2022.09.26

ブレイク必至!“スタッツ”から見るB1全24クラブの注目選手を紹介【西地区編】

西地区の注目選手を紹介![写真]=B.LEAGUE
2000年より、バスケットボール専門で取材活動中

 昨季ほどのビッグネームの移籍は多くなかったものの、新天地での活躍を目指す選手は多く、戦力のシャッフルが一層進んでいるBリーグ。これまで成績が振るわなかったチームも補強で虎視眈々と上位進出を狙っており、チャンピオンシップ常連チームも安閑としてはいられない状況だ。

 その中で重要となるのはやはり新たに加わる選手であり、特に移籍した選手に関して、それまでにどのような活躍をしてきたかという点は、ファンにとってもシーズンの行方を見極める上で見落としてはならない要素となる。

 その見極めにおいて必ず必要なのがスタッツ。スタッツをより理解することで、プレーの裏に隠された戦術や戦略が見えてくるだけでなく、選手価値を測るバロメーターにもなる。スタッツをどう扱うか、どう楽しむかという点もバスケットボールの醍醐味の一つと言えるだろう。

 そこで、今回はB1の各クラブから1名ずつ、今季大きく飛躍する可能性を持つ選手をピックアップ。活躍を期待されるルーキーから昨季伸び悩んだ選手、移籍で成長を期する選手まで、その特徴はさまざま。どのような選手がブレイクするのか、各選手の過去のスタッツやそれぞれのチーム事情などもふまえた上で選んでみた。Bリーグをより一層楽しむために、少しでも参考になれば幸いである。

ライター厳選・今季のBリーグはこの選手に注目!

名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
坂本聖芽

[写真]=B.LEAGUE

 2シーズン連続で特別指定選手となったが、昨季は故障で合流が遅れたため出場はわずか5試合のみ。それでも、1試合平均11.6分コートに立って同5.2得点という数字を残し、同2.0本というリバウンド数もガードとしては多かった。齋藤拓実伊藤達哉とはタイプが異なり、コンボガードとしての働きも見込まれる即戦力の大卒ルーキー。チャンピオンシップクォーターファイナルの壁に何度も阻まれてきた名古屋Dのキーマンになり得る選手として、今季のルーキーの中でも特に注目したい1人だ。

ファイティングイーグルス名古屋
中村浩陸

[写真]=B.LEAGUE

 特別指定選手として鮮烈デビューを飾り、計3シーズンプレーした大阪エヴェッサを離れて新天地に移籍。176センチとサイズはないものの、昨季も2ケタ得点が11試合と得点面でも貢献できる。FE名古屋はガードの層が厚いが、その分2ガードを敷く時間帯も少なくなく、コンボガードの中村は一定の出場機会を確保するものと思われる。昨季はやや黒子役に回った感もあったが、本来はアグレッシブにシュートを狙える選手。どこからでも攻めることのできるチームにあって、中村もその持ち味を活かせるはずだ。

滋賀レイクス
杉浦佑成

[写真]=B.LEAGUE

 3シーズン連続の移籍で滋賀に新天地を求めた。一昨季は島根スサノオマジックでスターターに定着したが、三遠ネオフェニックスでプレーした昨季は1試合平均出場時間が6分以上減り、それに応じて得点などのスタッツも軒並み低下。元来はシュート力があり、サンロッカーズ渋谷でプレーした2018-19シーズンには37.2パーセントの3ポイントシュート成功率をマークしているが、昨季は30パーセントを割り込んでしまった。サイズのある日本人フォワードとして、滋賀では特に貴重な存在。スターターの座を再び勝ち取ることができれば、そのシュート力も蘇るに違いない。

京都ハンナリーズ
ザック・モーア

[写真]=B.LEAGUE

 198センチのサイズとシュート力を兼ね備えたフォワードとして、昨季は大阪で大きな期待を受けたが、故障などもあって実力を発揮できず。全米大学1部でプレーした経験を持ち、昨年にはワールドカップアジア予選の日本代表候補に入ったこともある選手で、潜在能力は確か。リバウンドの意識も高く、昨季は1試合平均12.2分という出場時間のわりには同リバウンドが2.8本。出場機会さえ確保できれば一定の数字を残せる選手と言って良く、このところ低迷している京都の救世主になる可能性を秘める。

