2022.10.27

Bライブを楽しむために今シーズン注目の選手をスタッツからピックアップ【B1・西地区編】

B1・西地区から注目の8選手をピックアップ [写真]=B.LEAGUE

すでに全勝も全敗チームもなく、例年以上の混戦となっている今シーズンのB1。開幕から3節を経過した時点で、各チームの特出したスタッツを残している選手をピックアップ。スキルをアップさせてプレイタイムをアップさせた選手もいれば、新天地で活躍の場を見つけ輝きを放つ選手もいる。そこで、東地区、中地区、西地区に分けて、今シーズン注目したい選手を紹介していこう。

文=吉川哲彦

安定感の高いプレーでチームをサポート

レイ・パークスジュニア名古屋ダイヤモンドドルフィンズ

パークスジュニアはラインアップに厚みを加える貴重な存在 [写真]=B.LEAGUE


 アジア特別枠のアウトサイドプレーヤーとして、名古屋Dのラインアップに厚みを加える貴重な存在。昨シーズンも1試合平均10.6得点をマークしているが、今シーズンも開幕から3試合連続で2ケタ得点を挙げ、第3節までは1試合平均10.7得点で昨シーズンと同水準の成績を残している。その他のスタッツは昨シーズンをわずかに下回るものが多く、特にフリースロー成功率は40.0パーセントと苦しんでいる印象もあるが、昨シーズンは71.6パーセント。ここからその数字は必ず上がっていくはずだ。主に得点力を期待されている選手としてはターンオーバーも6試合で5個と少なく、オフェンス面ではシーズンを通して堅実な働きを披露してくれるだろう。

B1ステージでも確実にアジャスト

野﨑零也ファイティングイーグルス名古屋

B1未経験を感じさせないプレーで今季も活躍中 [写真]=B.LEAGUE


 B1昇格初年度ながら開幕5連勝を飾ったFE名古屋を支える名脇役。B2でスターターに定着した昨シーズンは1試合平均8.4得点を挙げてチームの快進撃に一役買ったが、B1に昇格した今シーズンも第3節まで全試合でスターターを務めて1試合平均8.8得点と、数字を下げるどころか、わずかとはいえ上げている。特にフィールドゴール成功率が59.0パーセントと高く、2.7アシストも昨シーズンとほぼ同等。これまでB1でプレーした経験はなかったが、一段階上がったレベルにしっかりとアジャストしていることがわかる。1試合平均1.2スティールというスタッツから、ディフェンス面での貢献も期待でき、チームに置いておくと非常に使い勝手の良い選手だ。

新天地で飛躍する攻撃型司令塔

テーブス海滋賀レイクス

優勝チームからやってきた若き司令塔が輝きを増している [写真]=B.LEAGUE


 選手層の厚い宇都宮ブレックスからの移籍で、出場時間を大幅に伸ばすことは予想されていたが、各スタッツはそれ以上に向上した印象がある。第3節までの6試合はすべてスターター出場し、1試合平均14.8得点4.8リバウンド7.3アシスト。3ポイントシュート成功率は45.0パーセントにのぼり、昨シーズン1試合平均1.0本だったフリースロー試投数は同2.5本まで増え、成功率も86.7パーセントと高い。延長にもつれこんだ第2節第2戦では、42分44秒出場で23得点7リバウンド15アシスト4スティールという圧巻のスタッツも残してみせた。1試合平均1.5ターンオーバーもガードとしては優秀。低迷する滋賀の救世主として、さらに大きな飛躍の期待をかけられる選手だ。

チームメイトを生かすアシストに注目

久保田義章京都ハンナリーズ

昨季終盤からの勢いを今季も発揮している久保田 [写真]=B.LEAGUE


 司令塔として昨シーズン一躍急成長を遂げた期待の若手。昨シーズンは終盤にスターターに定着したが、今シーズンは開幕から重責を任され、第3節までの6試合のうち5試合までが30分以上出場と完全に信頼を勝ち取った。スタッツも申し分なく、1試合平均11.3得点7.0アシスト、3ポイントシュート成功率38.1パーセントと攻撃的司令塔の役割を果たしている。中でもアシストは安定感があり、6試合中5試合が5アシスト以上、残る1試合も4アシスト。アシストとターンオーバーの比率は特にガードにとって能力の指標とされるが、この数字も非常に良く、今シーズンはリーグ屈指のガードに名乗りを上げるシーズンになりそうな予感も漂う。

