2023.02.24
Bリーグ2022-23シーズンが9月29日に開幕する。Bリーグ誕生から7年。多くの選手が飛躍を遂げてきた。今回はB1で注目されるルーキー5人をピックアップ。新人王争いにも絡んでくるであろう注目の選手を紹介する。
176センチ70キロのコンボガードで、2021-22シーズンの12月に仙台と特別指定選手契約を締結した。関東大学リーグ2部で3ポイント王を2度獲得しているシューターだが、明星大学で1on1のスキルを磨き、ハンドラーとしての能力も高い。
ガードに負傷者が相次いでいたチーム状況もあり、昨シーズンは合流直後から主力級のプレータイムを与えられ、レギュラーシーズンの平均出場時間は17分53秒。3ポイントシュートの成功率は33.3パーセントと及第点で、平均得点も「7.8」を記録している。プレーオフは出場時間を1試合平均20.2分と伸ばし、クォーターファイナルからファイナルまですべて第3戦までもつれ込んだ激闘を経験した。9試合中8試合でスタートに起用され、セミファイナル進出を決めた福島ファイヤーボンズとの第3戦は16得点の大活躍を見せた。プレシーズンから仙台に合流できる今シーズンは、いよいよ大学では経験できなかった「1部」のコートに立つ。
水野宏太新ヘッドコーチのもとで飛躍を目指すチームの中で、プレシーズンはスモールフォワードとしてプレータイムを得ていた。198センチ102キロの体格でパワーとクイックネスを兼ね備えるのが彼の強み。ビッグマンからガードまで、コート上のほぼすべてにマッチアップできる守備力は「スイッチ」の選択肢を増やし、ディフェンスの穴を減らすことにつながる。
攻撃面はシューターとして3ポイントをどれだけ確実に決められるかが課題。並里成、トレイ・ジョーンズといった優れたハンドラーがおり「オープンな状況」は確実に生まれるチームだけに、阿蓮のシュート力が群馬浮上のポイントにもなる。偉大な兄・塁については今さら紹介するまでもないが、世田谷区立梅丘中学校の同級生・井上宗一郎が代表でブレイク中。明成高校、東海大学で示したポテンシャルの開花を期待したい。
世田谷区立梅丘中、福岡大学附属大濠高校、筑波大学と名門校で技を磨いてきた201センチ105キロのパワーフォワード。大学4年のシーズンを終えて昨シーズン途中に加入したSR渋谷ではほとんどプレータイムを得られず苦しんだが、日本代表で先にブレイクを見せた。6月のディベロップメントキャンプに招集された時点ではトム・ホーバスHCに「あなたを知らない」と告げられる立場だったが、待ち望んでいたストレッチ4の適任者として評価され、主力として起用され続けている。
強みは3ポイントシュートで、加えて「身体を張る」「走る」と言ったハードワークも忠実に遂行できる。SR渋谷では伊佐勉HCのオールコートのプレッシャーディフェンスへの適応が必要だが、ほかの外国籍選手と違う強みを持つ彼の存在は間違いなく貴重。昨シーズンはチャンピオンシップ出場を惜しくも逃したSR渋谷だが、復活したライアン・ケリーとともに「バージョンアップ」となる要素だ。
高いバスケIQ、得点力に加えて、ダンクを決める身体能力も併せ持つ185センチのコンボガード。強気な姿勢、リーダーシップや“プレーの華”も彼の魅力だ。東海大1年次は同じポジションに主将・寺嶋良(現広島ドラゴンフライズ)がいる中でポイントガードとして主力級のプレータイムを与えられ、秋季リーグ戦とインカレの制覇に貢献した。2年次には千葉Jの特別指定選手となり、B1デビューも飾った。
2021年2月14日の信州ブレイブウォリアーズ戦でヒザに「全治12カ月」の重傷を負ったが、千葉Jの全面的なサポートを受けてリハビリに励み、10月末に公式戦へ復帰。12月のインハイは悔しい準優勝に終わったが、後半戦から千葉Jに合流して貴重な戦力となっていた。布水中の大先輩・大野篤史HCと道は別れたが、ジョン・パトリックHCの期待も大きい。富樫勇樹とともに新生ジェッツを引っ張るガードとなるだろう。
日本の未来を担うポイントガードだ。東海大バスケットボール部を2年で退部し、21歳で迎える今シーズンは開幕からプロに専念する。福岡第一高校では2年・3年のウインターカップ連覇に大きく貢献し、2019年の1月末に三遠ネオフェニックスへ合流すると鮮烈デビュー。三遠戦のチケットが次々に売り切れる大ブームを起こした。大学進学後は横浜BCの特別指定を2シーズン経験。この夏はホーバスHC率いる日本代表にも招集され、アジアカップやワールドカップ予選でその評価を高めるプレーを見せた。
福岡第一高時代から速攻時のボールプッシュとその後のシュート、アシストが最大の武器。「チームを勝たせる」ための最善の選択ができるチームプレーヤーであると同時に、鋭いドライブや意外性のあるパスで観客を楽しませられる選手でもある。しつこく食らいつくディフェンス、スティール力も既にB1屈指だろう。彼が目指すべきものは新人王でなくベスト5とMVP、そしてビーコルの躍進だ。
文=大島和人
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