2019.10.24
9月14日、各地で「B.LEAGUE EARLY CUP」がレギュラーシーズン開幕に先駆けて開幕。計6地区で行われる一発勝負のトーナメントは、関東地区の宇都宮ブレックスvs横浜ビー・コルセアーズが先陣を切り、最終スコア83-77で宇都宮が競り勝った。
この試合、宇都宮の比江島慎がスターティングファイブに名を連ねた。比江島はチームメートの竹内公輔らとともに、1日から9日までは日本代表として「FIBAバスケットボールワールドカップ2019」で5試合を戦い抜き、10日に帰国した。チームに合流したのはアーリーカップ前日のことだ。
途中出場ならまだしも、いきなり先発で出てきた比江島の見て驚いたファンも多いのではないだろうか。試合後、指揮を執る安齋竜三ヘッドコーチは比江島に加え、途中出場を果たした竹内の起用についてこう言及した。
「チーム練習でも人が足りなく、5対5もできていなかったのでコンディションが良ければ出てもらおうと思ってました。代表活動でうちのチームのことを全くやっていなかったので、慣れさせるためにもプレータイムを制限しながら出そうかなと。メンタル的な疲れも溜まっていると思うので、バスケットで少しでも発散させられればと思って出しました」
比江島いわく、先発出場を告げられたのは試合直前のミーティングだという。チーム練習も1回しかできていなく「自分でいいのかな(苦笑)」とも思ったようだが、「チームのスタイルであるディフェンスから入っていこう」と心に決め、コートに立った。
5戦全敗でワールドカップを終え、比江島は体よりもメンタルに疲労を感じている。先発に名を連ねたものの、この試合のプレータイムは約14分間に制限された。
「ディフェンスに関してはやれたと思うんですけど、オフェンスでは無理する必要がなかった」と振り返ったが、今後は「チームとして完成度を上げないといけないので、フォーメーションを覚えるのに必死」と口にする。事実、第3クォーターでは腰を下ろして戦況を見つめていた安齋HCが突如立ちあがり、コート上の比江島を呼んだ。
「決まった動きだけをしていて、ミスマッチなのに自分のマークマンを把握して動けていなかったので。インサイドでボールをもらう仕草をしても良かったのですが、そのまま(逆サイドに)切れて行っちゃったので、『一つひとつ狙いながらプレーしろ』と指示しました」(安齋HC)
初戦に勝利した宇都宮は明日以降も試合があり、アーリーカップ後の17日からはマカオでの国際試合「The Terrific 12(テリフィック12)」にも参加する。
「疲労もある程度時間が経てば大丈夫だと思いますし、ブレックスで自信を取り戻していければいいなと思います。そうしていかないとまた同じ結果になると思うので、意識して過ごしていきたいです」
今後も過密日程が続き、まだ代表での傷が癒えていない比江島。だがこれからは、宇都宮のエースとして君臨すべく、少しずつ前を向く。
文=小沼克年
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