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12月23日、「SoftBank ウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」で全国大会初出場を果たした昌平高校(埼玉県)が、和歌山信愛高校(和歌山県)に69-54で勝利した。
初の全国舞台は誰だって緊張するはずだ。昌平のキャプテン・大野紗佳(3年)が「こんな大きな体育館で試合したことないので、雰囲気が違いました」と口にすれば、加藤裕介コーチは「どう考えても緊張する。さすがにこの会場では難しい」と話す。
昌平はその緊張を“いつもどおりの笑顔”でほどいた。
コート上の選手たちは立ちあがりこそ表情が硬かったものの、ベンチを見れば試合前から隣どおしでニコニコと話している。2階に陣取る応援団も得点が入るたびに大きく飛び跳ね、会場を盛りあげた。その光景はまるで、チーム全体でウインターカップを楽しもうとしているかのようだった。
「大きい会場だけど、緊張しないでいつもどおりやろうと言っていたのでリラックスしてできたのかなと思います」(大野)
「いつもあんな感じなんで、(今日も)アップの時から表情は良かったです。あとは県大会で苦しんだ分、この舞台を全力で楽しもうと」(加藤コーチ)
昌平の平均身長は165.1センチ。対する和歌山信愛も同163.7センチと、この試合はスモールチーム同士の対戦でもあった。身長差が少なく互いにやりやすい相手かと思われたが、加藤コーチは「やりづらいです」ときっぱり。続けて「いつも埼玉県内の大きなチームをターゲットにチームを作ってきたので、大きな選手を相手にどう戦うかということを考えていた。小さい同士だといつもと少し違うことを考えてやらなきゃいけなかったのでそれは辛かったです」と理由を加えた。第1クォーターは11-14。それでも第2クォーターからはチームの特徴である「ディフェンスでしっかり粘ってからの速攻」(大野)が決まりだし、前半終了時点で11点リードを作った。後半も要所で石垣優衣、菅野奈月(ともに3年)といった取るべき選手が得点を挙げて全国初勝利を手にした。
チームのキャプテンは「とりあえず1勝できてよかったなと思います」と試合後は控えめだったが、2回戦の長崎女子高校 (長崎)戦も、“いつもどおりの笑顔”でこの晴れ舞台を思う存分楽しんでほしい。
文=小沼克年