2021.11.18

“ミスター三冠”や“八村世代の新鋭”が集結…新生日本代表候補24名を徹底紹介!

ホーバスジャパン初陣に向けた日本代表候補に選ばれた選手たち[写真]=B.LEAGUE
スポーツライター。前英字紙ジャパンタイムズスポーツ記者。Bリーグ、男女日本代表を主にカバーし、2006年世界選手権、2019ワールドカップ等国際大会、また米NCAAトーナメントも取材。他競技ではWBCやNFLスーパーボウル等の国際大会の取材経験もある。

11月27日、28日に行われる「FIBAバスケットボールワールドカップ2023 アジア地区予選」のWindow1・中国代表戦。指揮官就任後初戦となるこの試合に向けて、トム・ホーバスHCはどのような選手たちを集めたのか。大会の予備登録メンバーに選ばれた24名を徹底紹介する。

文=永塚和志
写真=Bリーグ

PG

岸本隆一

生年月日:1990年5月17日(31歳)
身長・体重:176センチ・75キロ
所属:琉球ゴールデンキングス

ウィリアム・ジョーンズカップへの出場こそあるものの、これまで日本代表はやや縁遠かった感がある。今シーズン、所属の琉球ゴールデンキングスでは39.5パーセントという高い3ポイントの成功率をマーク。ホーム・沖縄アリーナのコート中央付近に大きく描かれたヤシの木のロゴ付近から打つ「ココナッツスリー」は、ファンを大いに沸かせる。

藤井祐眞

生年月日:1991年12月23日(29歳)
身長・体重:178センチ・75キロ
所属:川崎ブレイブサンダース

過去2年連続でBリーグで3つの個人タイトルを獲得している“ミスター三冠”。圧倒的なスタミナと運動量で今や川崎ブレイブサンダースで攻守の要となった。今シーズンはここまで全試合先発出場し、1試合平均6.4アシストを記録するなど司令塔としても活躍する。過去にはU24やジョーンズカップの日本代表歴はあるものの定着はしていなかった。

富樫勇樹

生年月日:1993年7月30日(28歳)
身長・体重:167センチ・65キロ
所属:千葉ジェッツ

言わずとしれた日本人No.1ポイントガード。東京オリンピックにも出場し、平均6.3得点、1.7アシストを記録した。類まれなスピードからのドライブインが持ち味である一方で、3ポイントの技量を年々上げており、最近はディープスリーの試投数も増えてきている。ポジティブな人間性でもチームに好影響をもたらす。

ベンドラメ礼生

生年月日:1993年11月14日(28歳)
身長・体重:183センチ・83キロ
所属:サンロッカーズ渋谷

2019年のワールドカップメンバー落選の悔しさを成長に替えて、今夏の東京オリンピックではメンバー入りを果たした。常にハードなディフェンスを求められるサンロッカーズ渋谷でのプレーを通じて得たしつこいディフェンスが持ち味。かつ今シーズンはオフェンス面でも中心的役割を担い、開幕からの5試合中4試合で15得点以上を挙げている。

齋藤拓実

生年月日:1995年8月11日(26歳)
身長・体重:172センチ・69キロ
所属:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

特別指定で加入したアルバルク東京での雌伏の時を経てここ3年ほどでBリーグトップクラスのポイントガードに成長。代表招集を待望するファンの声も多かった。縦へ切り込む力強さを持ちつつ、視野の広さを生かしたアシストに長ける。今シーズンは滋賀レイクスターズ時代の指揮官だったショーン・デニスHCの下で再びプレーすることとなり、3ポイントの試投数が増え、精度も上がった。

寺嶋良

生年月日:1997年10月23日(24歳)
身長・体重:179センチ・77キロ
所属:広島ドラゴンフライズ

名門の洛南高校、東海大学を経てBリーグ入り初年度から期待通りの活躍を見せてきた“八村世代”の若手。得点力とゲームコントロールの双方で質の高いプレーをする。今シーズンは新天地・広島ドラゴンフライズで安定したパフォーマンスを見せ、14試合中10試合で2ケタ得点。本好きとしても知られ、読書専用のインスタアカウントを持っている。

SG

比江島慎

生年月日:1990年8月11日(31歳)
身長・体重:191センチ・88キロ
所属:宇都宮ブレックス

日本が誇るスラッシャーで独特のステップを踏みながらインサイドへ切り込む「比江島ステップ」が代名詞。今シーズンは自チームの宇都宮ブレックスで中心的な役割を担い得点力が戻ってきた。近年成長を見せる3ポイントでもリーグ4位タイの46.2パーセントという高い成功率をたたき出している。東京オリンピックでは平均7.7得点をマークした。