マルチな活躍で大阪をけん引

合田怜大阪エヴェッサ

もはや合田はエヴェッサの顔とも言える存在 [写真]=B.LEAGUE


 度々故障に見舞われながらも、Bリーグ初年度から一貫して大阪でプレーする数少ない1人。昨シーズンは32試合にスターター出場したが、今シーズンも第3節まですべてスターターを務め、1試合平均8.2得点3.0アシスト1.3スティール、3ポイントシュート成功率50.0パーセントとチームへの貢献度は高い。特に重宝されているのは、ターンオーバーの少なさ。昨シーズンも0.6個という数字だったが、今シーズンは6試合を終えた段階でわずか1個。時に得点を期待され、時にゲームコントロールを託されるコンボガードの合田は、状況に応じた役割を務め上げることのできるマルチな選手だ。第3節第1戦で自身最多の10リバウンドを挙げたことも付記しておきたい。

常に高レベルのパフォーマンスを披露

リード・トラビス島根スサノオマジック

積極的にリングにアタックする姿勢とは裏腹に安定したスタッツを残すトラビス [写真]=B.LEAGUE


 島根で3シーズン目を迎えたトラビスは、昨シーズンも出場34試合で1ケタ得点が5度しかなかったように、安定感が最大の売り。今シーズンは第3節までの時点で得点とリバウンドがいずれも1ケタに終わった試合がすでに2試合あるが、残る4試合は図ったように全試合12リバウンドで、18得点と19得点が2試合ずつ。計算できる選手という観点では、リーグでも有数と言えるだろう。1試合平均14.2得点10.2リバウンドに加えて、ターンオーバーが極めて少ないのも注目点だ。アシストが少なく、今シーズンに関しては3ポイントシュート成功率も13.6パーセントと苦しんでいるが、試合を重ねていけば昨シーズンの31.7パーセントには十分届くものと思われる。

高い打点から放たれる高確率シュート

ケリー・ブラックシアージュニア【広島ドラゴンフライズ

期待に違わぬかつ画を見せているブラックシアージュニア [写真]=B.LEAGUE


 今シーズン加入した新戦力の1人。米NCAAの強豪大学出身とあって期待は高く、第3節までは1試合平均16.8得点8.5リバウンド2.7アシスト1.0スティールと、攻防両面でその期待に違わぬ好成績を収めている。208センチという身長ながらシュート力も大きな武器の1つで、3ポイントシュート成功率は38.5パーセント、フリースローも88.5パーセントと高い精度を誇る。試合によってはフィールドゴール試投数の半分以上を3ポイントシュートが占めることもあり、内外角双方で相手に脅威を与えることができる選手だ。ここまではファウルトラブルに悩まされている印象もあるが、Bリーグの笛の基準に慣れてくれば出場時間が増え、各スタッツも上積みが望めそうだ。

琉球に欠かせない戦力へ順調に成長

コー・フリッピン琉球ゴールデンキングス

今季フリッピンは琉球の先発として出場 [写真]=B.LEAGUE


 昨シーズン琉球に加わり、自身のスタッツを大きく向上させてチームのファイナル進出に貢献したことは周知の通り。今シーズンもスターターとして、第3節までは1試合平均7.8得点3.0アシスト1.7スティールとほぼ昨シーズン並みの数字を挙げている。昨シーズン32.7パーセントだった3ポイントシュート成功率はここまで25.0パーセントとやや落ちているが、2ポイントも含めたフィールドゴール成功率は55.3パーセントで、トータルの決定力はむしろアップさせている。今シーズンはポイントガードとして出場する時間が長く、その役割にアジャストすればアシスト数が増えていくことも考えられる。スティール数が示すように、ディフェンス面でも不可欠な選手だ。

※選手のスタッツは第3節(10月16日)終了時点

夢のチームを作って戦う『B.LEAGUE#LIVE2022』でBリーグをもっと楽しもう

 Bリーグ2022-23シーズンの開幕とともにスタートしたリーグ公認ファンタジースポーツゲーム『B.LEAGUE#LIVE2022』は、実在のB1・B2選手からドラフトしてチームを編成しプレイヤー同士で対戦するシミュレーションゲームだ。

 プレイヤー同士の勝敗は、選手の実際のスタッツ=活躍に応じたポイントで争い、複数人だけでなく1人でも楽しめる豊富なコンテンツが用意されている。すでに多くのBリーグファンがプレイを楽しんでおり、他のユーザーと交流するツールとしても活用されるなど、上々の反響を得ているということだ。

 このゲームの最も面白いところは、日本代表クラスの選手や個人タイトル争いの常連だけでチームを編成できない点。勝敗を競う上ではスタッツが何よりも重要となるが、実際のプロスポーツの世界で過去の実績によって選手の年俸に差が生じるのと同様に、これまでに高いスタッツを残してきた選手とそうでない選手を同じ条件で獲得することはできない。サラリーキャップ(選手総年俸額に上限を設ける制度)のようなシステムがあるこのゲームでは、未知数ながら将来性のある若い選手や、移籍などで出場機会増加が見込まれる選手などを見極め、チームに加える必要があるのだ。

 本記事で紹介した第3節までの各選手の活躍度を参考に今後の展開を予想し、GM気分が味わえるこのゲームをより楽しんでみてはどうだろうか。

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