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「SoftBankウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が開幕。12月23日午前9時、高校バスケの頂点を極める戦いの火ぶたが切って落とされた。
この日の第1試合に組まれた足羽と高知中央の一戦は、女子1回戦屈指の好カードと目されていた。しかし、予想に反して高知中央が試合開始前からスパート、点差を広げていく。高知中央の酒井寛治コーチは、「大会前に足羽さんのこの1年のビデオを全部見て、分析しました。ドライブのコースなどは予測した通りで、きっちり対応することができました」と試合後語ったように、ディフェンスからペースをつかんでいった。
オフェンスではジョシュアムフォン オボングテミトペがインサイドで奮闘。31得点をあげるパフォーマンスを見せるが、夏から「そこからの合わせを含め、モーションオフェンスのバリエーションを増やしてきた」(酒井コーチ)の言葉どおり、西尾明日香らのガード陣も思い切りのいいプレーでリングにアタック。さらに酒井コーチが「今日は入りすぎ」と語った松永夏佳が6本の3ポイントを含む30得点の大爆発。「一番練習して頑張る子が結果を出してくれた」と酒井コーチも目を細めた。
松永は「今までは波があって、練習では入っても試合では入らないことが多かった」というシュートを徹底的に練習。中学まではドライブ中心だったが、高校に入り、朝食を挟んで2時間も取り込んできたシュート練習の成果が、3年生最後の大会で結実した。「去年も(ウインターカップに)出させてもらっていますが、今年は集中しようと。『やばいな』って思うほど緊張はしませんでした」と、平常心を持って打ち続けた結果が、初戦圧勝の原動力となったと言えよう。
意地を見せたい足羽は、終盤、野田遥の8連続得点などで9点まで差を縮めるが、高知中央のペースを最後まで崩すことができなかった。結局、96-81で高知中央が勝利、2回戦進出を果たした。
「インターハイではその次のことを考えてしまって、目の前の試合で思いどおりのプレーができなかった。だからこそ一戦一戦を大事に。トーナメントはきちっとしたプレーが大切です」と、酒井コーチは快勝にも気を緩めることなく、まずは2回戦に照準を合わせているようだ。
文=入江美紀雄