須田侑太郎

生年月日:1992年1月3日(29歳)
身長・体重:190センチ・87キロ
所属:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

2014年に若手主体の”ヤングジャパン”には選出されているが、本格的に選出されたことはなかった。強靭な肉体とスタミナを生かしたディフェンス力が売り。今シーズンは栃木ブレックス(現・宇都宮ブレックス)時代に指導を受けたデニスHCの下、新天地・名古屋ダイヤモンドドルフィンズで得点面でも躍進。開幕戦では20得点を挙げている。

安藤周人

生年月日:1994年6月13日(27歳)
身長・体重:190センチ・88キロ
所属:アルバルク東京

東京オリンピック直前のアジアカップ予選最終Windowや強化試合では、高精度の3ポイントと密着ディフェンスで気合のこもったプレーぶりだったが、本大会では失意の落選。今シーズンはアルバルク東京へ移籍し思うような数字を挙げられていないが、徐々に本領を発揮。2019年のワールドカップでは経験不足からか、得意の3ポイントを11本中1本しか決められなかった。

今村佳太

生年月日:1996年1月25日(25歳)
身長・体重:191センチ・92キロ
所属:琉球ゴールデンキングス

強靭な肉体さと器用さを兼備する日本屈指の万能選手。ディフェンス、ドライブイン、3ポイントとあらゆる局面で貢献できる力量を備え、今シーズンは所属の琉球で全試合に先発出場。昨シーズンのCSクォーターファイナルでは3試合中2試合でそれぞれ27得点するなど爆発力がある。課題は安定感のあるプレーをすることだ。

岡田侑大

生年月日:1998年6月10日(23歳)
身長・体重:189センチ・80キロ
所属:信州ブレイブウォリアーズ

ドライブイン、3ポイントとオフェンスで多彩な技量を持つが、今シーズンは新天地・信州ブレイブウォリアーズに移籍してさらに進化。平均19.1得点は全体の11位で、日本生まれの選手としては群を抜いて高い数字を残している。これまでU22代表は経験しているが、サイズと得点力のあるコンボガードとしてアピールしたい。

西田優大

生年月日:1999年3月13日(22歳)
身長・体重:190センチ・90キロ
所属:シーホース三河

福岡大学付属大濠高校、東海大学時代からアンダー世代の日本代表に選出され、A代表でもこれまで数度候補選手として招集はされているが、今回は晴れて12名のロスター入りなるか。今シーズンは新たに加わったシーホース三河で眠っていた得点力が開花。3ポイントの精度の低さはかねてからの課題だが、しつこいディフェンス力で評価を高めたい。

SF

古川孝敏

生年月日:1987年10月20日(34歳)
身長・体重:190センチ・92キロ
所属:秋田ノーザンハピネッツ

勝負強い長距離シュートで知られる古参選手も34歳に。最後に代表活動に参加してから時間が経ったが久々に復帰。今シーズンは秋田ノーザンハピネッツでも好調さを見せており、得意の3ポイントの成功率で42.2パーセントを記録。ディープスリーを決める場面もある。2009年のユニバーシアードから日本代表に選出され日の丸の重みをよく理解している。

アキ・チェンバース

生年月日:1990年9月19日(31歳)
身長・体重:191センチ・90キロ
所属:群馬クレインサンダーズ

物静かな男ではあるもののコート上では攻守で高いレベルのプレーを見せる。とりわけ3ポイントの精度は高く今シーズンは新天地・群馬クレインサンダーズで44.6パーセント(リーグ8位)を記録。とりたてて身体能力が高いわけではないもののバスケットボールIQが高く、スティールなどの能力が高い。東京オリンピックの代表候補にも入った。

張本天傑

生年月日:1992年1月8日(29歳)
身長・体重:198センチ・100キロ
所属:名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

長くパワーフォーワードポジションでプレーしてきたが、現代バスケの潮流と日本代表定着を見据えスモールフォワードとしての技量を磨いてきたことが奏功。今夏の東京オリンピックでも代表入りを果たした。同オリンピック前の東北でのイランとの強化試合の最終第3戦では、3ポイント4本を沈めてゲームハイの15得点を挙げた。

