2022.09.29

【インタビュー】Bリーグ7年目のシーズンへ意気込む張本天傑「ファイナルの舞台に立つのが目標」

張本天傑が新シーズンの意気込みを語った[提供]=名古屋ダイヤモンドドルフィンズ
日本サッカー協会を経て、フリーランスのスポーツライター・カメラマンに。東海地方を拠点に、サッカー、バスケットボールなど様々なスポーツの取材を行う。

 2022-23シーズンのBリーグは、ドルフィンズアリーナで行われる名古屋ダイヤモンドドルフィンズvsシーホース三河の愛知ダービーで幕を開ける。昨シーズン、新指揮官の下で躍進を遂げた名古屋ダイヤモンドドルフィンズの中心選手であり、地元・愛知県出身の張本天傑に今シーズン、そして先出し開幕戦への意気込みを伺った。

 インタビュー・文=山田智子

「昨季は自分たちが強いことを証明できた」

――昨シーズンは指揮官にショーン・デニス氏が就任し、レギュラーシーズンは35勝15敗のクラブ最高勝率を挙げて西地区3位。3シーズンぶりにチャンピオンシップへ進出するなど飛躍のシーズンとなりました。
張本 全く新しいシステムになったので、最初は迷う部分もあったのですが、徐々にチーム全員がシステムにフィットして、それに伴って結果がついてきたことで自信になりました。コーチに教えてもらったことをどんどんやっていくことで結果が出ることがうれしくて、試合も、練習も、楽しくバスケットをすることができました。

 最後の最後でケガ人が出て残念な結果にはなりましたが、自分たちが強いということは証明できたと自信を持っています。

――特に手応えを感じたのはどんな部分ですか。
張本 すべてですね。その中でも、ディフェンスは日本にないようなシステムが応用されているので、他のチームにとってはやりにくかったと思います。(チェンジングディフェンスは)コーチの指示ではなく選手たち自身が判断してやっているので、スカウティングがしにくいんじゃないのかな。

――デニスHCは選手とよく個別にミーティングを行っていると伺いました。そうしたコミュニケーションも、チームの雰囲気の良さや結果につながっているのではと感じています。
張本 そうですね。コーチとは月に1、2回は個人でミーティングする機会があります。そこで今自分に足りない部分、もっとこうした方がいいというアドバイスをもらったり、逆に選手からからコーチへの要望を伝えたりすることもできるので、選手としては助かっています。

 結局目的は一つで、チームを良くしていくということなので。試合でも練習中でも選手どうしでしゃべることも増えてきましたし、すごくいいカルチャーだと感じています。

選手と密にコミュニケーションを取るデニスHCのもと、昨季は躍進を見せた[写真]=B.LEAGUE


――今シーズンの名古屋Dは選手の入れ替わりがほとんどなく、昨シーズン作り上げた土台を深化させていくシーズンになります。さらに強くなるためには、どのようなことが必要だと考えますか。
張本 昨シーズンの数字を見ると、ディフェンスリバウンドが最下位だったので、まずはその部分を強化しています。また、オフェンスリバウンドにも全員で飛び込んで、自分たちのポゼッションを増やすことも意識しています。

 あとは、狩野(祐介)さんが移籍したので、シューターの部分を全員でカバーする必要もありますし、本当にまだまだやることはたくさんありますね。

――そうしたチームの課題がある中で、張本選手としては今シーズンどんなところにフォーカスしていきますか。
張本 今まではキャッチ&シュートが多かったので、もう少し動きながらの3ポイントシュート精度を上げていきたいです。また、昨シーズンはインサイドの選手にケガ人が多く出て、僕がその穴埋めをすることが多かったのですが、今シーズンはアウトサイドのプレーをもっと増やしていきたいです。

今季は「アウトサイドのプレーを増やしたい」と意気込む[提供]=名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

「自分たちが開幕戦を行うことに非常に興奮している」

――今シーズンの目標を聞かせてください。
張本 昨シーズンもこれまでも、CSではクォーターファイナルで敗退しているので、今シーズンはファイナルの舞台に立つことがチームとしても個人としても目標です。

――今シーズンの先出し開幕戦は、ドルフィンズアリーナでの名古屋Dvs三河の愛知ダービーです。
張本 開幕戦はいつもテレビで観ている側だったので、今回自分たちが開幕戦を行うことに非常に興奮しています。

 愛知は今シーズンからB1が4クラブになりますし、全国でもトップレベルに競技人口が多い県だと思うので、この開幕戦をきっかけに愛知のバスケ熱を高めたいという思いもあります。Bリーグ7年目のシーズンがいいスタートになるように、全力で盛り上げていきたいです。

――開幕カード発表会見で対戦相手の三河キーマン、西田優大選手の弱点を代表期間中に研究してチームに持ち帰りたいとおっしゃっていましたが、何か対策は見つかりましたか。
張本 そうですね。西田はきゅうりがめちゃめちゃ嫌いで。「100万円もらっても絶対に食べないくらい嫌い」、「においもダメ」と言っていたので、入場の時にきゅうりをいっぱい持って西田のところに行って、心理的な部分でダメージを与えたいと思います(笑)。

――では、最後にファン・ブースターへメッセージをお願いします。
張本 CSに進出して優勝することを毎年目標にしていますが、ずっと達成することができなかったので、今年こそという気持ちがあります。

 今シーズンはチームのメンバーもそれほど変わらないですし、自分たちのバスケットに絶対的な自信があるので、皆さんと一緒にホームでCSを戦えるように頑張りたいです。ぜひドルフィンズアリーナに足を運んで、僕たちと一緒に戦ってください!

名古屋Dは昨シーズンをベースとしてさらなる上積みを図り、CS制覇を目指す[提供]=名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

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