2024.10.08
アメリカで約11年間、NBAで6年間戦い抜いてきた渡邊雄太が新たなスタートの意味を込めて選んだ背番号「1」を背負い、Bリーグ、千葉ジェッツでの第一歩を踏み出した。
9月15日、千葉Jにとっても千葉県のJR南船橋駅至近に今春開業した新本拠地「LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ東京ベイ)」での初ゲームであり、サンロッカーズ渋谷を迎えての今シーズン初のプレシーズンゲーム。
会場は7948人の観客で埋まり、チケットは完売。大勢を占めるジェッツブースターが身につけた赤一色の様相で染まるなか、渡邊の名が先発メンバーとして呼ばれると、ひときわ大きな歓声で迎え入れられた。
「誰よりも自分がこの日を一番楽しみにしていました。すばらしいアリーナ、これだけ温かいみなさんの前でプレーできたのはうれしかったです」
試合後、渡邊がそう振り返ったように、新ヘッドコーチ、新戦力、新本拠地、チームの新しい歴史とともに、自身の新しい競技生活のスタートを切るふさわしい門出だった。
オフェンスではリバウンドからそのままボールを運ぶ場面もあれば、アーリーオフェンスでは先陣を切ってリングに向かった。ディフェンスでは、ガードのベンドラメ礼にマンマークに付く場面もあれば、ローテーション時には日本代表の盟友であるセンター、ジェフ・ホーキンソンにポストでマッチアップし、ボールをタップするシーンも見られた。
「ららアリーナ、千葉ジェッツでの最初の試合だったので、あまり深く考えずに楽しくプレーしようと考えていました。試合ではずっと日本代表で一緒にプレーしていたジョシュが相手で変な気持ちになる部分もありましたが、気負いなくプレーできました」
NBAからBリーグに来たからといって、得点に特化した選手になる必要はない。NBAでは与えられたプレー時間で存在感を発揮すべく「3&D」(スリー&ディー/3ポイントシュートとディフェンスを武器にする選手)のスタイルを追求したが、もともと渡邊は身長206センチの高さを生かしたプレーのみならず、トランジションにおけるスピード、巧みなボールハンドリング技術を持ち合わせている選手。千葉ジェッツなら、本来の持ち味を発揮できる役割が整っている。
フィールドゴールはリングに嫌われる場面も目立ち、試合は65-72と新アリーナでの初陣は飾れなかったものの、そんな渡邊の片鱗が見られただけでも、このプレシーズン初戦の収穫と言える。
「同じチームでプレーすることはもちろん(大きなこと)なんですけど、それ以上にNBAで6年間プレーした日本人選手が日本に戻ってきてプレーするのは、日本バスケットボール界にとって非常に大きなこと。自分としては彼の強みを活かせるにしていければと思います」
また、渡邊と何回かマッチアップしたホーキンソンも「日本代表選手同士がBリーグで戦うことは価値のあること」と認める。
「渡邊選手だけなく、富樫選手、原選手、金近選手など、日本代表で共に戦ってきたメンバーと違うチーム同士で戦うことは、プレーヤーとしても楽しいですし、何よりファンの人たちが待ち望んで見ている。選手としては、違うパッションが起きるし、そういったなかで対戦できたのは新鮮だし、勝ちにはこだわりたい。これから先も長いシーズンで何回かあるかと思うけど、渡邊選手に対しても遠慮なく戦っていこうと思います」
試合後半、ベンチで仲間たちの戦況を見守っていたが、「予定どおり出ないとわかっていたんですけど、ウズウズしていました」という渡邊。仲間がシュートを決めればベンチから立ち上がり、手に持ったタオルを振りかざし、タイムアウトで仲間が引き上げてくれば、率先してハイタッチで迎え入れる。日本代表では目にする馴染みの姿が、千葉ジェッツでもそのまま見られたのは、居心地のよさを感じているからだろう。
それゆえ、赤色の背番号「1」は新鮮さを与えつつも、どこか見慣れた光景にも映った。
「今はいい意味でリラックスできています。NBAにいた時は、トレーニングキャンプやプレシーズンの時期に100%の状態でいなければならなかった。それをシーズン中も維持することが大変だったんですけど、今は徐々に徐々に調子やコンディションを上げていけています」
ようやく心に余裕を持って、再び好きなバスケットボールに向き合うことができている。だからこそチームの勝利にも献身的になれる。今は笑顔も多く見られるが、との問いに「シーズンが始まれば、笑顔もなくなって(真剣な表情で)プレーしていると思います」と答える。
「現在のコンディションは6割、7割くらいですが、来週は天皇杯、10月頭から公式戦が始まります。ゲームシェイプ(公式戦仕様の高いレベルのコンディションを整える)の一番の方法は、ゲームを重ねていくことなので、その辺りはチームと相談しながら、急に上げすぎるとケガのリスクもあるので、調子を見ながらやっていければと思います」
渡邊は自然体でBリーグに溶け込もうとしている。一方で見ているファンやリーグ関係者は、「Bリーグの渡邊雄太」を受け入れるには、しばらく時間がかかるかもしれない。だが、それはBリーグ、千葉ジェッツにとっても初めての展開だからこその局面。前例がないからこそ、どのようなケミストリーが起こるのか、心躍るのではないか。
今シーズン、大いに楽しみだ。
文=牧野豊
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