森川正明

生年月日:1992年3月7日(29歳)
身長・体重:191センチ・86キロ
所属:横浜ビー・コルセアーズ

今シーズン、Bリーグで最も飛躍を遂げている日本人選手の一人。三河時代は金丸晃輔の控えで出番は少なかったが、昨シーズン、横浜ビー・コルセアーズへ移籍し得点能力が開花。3ポイントが得意で今シーズンも成功率でリーグ4位タイだが、今年はより積極的にペネトレーションへ行く姿も目立つように。今回が代表候補初選出となった。

原修太

生年月日:1993年12月17日(28歳)
身長・体重:187センチ・96キロ
所属:千葉ジェッツ

千葉ジェッツ屈指の日本人オールラウンダーだが代表招集は縁遠かったものの、今回晴れて代表候補に。当たりの強さを生かしたディフェンスと3ポイントはかねてから評価は高かったが、最近はドライブインにも磨きがかかりペネトレイトからのレイアップによる得点が増えた。同学年のチームメート、富樫との同時選出となった。

ザック・モーア

生年月日:1997年3月26日(24歳)
身長・体重:198センチ・95キロ
所属:大阪エヴェッサ

同僚で同じく日本代表候補に選ばれらエリエット・ドンリーに似た体躯だが、より器用でドリブルやパスにも長ける。コート視野が広くとりわけパス供給で力を発揮する。一方で機動力もあり速攻では先頭を走り相手を出し抜くことも。3ポイントのタッチも光るものがある。今シーズンはBリーグ初年度ながら15分以上の出場時間を得ている。アメリカ育ちで大学は同国とカナダでもプレーした。

PF

竹内公輔

生年月日:1985年1月29日(36歳)
身長・体重:206センチ・100キロ
所属:宇都宮ブレックス

東京オリンピックの選考からは外れたが、2000年代から長らく代表のインサイドを担ってきた大ベテラン。高校ではウインターカップを、大学ではインカレを制しトップリーグ入り後も双子の弟・譲次とともに日本屈指のビッグマンとして活躍してきた。2006年の日本での世界選手権、2019年ワールドカップにもメンバー入りを果たしている。

野本建吾

生年月日:1992年4月25日(29歳)
身長・体重:201センチ・101キロ
所属:群馬クレインサンダーズ

貴重な2メートル超えの日本人ビッグマンとしてBリーグで外国籍選手とマッチアップすることも多い。アウトサイドシュートのスキルはないが、走力があり、ドリブルで素早くフロントコートにボールを運ぶこともある。A代表の経験はほとんどないが、過去にはユニバーシアードやU24のナショナルチームに選出されている。

エリエット・ドンリー

生年月日:1996年12月11日(24歳)
身長・体重:198センチ・91キロ
所属:大阪エヴェッサ

クラブではスモールフォーワード登録だが動きはパワーフォーワードに近いか。機動力とエネルギッシュなプレーができるのが売り。Bリーグの水に慣れつつある2年目の今シーズンは、直近5試合のうち3試合で2ケタ得点を記録している。神奈川県横須賀生まれで母親が日本人。大学はハワイにあるNCAA1部・シャミナード大学でプレーした。

シェーファーアヴィ幸樹

生年月日:1998年1月28日(23歳)
身長・体重:206センチ・106キロ
所属:シーホース三河

2019年のワールドカップ、そして今夏の東京オリンピックに出場し、今や日本代表のインサイドの核に成長しつつある。東京大会では初戦のスペイン戦で5得点を挙げるなどで平均1.7点を記録。競技歴はほかの選手よりも浅いが、高いIQと努力で3ポイントやカットインからの得点の技量を年々上げている。パリオリンピックを見据えてさらなる飛躍を誓っている。

C

エヴァンスルーク

生年月日:1991年3月16日(30歳)
身長・体重:203センチ・100キロ
所属:ファイティングイーグルス名古屋

昨季、4試合のみながらB1島根スサノオマジックでプレーし、それ以外は長年B2、B3でプレーしてきた。21年1月には帰化を果たし、今回晴れて日本代表候補となった。3x3リーグでも活躍しており2018シーズンには日本選手権大会でMVP受賞。長距離シュートと当たりの強さを含め、同競技で培った1対1の能力が光る。

マシュー・アキノ

生年月日:1996年9月28日(25歳)
身長・体重:205センチ・100キロ
所属:信州ブレイブウォリアーズ

今シーズン、途中から信州に加入したビッグマン。Bリーグではまだ出場1試合にとどまるが、直近の天皇杯3次ラウンドのバンビシャス奈良戦では9得点を挙げている。父親は元フィリピン国内プロリーグでドラフト全体1位指名を受けたマーロウ氏。フィリピンの生まれ育ちだが祖母が日本人である。

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