2023.10.03

【注目移籍選手5選】主力級の移籍で勢力図が書き換えられる!?…馬場雄大が6季ぶりにB復帰

開幕を心待ちにする注目の移籍選手をピックアップ [写真]=B.LEAGUE, Hiromasa ITO
球技ライター

このオフも移籍市場は激アツ! 多くの代表、主力クラスが新天地に赴いた。リーグの勢力図を書き換えるであろう注目の移籍選手をピックアップした。

文=大島和人

馬場雄大(テキサス・レジェンズ→長崎ヴェルカ

“BABA BOOM”がBリーグに帰ってくる! [写真]=伊藤大允


「就職活動」を終え、6シーズンぶりにBリーグへ帰ってきた。筑波大を4年の在学中にプロへ進み、アルバルク東京ではリーグ2連覇に貢献。その後はNBA入りを目指しつつNBA Dリーグのテキサス・レジェンズ、豪NBLのメルボルン・ユナイテッドでキャリアを積んでいた。日本代表でも先日のW杯では五輪出場権獲得に大きく貢献している。SG/SFながら196センチと長身で、スピードや跳躍力といった運動能力が高く、速攻からのダンク「BABA BOOM」でアリーナを湧かせる。もう一つ素晴らしいのは彼の向上心。27歳の彼は堪能な英語力を身に着け、ロールプレイヤーとしての引き出しを増やし、3Pシュートの成功率も上がっている。テンポが早い長崎のバスケにはフィットするはずで、チームとともに我々を驚かせてくれるはずだ。

田中大貴アルバルク東京サンロッカーズ渋谷

故障もが癒え、新天地にかける田中大貴 [写真]=B.LEAGUE


 A東京には8シーズン在籍し、間違いなくクラブを象徴する存在だった。その彼がSR渋谷に移籍したことは、今オフ最大のサプライズかもしれない。今季から指揮を執るルカ・パヴィチェヴィッチ新ヘッドコーチは「ピックアンドロールの伝道師」とでも言うべき指導者だが、A東京時代にハンドラーとして重用されたのが田中大貴。ドライブやパス、シュートのスキルも高いのだが、守備と味方の動きをしっかりと観察して次のプレーにつなげる知性や緻密さが最大の強みだ。

 ジョシュ・ホーキンソン、ジェームス・マカドゥら強力インサイド陣との連携が構築されれば、止めようがないオフェンスになるだろう。昨シーズンは負傷に苦しんだが、今年1月に腰の手術を行い、プレシーズンでは元気な姿も見せている。

辻直人広島ドラゴンフライズ群馬クレインサンダーズ

辻直人の加入を群馬は上昇の起爆剤にしたい [写真]=B.LEAGUE


 洛南高校、青山学院大学、NBL東芝とBリーグ誕生前から様々なタイトルに絡んできた34歳のシューターは、CS初出場を狙う群馬にとって大きな力になるはずだ。群馬には並里成トレイ・ジョーンズといった素晴らしいハンドラーが既にいる。

 ただし相手のDFがドライブに対応して中へ絞ったとき、「外」から決めるシューターを必要としていた。辻は広島に2シーズン在籍して改めて実力を証明。2022-23シーズンの3ポイントシュート成功率は38.7パーセントと決定力は健在で、試投数も1試合平均6.0本を記録している。彼がコートに立つことで「インサイドのスペースを空ける」効果も生まれる。実はパスの名手で、明るいキャラクターでもおなじみ。太田の新アリーナのお客を増やす貢献も期待できる。

ヴィック・ロー千葉ジェッツ琉球ゴールデンキングス

万能戦士、ヴィック・ローがライバルチームへ移籍 [写真]=B.LEAGUE


 千葉ジェッツのB1史上最高勝率(53勝7敗)を支えたオールラウンダーだ。「PGからセンターまでどんな相手でも守れる」ところが最大の強み。クイックネス、バランスが抜群で、俊敏な小型PGでも、大型センターでもミスマッチにならない。いわゆるエースキラーとして、その時間帯に「一番止めたい選手」にマッチアップする場面も多かった。

 オフェンスもインサイドのシュートも3ポイントともハイレベルで、昨季は1試合平均17.0得点を記録している。ただし「スコア以外」の貢献度が高く、ボールを自ら運び、試合の組み立ても担えるタイプだ。琉球では個の打開力を持つハンドラーとして、守備の「穴」を埋めるディフェンダーとして、2連覇への挑戦を助けることだろう。

ジョシュ・ホーキンソン信州ブレイブウォリアーズサンロッカーズ渋谷

日本代表を支えたジョシュ・ホーキンソンが新天地へ [写真]=B.LEAGUE


 普段からBリーグをよく見ているファンも、ワールドカップの活躍には驚いたのではないだろうか? ジョシュ・ホーキンソンは今季が来日7シーズン目の選手。ファイティングイーグルス名古屋時代からビッグマンとしてはオールラウンドな、献身的な選手だった。

 信州ブレイブウォリアーズでは勝久マイケルHCの下、状況判断的に洗練された、周りを生かせる選手になった。ただ沖縄アリーナでは世界の猛者に対してインサイドの守りややブロックショットで存在感を見せ、40分近くプレーしても強度が落ちず、試合を支配する存在になっていた。「タフさ」「上手さ」「賢さ」を兼ね備えた28歳のセンターは、外国籍も含めてB1屈指のレベルにある。ルカ・パヴィチェヴィッチHCのもとで、どのようなケミストリーを生み出すのか楽しみだ。

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