2022.09.29
名古屋ダイヤモンドドルフィンズは、ショーン・デニス・ヘッドコーチが続投。11人が残り、新加入はただ1人だ。色濃い継続路線で初優勝を狙う。
デニス体制の昨シーズンは終盤、外国籍選手の負傷離脱が相次ぎ、西地区3位で進んだチャンピオンシップは準々決勝で敗退した。川崎ブレイブサンダースとのCS第2戦は、外国籍選手がアジア枠でフィリピン代表のレイ・パークスジュニア1人となりながらも、齋藤拓実、張本天傑、須田侑太郎の日本代表候補や身体能力の高い中東泰斗らを擁するチームのポテンシャルの高さ、かみ合った時の強さを確認した。
レギュラーシーズンの1試合平均87.4得点はB1全体の3位だった。ボール保持率を高めて、スピードある攻撃を増やすという取り組みは、実を結んできている。挑戦し続けている高度なスイッチディフェンスにとっても、顔ぶれが変わらないことはメリットだ。
そのバスケットをつかさどる齋藤がキャプテンとなり、名実ともに中心選手としてけん引し、実力的に遜色ない伊藤達哉が控えるポイントガード陣はリーグ屈指。小林遥太の移籍で空いた穴は、若手の坂本聖芽に期待がかかる。プレシーズンゲームでは得意のドライブを生かして流れを変える場面もあり、ゲームメークがさらに成長すればチーム全体の底上げにつながる。
3ポイントシュート成功率のタイトルをつかんだ狩野祐介が移籍したが、須田の日本代表での活躍が心強い。アジアカップ・シリア戦では9本の3ポイントシュートを決めてみせた。元々、安定した3ポイントシュートと高いディフェンス能力を持ち、役割を明確化して迷いなくプレーした時の爆発力を示した。この「覚醒」はチームの「補強」と言える。
唯一の新加入、セネガル出身のモリス・ンドゥールは、岡山学芸館高に留学して以来の日本でのプレーとなる。オハイオ大などを経て、2016-17シーズンにニューヨーク・ニックスでプレーした後、欧州を渡り歩いた。206センチながらスピードもあり、献身的なプレーが持ち味という。昨シーズンの1試合平均リバウンド数がリーグ15位だったチームの課題解消につなげたい。
ポテンシャルの高い選手が揃っていながらタイトルに届かないと、毎年のように言われてきた。今シーズンこそ頂点への思いで臨む。
文=松本行弘
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