12月23日、都内で「SoftBank ウインターカップ2019 令和元年度 第72回全国高等学校バスケットボール選手権大会」が幕が開けた。

　武蔵野の森総合スポーツプラザでのCコート第1試合、八雲学園高校（東京都）vs精華女子高校（福岡県）の女子1回戦は、前回大会では延長戦の末に八雲学園が86－82で勝利した組み合わせ。今回の再戦は精華女子が力の差を見せつけ、100点ゲームで圧勝した。

「彼女たちも去年の悔しさがずっと残っていました。初戦で当たることにビックリしましたが、最初にリベンジを果たして目標のベスト4まで向かういい組み合わせだと前向きに捉えました」と大上晴司コーチ。

　試合開始約30秒、精華女子は木村瑞希が早々に2ファウルを犯してベンチへ下がるも、樋口鈴乃、三浦舞華（いずれも3年）の個人技から得点を重ねて主導権を握る。

　指揮官が「ゲームの入りが集中していましたし、三浦が最初に爆発してくれて相手にもダメージが大きかったと思います」と振り返ったように、エースの三浦は前半から得点を量産。前半の20分間で21得点、司令塔の樋口も10得点と取るべき選手がスコアを動かした。

　一方の八雲学園は、2年生センターの粟谷真帆がインサイドで奮闘するも、エースの吉田眞子（3年）のシュートがことごとく外れて得点が伸ばせず。相手の速さに翻弄されてミスも目立ち、前半を終えて49－25と精華女子が大きくリードを奪った。

18得点15リバウンドと奮闘した粟谷真帆[写真]=大澤智子

　第3クォーターに入ると、八雲学園は吉田が連続得点やこの日最初の3ポイントを沈めて相手についていく。しかし、樋口、三浦を同時に止めることができず、同クォーター終了時点で77－44とさらに差が開いた。

　最終クォーター、精華女子はベンチメンバーをコートへ送り出すも、終始余裕を持った試合運びを見せて最終スコア100－64でタイムアップ。昨年のリベンジを果たすとともに、危なげなく初戦を突破した。

　大上コーチは試合後、「予選を見てても八雲さんはトランジションでやられているイメージがありました。そこの部分では絶対に負けない練習をしている自信がありましたのでうちが勝ったかなと思います」とコメント。チームの絶対的存在である樋口と三浦は、ともに約33分間のコートに立ち樋口は25得点、三浦は31得点をマークする活躍を見せた。

　この点については「ウインターカップは初戦が一番のポイントだと思って大会に来たので、2人とも少し長めに使いました」と大上コーチ。

2回戦では熊本商業と対戦する[写真]=大澤智子

「次、その次は相手も勝ち進んできたなかで対戦するので、とにかく自分たちのディフェンスから速攻に持っていく形にこだわってやっていけたらなと思います」

　23日の大会初日は武蔵野の森総合スポーツプラザとエスフォルタアリーナ八王子の2会場で計36試合が行われる。このあとも高校生たちの熱き戦いに注目だ。

文=小沼克年