすごい通用するなと、今回大会や合宿を通して思いました」と確かな手応えを口にした。自身の得意とするドライブがGAME1で通用すると分かると、GAME2ではさらに積極的にリングを目指す姿勢を体現していた。
その体の強さとフィジカルのポテンシャルについては、ともに戦ったベテラン選手たちも高く評価している。
日本のインサイドを長年支える渡嘉敷来夢(アイシンウィングス)は、「今まで大学生が代表に入ると、『大学生感』がある印象でした。でも彼女はそれがない。体の当て感だったり、一つひとつのプレーが大学生っぽくない。今Wリーグにいてもおかしくないくらいです」と絶賛。さらに、「本当にこれからが楽しみですし、自分もまだまだ代表に残って、もう一回一緒にやりたいなと思う一人です」と最大限の賛辞を送った。
キャプテンの宮澤夕貴(富士通レッドウェーブ)も、「体が強い選手が多いなと思います。後藤選手を筆頭に、しっかりボディで止めたりとか、体も強いしスキルもある」と頼もしさを口にし、「若手がフレッシュに、日に日に上達していくのが早いし、教えられたことをすぐやるので、見ていて楽しい。若手が活躍すると、ベテランが活躍するのとはまた違ったエナジーが上がる」とチームにもたらす相乗効果を喜んだ。
日本のトップ選手たちからの賞賛を受ける一方で、後藤自身は「押し切れる場面で、自分が押し切れなくてパスを回してしまったりとかがあったので、押し切れるようなフィジカルをもっとつけていきたい」と、すでに次なる課題を見据えている。
「フル代表のコートに立って、代表への距離感は縮まったか?」という問いに対し、「縮まりました」と力強く答えた後藤。ミスを恐れず思い切りプレーすることを心がけ、トップレベルの環境で確かな自信をつかみ取った。
ちなみに後藤が着ける背番号「6」は元日本代表で三菱電機、NKK、アイシン精機でプレーした父親の正規さん(現・浜松開誠館高校男子バスケ部コーチ)と、こちらも元日本代表でシャンソン化粧品、トヨタ自動車で活躍した母親の高美さんが現役時代に付けていたもの。
ワールドカップを控えるA代表へすぐに定着することは難しいかもしれないが、規格外のポテンシャルを秘めた19歳の若きオールラウンダーが、未来の女子日本代表で主軸を担う選手になることは間違いない。
文=入江美紀雄
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