2022.10.03
ファイティングイーグルス名古屋を指揮して4シーズン目を迎えた川辺泰三ヘッドコーチが目指すのは、「トランジションで速い展開を狙うディフェンスのチーム」。B2を圧倒的な戦績で制したコンセプトをそのまま持ち込み、初のB1に挑む。
昨シーズンは積極的に補強し、「B2最強ロスター」だった。前シーズンのアシスト王だった石川海斗、名古屋ダイヤモンドドルフィンズから移籍の笹山貴哉、3ポイントシュート成功率のタイトルを獲得した相馬卓弥らが加入。前シーズンのB2得点王アンドリュー・ランダル、日本国籍を取得して代表入りしたエヴァンス・ルーク、ゴンザガ大で八村塁とプレーしたジェレミー・ジョーンズらインサイドも固めた。
各ポジションで加わった強い個性がぶつかり合わずに融合し、レギュラーシーズンは42勝8敗。プレーオフも含めたシーズンの1試合平均失点は69.9。狙いどおりのディフェンスのチームに仕上がった。その顔ぶれがほぼ残り、B1でどこまで戦えるかというチャレンジとなる。
さらに、ディフェンス面で期待できる2選手が加わった。レバンガ北海道から加入の葛原大智は外国籍選手と渡り合えるフィジカルの強さを持つ。大阪エヴェッサから移籍した中村浩陸は、中部大第一高出身の地元選手。24歳の若手らしくエネルギッシュにディフェンスをかけ続けられる。
211センチのブライアン・クウェリが退団したこともあり、ゴール下で劣勢となる可能性もある。B2より相手の当たりが強くなる中で、今シーズンもディフェンスがどこまで機能させられるかがカギを握る。速攻だけでなく、多彩な攻め手が生きてくる形に持ち込みたい。
昨シーズンは群馬クレインサンダーズが25勝30敗、その前のシーズンも信州ブレイブウォリアーズが20勝34敗と、B2を圧倒して昇格したチームが1シーズン目で健闘している。大きな補強なしでそれに続き、それ以上の成績が残せるのか。川辺HCは「優勝するためにチャンピオンシップ出場を」と高く目標を置いている。
文=松本行弘
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