2021.05.23
2020年、ついに迎えたオリンピックイヤーの初戦、アルバルク東京vs千葉ジェッツが1月4日、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で行われた。この大事な一戦にA東京はエースの欠場というハンディキャップを負うことになった。エースの田中大貴が昨年末、12月30日に行われたエヴェッサ大阪との第2戦古傷である左ハムストリングスを負傷。新年最初のゲームはチームに帯同はしていたが、田中の代わりに須田侑太郎が先発に起用された。
試合はその須田のドライブが初得点となり、まずA東京が抜けだす。しかし、千葉は田口成浩が落ちたシュートを自分でねじ込んで逆転に成功すると、ギャビン・エドワーズの3ポイントやインサイドのパワープレーで加点。千葉がリードして第1クォーターを終えた。
しかし、第2クォーターに入るとA東京のケビン・ジョーンズ、ザック・バランスキー、そして須田が積極的に攻撃を仕掛ける。ディフェンスでも第1クォーターに手こずったエドワーズを抑えると、終盤にはバランスキーが3ポイントを決めると、富樫勇樹のターンオーバーのボールを拾った安藤誓哉が切り返して決めたレイアップシュートがブザービーターとなり、A東京が41-41と追いついて前半を折り返した。
後半勝負となったこの試合、自分たちのペースを最後まで譲らない粘りを見せたチームが勝利をつかんだ。
第3クォーター、先攻されたA東京はアレックス・カークがオフェンスリバウンドを押し込み1ゴール差に詰め寄る。しかし、この場面でターンオーバーを犯したA東京は追いつくどころか、千葉にリードを奪われることになってしまう。千葉はコー・フィリッピンがスチールからの速攻、さらにはドライブでA東京のディフェンス網を切り裂き、次第にリードを広げていった。
第4クォーターは粘り合いの中、千葉が最後までA東京にペースを渡さずにゲームセット。3693名のファンが詰めかけた2020年初戦は、千葉が73-63でA東京に勝利した。
A東京に田中の欠場というハンディキャップがあったとはいえ、千葉は自身のプレーをやり切っての勝利だ。昨年の新潟アルビレックス戦の後、「チームに信頼関係はあるのか? 励まし合って戦うのがチームではないのか?」と大野HCが選手に問うたという。シーズンがうまくいかない時だからこそ、チームで戦うことを強調したのだ。開幕からなかなかうまくリズムに乗り切れなかった千葉だが、20年はチームで戦う姿を取り戻して上位をうかがっていくだろう。激戦の東地区からさらに目が離せなくなりそうだ。
文=入江美紀雄
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