2020.01.05

チームで40分間戦い抜いた千葉ジェッツが2020年初勝利

千葉のフィリッピンは大切な試合でベンチスタートながら12得点をゲット [写真]=B.LEAGUE
バスケットボールキング編集部

 2020年、ついに迎えたオリンピックイヤーの初戦、アルバルク東京vs千葉ジェッツが1月4日、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われた。この大事な一戦にA東京はエースの欠場というハンディキャップを負うことになった。エースの田中大貴が昨年末、12月30日に行われたエヴェッサ大阪との第2戦古傷である左ハムストリングスを負傷。新年最初のゲームはチームに帯同はしていたが、田中の代わりに須田侑太郎が先発に起用された。

 試合はその須田のドライブが初得点となり、まずA東京が抜けだす。しかし、千葉は田口成浩が落ちたシュートを自分でねじ込んで逆転に成功すると、ギャビン・エドワーズの3ポイントやインサイドのパワープレーで加点。千葉がリードして第1クォーターを終えた。

 しかし、第2クォーターに入るとA東京のケビン・ジョーンズザック・バランスキー、そして須田が積極的に攻撃を仕掛ける。ディフェンスでも第1クォーターに手こずったエドワーズを抑えると、終盤にはバランスキーが3ポイントを決めると、富樫勇樹のターンオーバーのボールを拾った安藤誓哉が切り返して決めたレイアップシュートがブザービーターとなり、A東京が41-41と追いついて前半を折り返した。

 後半勝負となったこの試合、自分たちのペースを最後まで譲らない粘りを見せたチームが勝利をつかんだ。

 第3クォーター、先攻されたA東京はアレックス・カークがオフェンスリバウンドを押し込み1ゴール差に詰め寄る。しかし、この場面でターンオーバーを犯したA東京は追いつくどころか、千葉にリードを奪われることになってしまう。千葉はコー・フィリッピンがスチールからの速攻、さらにはドライブでA東京のディフェンス網を切り裂き、次第にリードを広げていった。

 第4クォーターは粘り合いの中、千葉が最後までA東京にペースを渡さずにゲームセット。3693名のファンが詰めかけた2020年初戦は、千葉が73-63でA東京に勝利した。

千葉の大野HCは持ち前のディフェンス力だけでなく、この試合では藤永のオフェンス力を評価した [写真]=B.LEAGUE


 試合後の記者会見で、千葉の大野篤史ヘッドコーチは「今節のために準備してきたものを40分間遂行してくれた」と選手を評価。「(A)東京と試合する我慢強くディフェンスすることがキーポイント。チームで戦ったことが勝利に結びついた」と振り返った。また、今日の殊勲者としてガード2名の名前をピックアップ。「藤永(佳昭)がディフェンスだけでなくオフェンスでもいいリズムを作る働きをした。そしてコー(フィリッピン)がボールをプッシュしてくれた。またディフェンスでもいい働きをしてくれて、これは収穫だった」と指揮官を喜ばせた。

 A東京に田中の欠場というハンディキャップがあったとはいえ、千葉は自身のプレーをやり切っての勝利だ。昨年の新潟アルビレックス戦の後、「チームに信頼関係はあるのか? 励まし合って戦うのがチームではないのか?」と大野HCが選手に問うたという。シーズンがうまくいかない時だからこそ、チームで戦うことを強調したのだ。開幕からなかなかうまくリズムに乗り切れなかった千葉だが、20年はチームで戦う姿を取り戻して上位をうかがっていくだろう。激戦の東地区からさらに目が離せなくなりそうだ。

文=入江美紀雄

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