大阪エヴェッサ
橋本拓哉

 一昨季終盤に大ケガを負い、復活を期した昨季も開幕前に再び同じ箇所を受傷してシーズン全休を強いられた。ただ、一昨季は戦線離脱で40試合出場にとどまったにもかかわらずベスト6thマン賞を受賞しており、既にその実力は証明済み。このオフにインジュアリーリストから抹消され、今季こそ完全復活をと強い決意を抱いているはずだ。一昨季は1試合平均29.6分出場で同13.4得点、3ポインシュートト成功率は43.1パーセントを誇った。開幕時点で27歳と脂の乗った年齢でもあり、キャリアハイのシーズンを送りそうな予感もある。

島根スサノオマジック
津山尚大

[写真]=B.LEAGUE

 アルバルク東京から三遠に移籍した昨季は出場時間が微増ながら、1試合平均得点は6.6点と2点以上伸ばし、存在感を取り戻した感がある。島根ではバックアップガードとして、昨季MVP級の大活躍を披露した安藤誓哉の負担を軽減する役割が期待される。その魅力はシュート力で、一昨季に40パーセント台に乗せた3ポイントシュート成功率は、昨季も35.8パーセントと高水準を維持。チーム全体の試投数が多い島根では、その武器も最大限に活かすことができ、得点が伸びることも期待して良いだろう。島根のさらなるステップアップには必要な選手だ。

広島ドラゴンフライズ
佐土原遼

[写真]=B.LEAGUE

 高校時代は全国大会を経験していないものの、大学で才能が大きく花開き、一躍注目された選手。大卒ルーキーだが既に広島で2シーズンプレーし、持ち前のフィジカルの強さを随所に垣間見せた。チームの選手層が厚くなった昨季は一昨季よりもスタッツの面では伸びなかったが、12月の合流後は1試合しか欠場せず、約11分の出場で11得点を挙げた試合もあり、成長する素地は十分。今季は数字に表れない部分だけでなく、得点やリバウンドなどスタッツに残る部分でも貢献度を増していく可能性がある。

琉球ゴールデンキングス
松脇圭志

[写真]=B.LEAGUE

 富山グラウジーズから三遠に移籍した昨季は44試合でスターターを務め、ほぼ全てのスタッツを伸ばした。1試合平均出場時間は一昨季の19.4分から約2分の増加だったが、同得点は5.2点から7.3点と特に伸び率が高く、強豪からオファーを受ける要因の1つになったことは間違いない。ディフェンスを重視する琉球では松脇の出場機会もある程度保証されるはずであり、チーム全体の3ポイントシュート成功率も36.5パーセントと高いチームで松脇の持ち味はより活かされる。悲願のリーグ制覇に向けた重要なピースとなる働きが期待される。

“スタッツ”を軸に、ファンタジースポーツでBリーグをもっと楽しむ

 Bリーグ7シーズン目となる2022-23シーズンの開幕を目前に控え、ファンタジースポーツゲーム「B.LEAGUE #LIVE2022」も幕を開ける。これは、オンライン上で実在のBリーグ選手をゲームユーザーがドラフトで獲得し、オリジナルチームを編成して他のユーザーと対戦するシミュレーションゲームだ。ゲームには実際の選手の活躍が反映され、ドラフトした選手の活躍度をポイント化し、その合計で勝敗が決まる。

 ただし、チーム編成時には予算の制限があり、既に実績があって有名な選手は当然ながらその価値が高く、1つのチームにスター選手を多数抱えることができないシステムになっている。したがって、チームには過去の実績がまだない選手を上手く組み込むことが必要であり、各選手が持つポテンシャルを見極める目が何よりも重要となってくる。実際にドラフト制度を導入しているプロ野球において、ドラフト下位指名で年俸の安い選手が急成長して個人タイトルを獲得するようなケースを想像するとわかりやすいだろう。

 今回紹介した各クラブの注目選手は、今季の飛躍が期待される有望株ばかり。彼らを獲得することで、コストパフォーマンスの面で有利にゲームを進めることができるだろう。

 上手くチームに組み込んで、ぜひ「B.LEAGUE #LIVE2022」でのBリーグ制覇を目指してほしい。

文=吉川哲彦

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