2018.12.24

敗戦を糧に来夏の地元インターハイを見据える2年生エース・川内の野口侑真

2年生で得点源を担った野口侑真[写真]=伊藤 大允
中学や高校、大学などの学生バスケットをはじめ、トップリーグや日本代表と様々なカテゴリーをカバー。現場の“熱”を伝えるべく活動中。

「点の取り合いでゲームに入ってしまったのが……。もう少しゆっくりしたペースでいきたかったです」(川内・田中俊一コーチ)

 飛龍高校(静岡県)と川内高校(鹿児島県)との「SoftBankウインターカップ2018 平成30年度 第71回全国高等学校バスケットボール選手権大会」男子1回戦、試合は序盤から飛龍がリードを奪う展開になる。1対1で強さを見せる関屋心(3年)を起点に速い展開から一気に点差を広げていく飛龍。それに対し、得意とするディレードオフェンスに持ちこむことができなかった川内は堅いディフェンスの前に攻撃が単発に。特に2年生で得点源を担う野口侑真は、飛龍の杉山裕介(3年)にピッタリとマークされ、苦しいシュートが続いてしまった。

「自分はアウトサイドからの1対1が得意ですが、相手のディフェンスがうまくて、なかなか抜かせてくれませんでした。そこでいかに(高さを活かして)速くインサイドでプレーして戦うかが大事だったけれど、そこがまだやっぱり……」と、野口は肩を落とす。

 後半こそドライブからバスケットカウントを奪い、最終的にはチーム最多となる33得点を挙げたが、「勝負が決まってからでは遅い」と、田中コーチ。エースとしての期待を寄せるからこそ「飛龍のディフェンスに野口がストレスを感じてしまった。こういう時にこそどういう対応をすべきか。もっとリバウンドをがんばれたし、決めるべきシュートも何本もあったと思います」と、厳しい言葉を発した。

チーム最多となる33得点を挙げた野口[写真]=伊藤 大允

 それでも野口はまだ2年生。最上級生となる来年は、地元・鹿児島で開催されるインターハイが控える。ウインターカップでは、わずか1試合に終わったものの、この1試合で得たものは大きい。

「個人的には、試合の中での波があるので、そういった面ではチームのエースとはまだ言えない立場だと思います。どんな状況でもしっかり自分が点を取ってチームを勝たせることができるエースになるように。チームとしても、もっと全員の意識を高く持って、(来年の)インターハイ上位を目指してがんばっていきたいです」(野口)

 尊敬する選手はメジャーリーガーのイチロー。「試合ではいかにいつもやってきていることを淡々とできるかが大事だと思うのですが、(イチローの)そういうところをしているのがすごいと思います。まだ現役でやっていて、自分の体も分かっている。自分に何が必要かも常に考えているところは一流のアスリートだと感じます」と、語るように、野口はこれからもコツコツと努力を重ねていくだろう。

 来夏の主役となるために——。

 キバレ、薩摩隼人!

文=田島早苗

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