2020.01.25

好調を維持する京都ハンナリーズが7連勝、敗れた川崎ブレイブサンダースは2戦連続で接戦落とす

京都のマブンガは22得点8リバウンド13アシストの大車輪の活躍[写真]=B.LEAGUE
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 B1リーグは大半のチームが30試合を消化し、後半戦へ突入。これからチャンピオンシップ出場や残留プレーオフ回避へ向けた戦いが激化することになる。1月24日、川崎ブレイブサンダースがとどろきアリーナに京都ハンナリーズを迎えて行われた第19節第1戦は、4点差でアウェイの京都が競り勝ち、連勝を「7」に伸ばした。

 両チームともに前節から中1日というスケジュールで行われた一戦。立ち上がりに主導権を握ったのは「今日は最初の5分を大事にしよう」(佐藤賢次ヘッドコーチ)と試合に入った川崎だった。

 ジョーダン・ヒースが2本の3ポイントを沈めれば、ニック・ファジーカスも長距離砲とオフェンスリバウンドから得点を挙げて第1クォーター残り3分で19-13と先行する。しかし、京都は「タイムアウトなしで踏ん張れたのがよかった」(浜口炎HC)と、ジュリアン・マブンガデイヴィッド・サイモンを起点に8-0のランで巻き返し、2点リードで最初の10分間を終えた。

 第2クォーターに入ると、川崎は開始約7分間でわずか6得点とオフェンスが停滞。その間、京都はルーキー・寺嶋良の連続得点、松井啓十郎の3ポイントなどでリードを2ケタとする。残り2分16秒からは辻直人、前半だけで17得点10リバウンドを挙げたファジーカスに立て続けに得点を奪われたが、終了間際に松井の得点で食い止め、34-39でハーフタイムへ。

ファジーカスは28得点に加え7つのオフェンスリバウンドを奪った[写真]=B.LEAGUE

 追いつきたい川崎は第3クォーター、藤井祐眞がギアを上げて8得点をマークする活躍を見せる。しかし、京都は司令塔も務めるマブンガが上手く試合をコントロール。長谷川技とヒースからともに3つ目のファウルを誘って流れを渡さず、49-57で最後の10分間を迎えた。

 追いかける川崎、逃げる京都という展開は続き、試合終了残り3分の時点で京都が8点リード。しかし、ホームの川崎がここから意地を見せる。藤井が3ポイントで自身21得点目を挙げると、ファジーカスが3ポイントとインサイドから得点を決めて73-75。同1分21秒には藤井のフリースローで同点に追いついた。さらには長谷川のオフェンスリバウンドから大塚裕土が3ポイントを沈めてついに逆転に成功。残り45秒で試合をひっくり返した。

 しかし試合はまだ終わらない。京都はタイムアウトで時間を止めると、ビッグマンの永吉佑也をコートへ送り出して勝負に出る。すると、タイムアウト明けの攻撃で永吉がオフェンスリバウンドをもぎ取りフリースローを獲得。長谷川をファウルアウトへ追い込み、約4000人の大ブーイングに耐えて2本とも決めきる。再びリードを奪い返した。

 京都2点リード、残り11秒で迎えた川崎の攻撃でも永吉の存在が大きかった。川崎・佐藤HCは同点を狙ったこのプレーでトップの位置から藤井のアタックを第一に選択したが、対する浜口HCは藤井にマブンガをマークさせ、ピック&ロールの際にはスイッチするよう予め指示していた。

 その指示があったことで、永吉はマークマンのヒースが藤井へスクリーンをかけにいった際、迷わず藤井を止めに前へ。そして相手を自由にさせず、冷静にピンチの芽を摘んでみせた。浜口HCも「勝負どころはうまく守れたと思います」と胸をなでおろした。

永吉は約25分間のプレータイムを得て、古巣相手に奮闘した[写真]=B.LEAGUE

 最終スコアは78-82。川崎は前節に続き競り合いを落として2連敗。指揮官は「チームで大事にしていたことはやれました」と評価しつつも、この日の敗因をこう分析し、明日の第2戦を見据えた。

「ちょっとしたきっかけでイージーショットを外したり、タフショットを決められたり、ファウルを上手くもらわれたりしてメンタル的に落ちてしまった時間帯がありました。そこが敗因かなと思います。試合中は色んなことが起こりますが、今日は下を向かないでやる続けるということができなかったです。それを明日やりきれるように準備をしたいと思います」

 一方の京都は、一時13連敗で地区最下位に沈んだこともあったが、マブンガとサイモンが本調子に戻ったことで15勝16敗まで成績を戻した。また、浜口HCは好調の要因を両外国籍選手の活躍に加え、寺嶋の加入が大きいと口にする。

「ボール運びの部分で厳しい時期がありましたけど、良が入ったことで相手の状況を見ながら色んな選手を使えるようになったのが要因です。ディフェンスでも、うちはどちらかというとファストブレイクを出させないように少し下がって守ったり、オフェンスリバウンドに行かなかったりしていたんですけど、小さい(179センチ)ポイントガードが入ったことで前から当たるアグレッシブなディフェンスができるようになりました」

大学生Bリーガーの寺嶋は、現在も大学に通いながらハードな日々を過ごしている[写真]=B.LEAGUE

 その寺嶋は、第4クォーター終盤にファウルアウトとなったものの、22分間の出場で計12得点。この試合に限らず持ち前のアグレッシブさを随所に発揮し、5試合連続で20分以上のプレータイムを勝ち取っている。この活躍ぶりには「自分でも驚いている」(寺嶋)ようだが、奇しくも寺嶋が加入した昨年末にチームは連敗を抜け出し、そこから負けなしだ。

 25日の第2戦も寺嶋の“不敗神話”が続くのか、それとも川崎が3連敗を阻止するのか。同日の試合のチケットは完売。いずれにせよ、超満員の会場を大いに喜ばせる好ゲームに期待したい。

文=小沼克年

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