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「浮足立っていましたね。(試合前は)走られないように指示しましたが、前半から走られることが多かったので、それが最後まで響いてしまいました」
鈴木親光コーチの言葉どおり、昭和学院高校は立ちあがりから千葉経済大学附属高校に先手を取られ、池端直樹コーチ(千葉経大附属)の言葉を借りれば「チャレンジャー精神」の前にペースを乱して終始追いかける展開に。最後までリードを奪うことができず、「平成31年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会 (ウインターカップ2019)千葉県予選会」は準優勝。ウインターカップ県予選の連続優勝も「11」で途絶えた。
この試合は、相手の速い展開に手を焼いたことに加え、フリースローやゴール下での簡単なシュートを決めきれなかった点も鈴木コーチは敗因と分析する。中でもスターティングメンバーとして出場した松尾響、増田泉美ら3年生の出来を指摘し、「何本かシュートは決めてたんですけど、大分慌てて打っていたので、今日は下級生主体でいこうかなと思ってしまいました」と明かした。
鈴木コーチが言うように、昭和学院は第1クォーター序盤から1年生の田嶋優希奈、右ヒザの負傷から復帰して間もない三田七南(2年)を送りこんで立て直しを図った。しかし、流れは変わらず前半終了時点で23-33の10点ビハインド。後半は一時4点差まで詰め寄ったが、前述した指揮官の言葉どおり、前半の出遅れが最後まで響いて最終スコア62-72で敗れた。
試合後、鈴木コーチは「3年生を使わなかった僕の責任です」と自分を責めた一方、「今日はゲームの流れというか、3年生を使おうと最後までひらめかなかったです」ともコメント。
実際にベンチへ下げられ、20分以上戦況を見守った増田は「準備不足。チームを上手くまとめられなかった自分の責任だと思います。ずっと言われている『ゴール下のシュートと的確な状況判断』という課題を克服できないまま大会期間に入ってしまいました」と、肩を落とした。
「この悔しさを3年生がどう思うのか、下級生にプレータイムを奪われて負けた原因をこれからどう突き止めて進歩していくのかを見ていきたいと思います」(鈴木コーチ)
準優勝でウインターカップ予選を終えたが、昭和学院は12月23日からの本戦へと出場する。6月の「令和元年度関東高等学校女子バスケットボール大会 兼 第73回関東高等学校女子バスケットボール選手権大会」で自らが優勝を成し遂げ、千葉県代表の出場枠を「2」に増やしたからだ。
昨年から主力を務めている三田に加え、178センチで先発に名を連ねる花島百香、指揮官も「先発で起用するか迷っている」というポイントガード田嶋など、今年の昭和学院は下級生にも実力のある選手が並ぶ。
しかし、ウインターカップは“3年生の大会”とも言われるほど、高校バスケ最後の大会となる最上級生の意地が問われる。大会までの約1カ月間で、3年生がどれだけ自信を取り戻してチームを変化させることができるかが重要になるだろう。
この敗戦を糧に、昭和学院は昨年のウインターカップ3位という成績を超えられるか。
文=小沼克年