2023.10.17
昨季、ついに悲願のB1優勝を成し遂げた琉球ゴールデンキングス。優勝へと導いたのは特定の選手に依存しない「ポジションレスバスケ」だった。
連覇を目指す今季は、岸本隆一、今村佳太、田代直希など優勝メンバー中10選手が残留。そして昨季千葉ジェッツで大きなインパクトを残したヴィック・ローと新規契約して他チームを驚かせた。
しかし開幕前に大黒柱のジャック・クーリー、日本人ビッグマンの渡邉飛勇がともにケガでインジュアリーリストに登録。琉球は緊急補強として、アルバルク東京を契約満了となっていたアレックス・カークと、練習生の荒川颯と選手契約した。
9月のプレシーズンゲームでは、群馬クレインサンダーズ、台北富邦ブレーブスと対戦して2勝1敗1分。アジア大会の日本代表に召集された今村と、右ヒザ負傷の小野寺祥太を欠いて9人の選手ローテーションで臨んだが、相手に的を絞らせないポジションレスバスケは健在で、新加入選手も実戦の中で連携を深めていた。特にボールハンドリングも任せられるローの万能性は、琉球のポジションレスバスケを完成形に導く可能性を見せた。
桶谷大ヘッドコーチは「ローの加入で今季はトランジションバスケも武器にしたい」と語り、琉球の武器であるディフェンスリバウンド獲得から、昨季はあまり見られなかった素早い速攻で得点するシーンも増えそうだ。開幕から3節連続でアウェー戦という厳しいスケジュールだが、新しい武器を手に入れた琉球が開幕ダッシュに成功すれば連覇への視界も開けてくるはずだ。
さらに今村は沖縄アリーナでのFIBAバスケワールドカップで日本代表に選出されなかった悔しさを胸に、日本一のプレーヤーとなって来年のパリオリンピックの舞台に立つ。
文=アウトナンバー編集部
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